関係とは、順序対の集合のことです。関数とは、各入力に対して出力がただ1つに決まる関係です。定義域は第1成分を集めて求め、値域は実際に現れる出力を集めて求めます。
これは「関係と関数」の多くの問題で中心になる考え方です。1つの入力に対して1つの出力というルールを確認できれば、定義域・値域・対応の種類もずっと整理しやすくなります。
関係と関数の違い:いちばん大事な点
関係では、入力と出力をどのように対応させてもかまいません。たとえば、
は関係ですが、関数ではありません。入力 が と の両方に対応しているからです。
関数は次のルールに従います。
ただし、異なる入力が同じ出力を共有することはあります。これは認められます。
たとえば、
は関数です。どの第1成分も、異なる2つの第2成分に対応していないからです。
定義域と値域の求め方
定義域はすべての入力の集合なので、第1成分から求めます。値域は実際に現れる出力の集合なので、第2成分から求めます。
次の
について考えると、
また、
となります。
出力として は2回現れていますが、集合では1回だけ書きます。値域は異なる出力を並べるもので、現れる回数を書くものではありません。
問題で終域が与えられている場合でも、それを自動的に値域と考えてはいけません。終域は、出力が取りうる大きな集合です。値域は、その中で関数が実際に取る部分集合です。
対応の種類:どれが関数になれるか
関係や関数の分類では、ふつう次のような対応を考えます。
- 1対1:各入力に出力が1つずつ対応し、異なる入力は異なる出力に対応する。
- 多対1:異なる入力が同じ出力に対応してよい。
- 1対多:1つの入力が複数の出力に対応する。
- 多対多:入力の重なりも出力の重なりも、より制限なく起こる。
関数になれるのは最初の2つだけです。1対多の関係は、1つの入力に複数の出力があるので、関数にはなりません。
例題:1つの関係で定義域・値域・種類を確認する
次のように
とし、関係を
で定めます。
順序対を書き出すと、
となります。
では、順に確認していきます。
定義域はすべての第1成分なので、
です。
値域は実際に現れる出力すべてなので、
です。
これは関数でしょうか。はい、関数です。各入力は1回ずつ現れ、出力がちょうど1つに決まっています。
対応の種類は何でしょうか。これは1対1ではなく多対1です。 と はどちらも に対応し、 と はどちらも に対応しているからです。
ここを見落とす人は多いです。同じ出力が繰り返されても、関数でなくなるわけではありません。問題になるのは、同じ入力に異なる出力が対応する場合です。
グラフから見分ける方法
関係がグラフで表されているときは、垂直線テストを使うとすばやく確認できます。ある垂直線がグラフと2点以上で交わるなら、1つの の値に対して複数の の値があることになるので、そのグラフは関数を表していません。
このテストが使えるのは、グラフを の組として読んでいるからです。つまり、「1つの入力に1つの出力」という同じルールを視覚的に言い換えたものです。
関係と関数でよくある間違い
同じ出力があると関数ではないと思う
そうではありません。関数は多対1であってもかまいません。問題なのは、同じ入力に異なる出力が対応している場合です。
値域と終域を混同する
たとえば終域が と与えられていても、値域は だけかもしれません。値域とは実際の出力であって、許される出力すべてではありません。
定義域の制限を忘れる
式だけでは情報が足りないことがあります。たとえば は で定義されないので、 は定義域に入れられません。
すべての関係が関数だと思う
関係のほうが広い概念です。関数は、その中でも条件が厳しい特別な場合です。
関係と関数はどこで使うのか
関係は、どの対象とどの対象が結びついているかを表したいときに役立ちます。これは集合論、データベース、グラフ理論、座標幾何などで現れます。
関数はさらに中心的な概念です。代数、微積分、統計、物理、情報科学では、ある量が別の量にどう依存するかを表すために関数を使います。「この値を入れると、その値が出る」という規則を見たら、それはたいてい関数です。
似た問題に挑戦してみよう
定義域 を使って、小さな関係を1つ作ってみましょう。まず、1つの入力に異なる2つの出力を対応させて、関数でない例を作ります。次に、順序対を1つだけ変えて関数にし、前後で定義域と値域を比べてみましょう。この違いをしっかり理解するには、とても効果的な練習です。