指数関数は、くり返しの掛け算を表すモデルです。標準形 では、変数は指数にあり、 は初期値、 は が 増えるたびにかかる一定の倍率です。
なら、この関数は増加を表します。 なら、減少を表します。まずはこの考え方が最も大切です。
実数値の指数関数では、ふつう かつ を条件とします。
指数関数の定義
見分けるポイントはシンプルです。入力変数、ふつうは が指数に入っていなければなりません。これによって、関係が加法的ではなく乗法的になります。
したがって、 は指数関数ですが、 は指数関数ではありません。 では、変数は指数ではなく底の側にあります。
この違いで、増え方のパターンはまったく変わります。多項式関数は のべきによって増えます。指数関数は、 が 増えるたびに同じ倍率で増えたり減ったりします。
指数関数における増加と減少
次の式で
ふるまいを決めるのは底 です。
- なら、右に1つ進むごとに出力は より大きい数倍されるので、グラフは増加します。
- なら、右に1つ進むごとに出力は分数倍されるので、グラフは減少します。
たとえば、 は各ステップで 倍されるので増加します。一方、 は各ステップで 倍されるので減少します。
指数関数のグラフの特徴
基本的な指数関数のグラフは、点が飛び飛びに並ぶのではなく、なめらかな曲線になります。早い段階で注目したい特徴がいくつかあります。
- なので、 のとき となります。
- 基本形で なら、グラフは常に 軸の上にあります。
- は水平漸近線なので、グラフは 軸にどんどん近づきますが、触れることはありません。
- 増加のグラフは右に行くほど上がり、減少のグラフは右に行くほど下がります。
こうした特徴を知っておくと、多くの点を計算する前にグラフの様子をすばやく読み取れます。
例題: のグラフ
この例では、初期値と増加の倍率という2つの重要な考え方を同時に確認できます。
まず、いくつかの値を求めます。
これでグラフの読み取りがしやすくなります。
- 切片は なので、初期値は です。
- 右に1つ進むごとに、底が なので出力は2倍になります。
- グラフは右に行くほど急に上がっていきますが、左の遠くでは に近づきます。
底を から に変えると、同じ形でも増加ではなく指数的減少になります。
よくある間違い
指数関数と多項式関数を混同する
は指数関数ではありません。変数が底にあるからです。 では変数が指数にあるので、こちらは指数関数です。
底が増加か減少かを決めることを忘れる
標準形 で のとき、増加は 、減少は です。判断するのは底であり、「そのうち上がりそう」というあいまいな印象ではありません。
初期値を見落とす
では、 のときの値は です。これが初期量です。
倍率と百分率の変化を取り違える
ある量が各ステップで 増えるなら、かける数は ではなく です。各ステップで 減るなら、かける数は です。
指数関数が使われる場面
指数関数は、等しい時間間隔ごとに一定の倍率で変化する場合に使われます。よくある例は次のとおりです。
- 複利
- 一定の成長率による人口増加
- 放射性崩壊
- 冷却モデルやその他の減衰過程
変化が乗法的ではなく加法的なら、ふつう指数モデルは適していません。
自分でも似た例を試してみよう
で自分でも試してみましょう。、、 を計算し、そのあとグラフをスケッチして、出力が各ステップで同じ倍率で小さくなっているかを確かめてください。底が から に変わるだけで、増加と減少の違いがはっきり見えてきます。