確率樹形図は、段階的に起こる確率の過程を図で表したものです。起こりうる結果ごとに枝を1本ずつ描き、それぞれの枝に確率を書きます。1つの完全な経路では確率を掛け合わせ、同じ事象が複数の経路で起こるなら、それらを足し合わせます。
特に、後の確率が前の結果に依存する場合に役立ちます。その場合、後の枝の確率は経路ごとに変わることがあるため、樹形図を使うと条件の違いを見える形で整理できます。
確率樹形図でわかること
確率樹形図は1つの点から始まり、外側へ枝分かれしていきます。最初の枝は実験の第1段階を表し、その次の枝はそれぞれの結果のあとに何が起こるかを表します。
1本の完全な経路は、1つの完全なシナリオを表します。たとえば袋から2回取り出す問題なら、 という経路は「最初に赤、その次に青」を意味します。
計算のほとんどは、次の2つのルールでできます。
このルールは1本の完全な経路に使います。第2段階が第1段階に依存しないなら、 なので、掛け算はもっと簡単になります。
事象が複数の成功経路で起こりうるなら、それぞれの経路の確率を足します。
確率樹形図の書き方
まず、段階をはっきり決めます。たとえば、1回目の取り出しと2回目の取り出し、あるいは1回目の投げと2回目の投げ、というように考えます。
各節点から、その段階で起こりうる結果をすべて枝として描き、その節点で成り立つ確率を各枝に書きます。ここを急いでしまう生徒は多いです。問題文に「戻さない」や追加情報がある場合、後の枝の確率は変わることがあります。
多くのミスは、1つの簡単な確認で見つかります。同じ節点から出る枝の確率の和は になるはずです。そうならないなら、樹形図が不完全か、どこかの確率が間違っています。
いつ掛けて、いつ足すのか
1本の経路に沿って見ていて、いくつかの事象が順番に起こる確率を求めたいときは掛けます。
最後の事象が複数の完全な経路で起こりうるときは足します。たとえば「赤1個と青1個ちょうど」は または で起こるので、まず各経路を計算し、そのあとで足します。
確率樹形図の例:戻さずに2回取り出す
袋の中に赤玉が 個、青玉が 個入っているとします。1個取り出して戻さず、そのあとでもう1個取り出します。赤1個と青1個をちょうど引く確率は何でしょうか。
まず、1回目の取り出しから樹形図を始めます。
- 1回目に赤を引く:
- 1回目に青を引く:
次に、それぞれの枝で2回目の確率を更新します。
1回目が赤なら、袋には赤が 個、青が 個残るので、
1回目が青なら、袋には赤が 個、青が 個残るので、
次に、各完全経路に沿って掛け算します。
「赤1個と青1個ちょうど」は、 または の2つの経路で起こります。したがって、この2つの経路の確率を足します。
これが、樹形図がとても役立つ大きな理由です。2回目の取り出しの確率は一定ではなく、1回目の結果に依存します。そして樹形図を使うと、その依存関係がとても見やすくなります。
確率樹形図でよくあるミス
後の確率を更新し忘れる
戻さない実験や、第1段階のあとで新しい情報がわかる場合、次の確率は変わることがあります。最初の確率をすべての枝でそのまま使うと、間違った樹形図になります。
足すべきでないところで足してしまう
1本の経路では、いくつかのことが順番に起こる確率を求めているので、掛け算をします。
掛けるべきでないところで掛けてしまう
や のように、事象が複数の成功経路で起こりうるなら、各経路を計算してから足します。
起こりえない枝を省いてしまう
枝の確率が になることもあります。それでも重要です。その時点からその結果は起こりえないことを示しているからです。
確率樹形図が使われる場面
樹形図は、基本的な確率、カードや玉の取り出し問題、段階的な結果をもつ医療検査、そして事象が順番に起こるあらゆる設定でよく使われます。
また、条件付き確率へのよい橋渡しにもなります。あとで公式を使うようになっても、まず問題の構造をつかむには、樹形図がいちばん速い方法であることがよくあります。
自分でもやってみよう
今度は、緑の玉が 個、黄色の玉が 個入った袋で似た問題をやってみましょう。戻さずに2個取り出し、2個とも同じ色になる確率を求めてください。
次のステップに進みたいなら、GPAI Solver で自分の問題を試し、樹形図を段階的な解答と比べてみてください。