確率の公式で最初に押さえたいのは4つです。等しく起こりやすい結果を数えるなら基本公式、「少なくとも1回」なら余事象、「AA または BB」なら加法公式、「AA かつ BB」なら乗法公式を考えます。大事なのは式そのものより、どの条件で使えるかです。

まず土台になるのは、全ての結果が同様に確からしいときの基本公式です。

P(A)=起こってほしい結果の数全ての結果の数P(A) = \frac{\text{起こってほしい結果の数}}{\text{全ての結果の数}}

この条件がないのに公式だけを当てはめると、答えの意味がずれます。

確率とは何かを短くつかむ

確率は、ある事象がどのくらい起こりやすいかを表す数です。通常は 00 から 11 の間で表します。

0P(A)10 \le P(A) \le 1

00 は「起こらない」、11 は「必ず起こる」という意味です。たとえば公平なコインを1回投げるとき、表が出る確率は frac12\\frac{1}{2} です。結果が2通りあり、その2通りが同じ起こりやすさだからです。

ここで大事なのは、結果が本当に同様に確からしいかどうかです。この条件がないときは、基本公式をそのまま使えません。

確率の公式はこの4つを使い分ける

1. 基本公式: 同様に確からしい結果を数える

全ての結果が同様に確からしいとき、

P(A)=起こってほしい結果の数全ての結果の数P(A) = \frac{\text{起こってほしい結果の数}}{\text{全ての結果の数}}

を使います。

たとえば、公平な6面体のサイコロを1回投げて偶数が出る確率は

P(偶数)=36=12P(\text{偶数}) = \frac{3}{6} = \frac{1}{2}

です。偶数は 2,4,62,4,6 の3通りあるからです。

2. 余事象の公式: 「少なくとも1回」に強い

求めたい事象を直接数えにくいときは、起こらない場合を先に考えると楽になります。

P(Ac)=1P(A)P(A^c) = 1 - P(A)

言い換えると、

P(A)=1P(Ac)P(A) = 1 - P(A^c)

です。「少なくとも1回」「1回も起こらない」といった表現では特によく使います。

3. 加法公式: 「AA または BB」で重なりを引く

AA または BB」の確率は、

P(AB)=P(A)+P(B)P(AB)P(A \cup B) = P(A) + P(B) - P(A \cap B)

です。最後に P(AB)P(A \cap B) を引くのは、重なっている部分を二重に数えないためです。

もし AABB が同時に起こらない事象なら、P(AB)=0P(A \cap B)=0 なので

P(AB)=P(A)+P(B)P(A \cup B) = P(A) + P(B)

と簡単になります。

4. 乗法公式: 「AA かつ BB」で独立かを確認する

AA かつ BB」の確率では、2つの事象が独立かどうかを確認します。

独立なら、

P(AB)=P(A)P(B)P(A \cap B) = P(A)P(B)

です。

一方で、後の結果が前の結果に影響されるなら、一般には

P(AB)=P(A)P(BA)P(A \cap B) = P(A)P(B \mid A)

を使います。つまり、何でも機械的に掛け算するのではなく、独立かどうかを先に見る必要があります。

例題: サイコロを2回投げて少なくとも1回 66 が出る確率

公平な6面体のサイコロを2回投げるとします。少なくとも1回 66 が出る確率を求めます。

この問題は、直接数えるよりも「2回とも 66 が出ない」確率を先に求めるほうが簡単です。

1回で 66 が出ない確率は

P(6 でない)=56P(\text{$6$ でない}) = \frac{5}{6}

です。

2回の試行は独立なので、2回とも 66 が出ない確率は

P(2回とも 6 でない)=5656=2536P(\text{2回とも $6$ でない}) = \frac{5}{6} \cdot \frac{5}{6} = \frac{25}{36}

となります。

求めたいのはその余事象なので、

P(少なくとも1回 6)=12536=1136P(\text{少なくとも1回 $6$}) = 1 - \frac{25}{36} = \frac{11}{36}

です。

この例のポイントは2つです。「少なくとも1回」は余事象で考えると速いこと、そして2回の試行が独立だからこそ frac56\\frac{5}{6} を掛けられることです。

よくある間違いを先に知っておく

基本公式を条件なしで使う

基本公式

P(A)=起こってほしい結果の数全ての結果の数P(A) = \frac{\text{起こってほしい結果の数}}{\text{全ての結果の数}}

は便利ですが、全ての結果の起こりやすさが同じときに限って直接使えます。

「または」をただ足してしまう

AABB に重なりがあるのに単純に足すと、同じ結果を2回数えてしまいます。重なりがあるなら P(AB)P(A \cap B) を引く必要があります。

「独立」と「同時に起こらない」を混同する

独立は「片方が起きても、もう片方の確率が変わらない」ことです。同時に起こらないこととは意味が違います。この2つを混同すると、加法公式も乗法公式も使い分けられません。

答えの範囲を見直さない

確率は必ず 00 以上 11 以下です。計算結果がこの範囲から外れたら、どこかで数え方か公式の選び方を間違えています。

確率の公式はどんな場面で使うか

学校の問題では、コイン、サイコロ、カード、くじ、袋からの取り出しでよく使います。学習が進むと、条件付き確率や期待値の理解にもつながります。

実生活でも、天気予報、検査、品質管理のように不確かさを数字で考える場面で土台になります。ただし、どの公式を使えるかは状況の条件しだいです。

次に自分で試す

標準的なトランプ1組から1枚引くとき、「ハートまたはキング」を引く確率を考えてみてください。足し算だけでよいのか、重なりを引く必要があるのかを自分で判断できれば、加法公式の使いどころがかなりはっきりします。

次の一歩として、似た問題を自分で1問だけ作り、「または」「かつ」「少なくとも1回」のどれに当たるかを先に言葉で決めてから計算してみてください。

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