偏微分は、入力が1つではない関数で、1つの変数だけを変え、他の変数を一定にしたときにどう変化するかを表します。偏微分の求め方を調べているなら、ルールはこれです。1つの変数について微分し、残りは定数として扱います。
関数 では、最もよく使われる1階の偏微分は と です。
記号 は、 を固定したまま について微分することを意味します。記号 は、今度は を固定したまま について同じことをするという意味です。
偏微分の意味
通常の微分は、1変数関数の変化を測るものです。偏微分は、多変数関数に対して同じ役割を果たしますが、1回に1つの方向だけを見ます。
たとえば、温度が で表されるなら、 は、 の値を同じに保ったまま 方向に動いたとき、温度がどう変化するかを表します。この「同じ の値に保つ」という条件こそが、偏微分の核心です。
偏微分の求め方
次のチェックリストを使います。
- どの変数について微分するかを決める。
- 他のすべての変数を定数として扱う。
- 通常の微分のルールを使う。
- 点を代入するのは、微分の式を求めたあとにする。
例題: と を求める
次の関数を考えます。
と に関する1階の偏微分を求めます。
Step 1: を求める
を定数として固定します。すると は の定数倍のように見え、 は に関してはただの定数です。
Step 2: を求める
今度は を定数として固定します。項 は、 を定数倍とする の形として微分します。
したがって、2つの1階偏微分は
となります。
問題が での値を求めるなら、微分したあとで代入します。
この例からわかる基本パターンは、使っていないほうの変数は、その偏微分の間は数のように振る舞うということです。
「他の変数を一定にする」が重要な理由
を計算するとき、見ているのは 方向だけの変化です。したがって、その計算では 以外の変数はすべて固定されます。
だから上の例では
となります。式 は には依存していても、 を固定しているなら、 が変わっても変化しないからです。
よくあるミス
- について微分しているのに、 も変化するものとして扱ってしまう。
- 選んだ変数を含まない項は定数になるので、その微分が になることを忘れる。
- と を混同する。これらは別の問いに答えている。
- 微分する前に点を代入してしまい、関数の構造が見えにくくなる。
- 偏微分はどこでも自動的に存在すると考えてしまう。関数の振る舞いがよくない点では存在しないことがある。
偏微分が使われる場面
偏微分は、多変数関数で、出力が複数の入力に依存しているときの多変数微積分で現れます。
よくある用途には、勾配、接平面、最適化、微分方程式、そして物理・経済・工学のモデルがあります。どの場合でも実際の問いは似ています。1つの入力だけが変わり、他は固定されたままなら何が起こるか、ということです。
イメージしやすい見方
のグラフを曲面だと考えてみてください。偏微分 は、 を固定した方向でその曲面を切ったときの傾きを表します。偏微分 は、 を固定した方向で同じことを表します。
このイメージだけでも、勾配や接平面に進む前に、偏微分の考え方がかなりつかみやすくなります。
似た問題に挑戦してみよう
次を試してみましょう。
と を求め、そのあと両方を で評価してみてください。次のステップに進みたいなら、まず自分で解いてみて、そのあとソルバーと比べて、毎回きちんと他の変数を一定にできていたか確認してみましょう。