外積は、3次元の2つのベクトルから、その両方に垂直な新しいベクトルを返します。その大きさは

∣a×b∣=∣a∣∣b∣sin⁡θ|a \times b| = |a||b|\sin\theta

で与えられます。ここで θ\theta は aa と bb のなす角で、右手系の座標系では向きは右手の法則に従います。

これで基本的な考え方をすばやくつかめます。平行なベクトルでは sin⁡θ=0\sin\theta = 0 なので、外積は零ベクトルになります。垂直なベクトルでは sin⁡θ=1\sin\theta = 1 なので、その長さの組に対して外積の大きさは最大になります。

座標での外積の公式

もし

a=(a1,a2,a3),b=(b1,b2,b3)a = (a_1, a_2, a_3), \qquad b = (b_1, b_2, b_3)

ならば

a×b=(a2b3−a3b2, a3b1−a1b3, a1b2−a2b1)a \times b = (a_2b_3 - a_3b_2,\ a_3b_1 - a_1b_3,\ a_1b_2 - a_2b_1)

となります。

結果はスカラーではなくベクトルです。これは内積との大きな違いの1つです。

外積の向きと右手の法則

外積は、aa と bb を含む平面に垂直な向きを向きます。右手系の座標系では、右手の指を aa から bb へ小さいほうの角を通って曲げます。そのとき親指が指す向きが a×ba \times b の向きです。

順序は重要です。

a×b=−(b×a)a \times b = -(b \times a)

したがって、ベクトルの順番を入れ替えると向きは逆になります。

計算例:a×ba \times b を求める

次を考えます。

a=(2,0,0),b=(0,3,0)a = (2, 0, 0), \qquad b = (0, 3, 0)

成分の公式を使うと、

a×b=(0⋅0−0⋅3, 0⋅0−2⋅0, 2⋅3−0⋅0)a \times b = (0 \cdot 0 - 0 \cdot 3,\ 0 \cdot 0 - 2 \cdot 0,\ 2 \cdot 3 - 0 \cdot 0)

したがって

a×b=(0,0,6)a \times b = (0, 0, 6)

となります。

この例は、すべてが一目でわかるので便利です。

  • 結果は正の zz 方向を向いているので、2つの入力ベクトルの両方に垂直です。
  • その大きさは 66 です。
  • 同じ大きさは、aa と bb がつくる平行四辺形の面積でもあります。

大きさの公式でも確かめられます。ここでは ∣a∣=2|a| = 2, ∣b∣=3|b| = 3 で、なす角は 90∘90^\circ なので、

∣a×b∣=2⋅3⋅sin⁡90∘=6|a \times b| = 2 \cdot 3 \cdot \sin 90^\circ = 6

となります。

順序を逆にすると、

b×a=(0,0,−6)b \times a = (0, 0, -6)

です。

大きさは同じままですが、向きは反転します。

外積の大きさが意味するもの

∣a×b∣|a \times b| は、aa と bb が張る平行四辺形の面積を表します。同じ2つのベクトルでできる三角形の面積がほしいなら、22 で割ります。

この幾何学的な意味から、平行なベクトルで外積が零になる理由もわかります。幅のない平行四辺形の面積は 00 だからです。

外積でよくある間違い

内積と混同する

内積はスカラーを返し、cos⁡θ\cos\theta を使います。外積はベクトルを返し、その大きさには sin⁡θ\sin\theta を使います。

順序が重要であることを忘れる

a×ba \times b と b×ab \times a は同じ向きを向きません。互いに逆ベクトルです。

ふつうの3次元の設定以外で使う

学校数学や工学の初学者向けの文脈では、外積はたいてい3次元の2つのベクトルに対して定義されます。2次元で扱う場合は、スカラーの面積として解釈したり、先にベクトルを3次元に埋め込んだりすることがよくあります。

外積はどこで使われるか

幾何学では、外積は面積や法線ベクトルを求めるのに役立ちます。ベクトル解析やグラフィックスでは、曲面や平面に垂直な方向を作るために使われます。

物理では、大きさと回転の向きの両方が重要なときに現れます。代表的な例はトルクです。

τ=r×F\tau = r \times F

この式は、回転させる効果が位置ベクトル、力、そしてそれらのなす角に依存することを表しています。

類題に挑戦してみよう

次を試してみましょう。

a=(1,1,0),b=(2,−1,0)a = (1, 1, 0), \qquad b = (2, -1, 0)

a×ba \times b を計算し、その大きさが ∣a∣∣b∣sin⁡θ|a||b|\sin\theta と一致するか確かめてください。そのあと順序を逆にして、新しい答えが反対向きになることも確認してみましょう。

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