クーロンの法則は、2つの電荷の間にはたらく電気力を与える法則です。真空中の2つの点電荷に対して、力の大きさは次の式で表されます。
ここで、 と は電荷、 はそれらの間の距離、 です。同符号の電荷どうしは反発し、異符号の電荷どうしは引き合います。
これは、多くの学生が最初に学ぶべき電気力の公式です。電荷を点電荷として扱える場合や、球対称な電荷分布が十分に離れていて中心間距離でモデル化できる場合には、そのまま使えます。初等物理では、問題文に特別な指定がない限り、空気は真空に十分近いものとして扱うのが普通です。
クーロンの法則の意味
電荷の大きさが大きいほど、力は強くなります。電荷どうしの距離が大きいほど、力は弱くなります。重要なポイントは逆二乗の関係で、力は ではなく に比例します。
つまり、距離を2倍にすると力は になります。距離を半分にすると力は4倍になります。
力は2つの電荷を結ぶ直線に沿ってはたらきます。それぞれの電荷が受ける力の大きさは同じですが、向きは反対です。
クーロンの法則の公式と変数
- は電気力の大きさです。
- と はクーロン単位の電荷です。
- はメートル単位の電荷間距離です。
- は真空中のクーロン定数です。
の絶対値は、この式が力の大きさだけを与えるために入っています。力の向きは電荷の符号で決まります。
- 同符号 反発
- 異符号 引力
この公式が使える場合
クーロンの法則は、問題が点電荷を扱っている場合や、大きめの帯電体でも十分遠方から見て点電荷近似できる場合には、そのまま使えます。広がりをもつ物体で形が複雑だったり、電荷が物体内部に分布していたりする場合は、この式だけでは不十分なことがあります。
距離の扱いには注意が必要です。式の は電荷間の距離で、通常は中心から中心までの距離を使います。
クーロンの法則の例題
次のようにします。
電気力の大きさを求め、それが引力か反発力かを判断します。
まず、クーロンの法則を書きます。
値を代入します。
電荷を掛け合わせると、
距離を2乗すると、
これで力を計算します。
したがって、力の大きさは約 です。電荷の符号が反対なので、この力は引力です。
クーロンの法則でよくあるミス
- 値を代入する前に、マイクロクーロンをクーロンに変換し忘れる。
- 分母で ではなく を使ってしまう。
- 距離を中心間ではなく表面間で測ってしまう。
- 大きい帯電体や不規則な形の帯電体にもこの式が常に正確だと考えてしまう。
- 力の大きさと向きを混同する。上の式が与えるのは大きさで、引力か反発かは電荷の符号で決まる。
クーロンの法則が使われる場面
クーロンの法則は静電気学の基本的な道具です。帯電粒子どうしの力を計算するために使われ、電場の考え方を作る基礎にもなり、より高度な方法に進む前の単純な電荷配置の解析にも使われます。
また、比例関係をすばやく考えるのにも役立ちます。電荷が同じままで距離が3倍になると、力は元の になります。このようなスケーリングは、完全な計算よりも役立つことがよくあります。
クーロンの法則と電場の違い
クーロンの法則は、電荷どうしの間にはたらく力を与えます。電場は、ある場所での単位電荷あたりの力を表します。2つの考え方は密接に関係していますが、同じものではありません。
ある点での電場 がすでにわかっているなら、そこにある電荷 に働く力は です。2つの電荷から直接考え始める場合は、通常クーロンの法則が最初の一歩になります。
似た問題に挑戦してみよう
電荷はそのままで、距離を から に変えてみましょう。新しい力を求めて、 と比べてください。この1つの変更だけでも、逆二乗の関係が具体的に実感できます。次のステップとしては、電位を学び、その 依存性をクーロン力の 依存性と比べてみるのが有益です。