2次元ベクトルとは、横方向の変化と縦方向の変化を同時に表す2つの数の組です。たとえば v=(3,4)v = (3, 4) なら、右に 33、上に 44 進むことを表すので、長さと向きの両方をもちます。このイメージがつかめれば、大きさ、方向、ベクトルの演算は自然に理解できます。

1つだけ覚えるなら、ベクトルは単なる長さではないということです。向きも量の一部なので、計算では両方の成分をきちんと追う必要があります。

座標で見る2次元ベクトルの意味

平面では、ベクトルはふつう

v=(x,y)v = (x, y)

のように書きます。

第1成分は横方向の変化を表します。第2成分は縦方向の変化を表します。ベクトルは、原点から点 (x,y)(x, y) へ向かう矢印と考えてもよいですし、平面上のどこから始めても同じ大きさと向きをもつ移動と考えてもかまいません。

このため、ベクトルは幾何、物理、グラフィックスで役立ちます。変位、速度、力のように、大きさと同じくらい向きが重要な量を表せるからです。

2次元ベクトルの大きさの求め方

ふつうのユークリッド平面では、v=(x,y)v = (x, y) の大きさは

v={x2+y2}|v| = \sqrt\{x^2 + y^2\}

です。

これはそのまま三平方の定理から出てきます。大きさが表すのはベクトルの長さであって、どちらを向いているかではありません。

たとえば v=(3,4)v = (3, 4) なら、

v={32+42}={25}=5|v| = \sqrt\{3^2 + 4^2\} = \sqrt\{25\} = 5

となります。

したがって、このベクトルの長さは 55 です。これは距離の公式と同じ直角三角形の考え方です。

2次元での方向の考え方

22 次元での方向は、正の xx 軸から測った角度 θ\theta で表すことがよくあります。ベクトルが零でなく、x0x \ne 0 のときは、まず

tanθ=yx\tan \theta = \frac{y}{x}

から考え始められます。

ただし、これは出発点にすぎません。実際には、正しい象限に合う角度を選ばなければなりません。

この条件が重要なのは、(1,1)(1, 1)(1,1)(-1, -1) では正接の値は同じでも、向きは正反対だからです。電卓やプログラミングでは、atan2(y,x)\operatorname{atan2}(y, x) のような象限を考慮する関数を使うほうが、安全に角度を求められることが多いです。

零ベクトル (0,0)(0, 0) は特別な場合です。大きさは 00 ですが、1つに定まる方向はありません。

2次元ベクトルの基本演算

基本的な演算の多くは、成分ごとに行います。

加法は

(a,b)+(c,d)=(a+c,b+d)(a, b) + (c, d) = (a + c, b + d)

です。

減法は

(a,b)(c,d)=(ac,bd)(a, b) - (c, d) = (a - c, b - d)

です。

スカラー倍は

k(a,b)=(ka,kb)k(a, b) = (ka, kb)

です。

これらの規則は単純ですが、意味が大切です。加法は2つの向きのある変化を1つの新しい変化にまとめます。減法は1つのベクトルを別のベクトルと比べます。スカラー倍は大きさを変え、k<0k < 0 なら向きも反転します。

大きさ・方向・加法を含む例題

次のようにします。

u=(3,4),v=(1,2)u = (3, 4), \qquad v = (-1, 2)

まず uu の大きさを求めます。

u={32+42}=5|u| = \sqrt\{3^2 + 4^2\} = 5

その方向角は第I象限にあるので、

θ=tan1(43)53.1\theta = \tan^{-1}\left(\frac{4}{3}\right) \approx 53.1^\circ

です。

次に、ベクトルを成分ごとに足します。

u+v=(3+(1),4+2)=(2,6)u + v = (3 + (-1), 4 + 2) = (2, 6)

結果は1つの数ではなく、別のベクトルです。その大きさは

u+v={22+62}={40}=2{10}|u + v| = \sqrt\{2^2 + 6^2\} = \sqrt\{40\} = 2\sqrt\{10\}

です。

ここに基本的な流れが表れています。成分はベクトルがどう動くかを示し、大きさは長さを与え、方向は角度を与え、加法は新しい長さと方向をもつ新しいベクトルを作ります。

2次元ベクトルでよくある間違い

ベクトルではなく長さを足してしまう

u+v|u| + |v|u+v|u + v| と同じではありません。ベクトルがまったく同じ向きを向いている場合を除いて、これらは別の量です。

象限を確認せずに tan1(y/x)\tan^{-1}(y/x) を使う

yx\frac{y}{x} だけでは、方向は完全にはわかりません。角度を正しく決めるには、両方の成分の符号が必要です。

スカラー倍の意味を忘れる

22 倍すると長さは2倍になります。2-2 倍すると長さは2倍になり、向きは反転します。

零ベクトルを普通の方向ベクトルのように扱う

(0,0)(0, 0) には1つに定まる方向がないので、角度にもとづく考え方は同じようには使えません。

2次元ベクトルが使われる場面

2次元ベクトルは、平面上での運動や変化が重要になるところで現れます。よくある例としては、地図上の変位、2方向の速度、平らな面に働く力、コンピュータグラフィックスでの移動などがあります。

また、内積、射影、極座標のような後の話題への自然な橋渡しにもなります。これらはすべて、同じ成分の考え方の上に成り立っているからです。

自分でもやってみよう

u=(2,1)u = (2, -1)v=(4,3)v = (4, 3) で自分でも試してみましょう。それぞれのベクトルの大きさを求め、足し合わせて、結果がどの象限を向くかを考えてみてください。

さらに一歩進めたいなら、両方の成分が負になる似た問題も解いてみましょう。そうすると、大きさだけでなく方向も本当に理解できているかを手早く確かめられます。

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