ピタゴラス数とは、 を満たす3つの正の整数 の組です。わかりやすく言うと、直角三角形の3辺の長さがすべて整数になっている組で、 は斜辺です。代表的な例は で、 となります。
この考え方は、3つの値がすべて正の整数のときにだけ使います。ピタゴラスの定理を満たす直角三角形はたくさんありますが、辺の長さが整数になるものはその一部だけです。
覚えておきたい代表的なピタゴラス数
次の組はよく出てくるので、見てすぐわかるようにしておくと便利です。
これらの倍数も同様に成り立ちます。たとえば を2倍すると になり、
となります。つまり、多くの原始でないピタゴラス数は、より小さい組を拡大したものです。
原始ピタゴラス数とは何か
原始ピタゴラス数とは、3つの数に より大きい共通因数がない組のことです。たとえば は原始ですが、 は3つとも で割れるので原始ではありません。
これは重要です。なぜなら、原始でないピタゴラス数はすべて、原始ピタゴラス数を整数倍して得られるからです。原始ピタゴラス数を理解すれば、より大きな全体像も理解できます。
ピタゴラス数の見つけ方
新しい組を得る実用的な方法は2つあります。
すでに知っている組を倍にする
がピタゴラス数で、 が正の整数なら、 もピタゴラス数です。なぜなら、
となるからです。
これは や のような例を作る最も手早い方法です。
ユークリッドの公式を使う
と が を満たす整数なら、
によってピタゴラス数が得られます。
さらに原始ピタゴラス数、つまり3つの数に より大きい共通因数がない組を得たいなら、 と は互いに素で、かつ両方とも奇数であってはいけません。
計算例:組を1つ作る
、 とします。 なので、ユークリッドの公式が使えます。
すると、
となります。したがって はピタゴラス数です。
直接確かめると、
です。
これをさらに 倍すると になります。直角三角形の形は同じままで、辺の長さだけが2倍になります。
この例では、2つの基本的な考え方が同時に見えます。ユークリッドの公式で組を作り、整数倍でさらに多くの組を作れるということです。
ピタゴラス数でよくある間違い
整数という条件を忘れる
方程式 には実数解がたくさんありますが、ピタゴラス数というには3つすべてが正の整数でなければなりません。
成り立つ組をすべて原始と呼んでしまう
は正しいピタゴラス数ですが、3つとも共通因数 をもつので原始ではありません。
「ピタゴラス数」と「原始ピタゴラス数」を混同する
ピタゴラス数であるためには、正の整数で を満たせば十分です。 と への追加条件が必要なのは、原始ピタゴラス数を作りたいときだけです。
最大の数を間違った位置に置く
組 では、 は斜辺なので最大の数でなければなりません。
ピタゴラス数が役立つ場面
これは直角三角形の幾何、座標幾何、初歩の整数論でよく現れます。また、3つの整数が直角三角形を作れるかをすばやく確かめたいときにも便利です。
証明を扱う数学では、これはディオファントス方程式の標準的な例でもあります。つまり、すべての実数解ではなく整数解を探す方程式の例です。
似た問題に挑戦してみよう
ユークリッドの公式で 、 を使い、その結果が を満たすことを確かめてみましょう。さらに一歩進めたいなら、ピタゴラスの定理 を見て、同じ関係が未知の辺の長さを求めるのにどう使われるかを確認してみてください。