多項式の筆算による割り算は、1つの多項式を別の多項式で手計算で割るための手順です。整数の筆算の割り算を知っていれば、流れは同じです。先頭の項を割り、かけて、引いて、これを繰り返します。
止めるタイミングのルールはシンプルです。余りの次数が割る式の次数より低くなったら止めます。余りが なら、割り切れたことになります。
なぜ多項式の筆算による割り算が成り立つのか
各段階では、割られる式の現在の先頭の項を打ち消すような商の項を選びます。
そのため、最初の操作は必ず次になります。
この商の項が求まったら、それを割る式全体にかけて引き算します。すると、続けて計算できる、より小さい新しい多項式ができます。
多項式の筆算の手順
- 両方の多項式を次数の高い順に書く。
- 必要なら、抜けている次数に係数 の項を入れる。
- 現在の割られる式の先頭の項を、割る式の先頭の項で割る。
- その結果を商に書く。
- 割る式にその商の項をかける。
- 引き算する。
- 次の項を下ろして、繰り返す。
項が次数ごとにきちんとそろっていないと、引き算の段階で間違えやすくなります。
例題: を で割る
次を求めます。
各段階の目標は、その時点の先頭の項を打ち消すことです。
1. 先頭の項を割る
を で割ります。
したがって、商の最初の項は です。
2. かけて引く
を割る式にかけます。
これを元の割られる式から引きます。
3. 新しい先頭の項で繰り返す
次に、 を で割ります。
を商に書きます。
かけると、
引き算すると、
4. もう1回行う
を で割ります。
を商に書きます。
かけると、
引き算すると、
したがって余りは で、商は
答えの確かめ方
商に割る式をかけます。
展開すると、
となり、元の割られる式と一致します。これで割り算が正しいと確認できます。
よくあるミス:抜けている次数を飛ばす
最も多い準備段階のミスは、抜けている次数をそのままにしてしまうことです。たとえば、 を で割るなら、割られる式は
と書き直すべきです。
この という補助の項があることで、引き算の位置がそろいます。これがないと、後の項がずれて別の列に入ってしまうことがあります。
多項式の筆算を使う場面
この方法は、因数分解がすぐには見えないとき、商と余りを直接求めたいとき、または真分数でない有理式を書き換えたいときに役立ちます。
また、部分分数分解の前にもよく使います。分子の次数が分母の次数以上なら、まず多項式の筆算を行います。
自分でも1問やってみよう
次を自分で解いてみましょう。
次数をそろえて書くことと、最後にかけ算で確かめることを意識してください。次の練習として、余りが でない場合にも挑戦し、答えを
の形で書いてみましょう。
よくある質問
- 多項式の筆算による割り算は、いつ終わりますか?
- 余りの次数が割る式の次数より低くなったら終了です。その時点では、多項式の形ではそれ以上割り進められません。
- 多項式の筆算では、抜けている次数は重要ですか?
- はい。ある次数の項がない場合は、引き算のときに項をそろえるため、係数が 0 の項を補っておきます。