多項式の因数分解とは、多項式を積の形に書き換えることです。たとえば、 は と因数分解できます。式の値は同じですが、因数分解した形のほうが、解いたり、簡単にしたり、意味を読み取ったりしやすいことがよくあります。
多項式の因数分解のやり方を知りたいなら、基本はシンプルです。まず共通因数をくくり出し、そのあとで残った式がよくあるパターンに当てはまるかを確認します。
因数分解でわかること
因数分解した形にすると、展開形では見えにくい構造がはっきりします。もし
なら、零点はすぐに読めます。 または です。これは方程式を解くとき、グラフの 切片を求めるとき、有理式を簡単にするときに重要です。
この近道が使えるのは、式が実際に積の形で書かれている場合です。展開形のままでは、零点を直接読み取ることはできません。
まず最大公約因数を確認する
パターンを試す前に、すべての項に共通する数、文字、またはその両方があるかを確認します。これは最も速い因数分解の手順で、見落とすとその後がかえって難しくなることがよくあります。
たとえば
では、どちらの項にも が共通しているので、まずそれをくくり出します。
これは整数の範囲では、すでにこれ以上因数分解できません。
よくあるパターン
多項式の因数分解は、式の形に気づくとぐっと扱いやすくなります。
三項式
たとえば
のような三項式では、掛けて 、足して になる2つの数を探します。先頭の係数が のときに使いやすい基本的な方法です。
平方差
もし
という形なら、
と因数分解できます。これは展開すると真ん中の項が打ち消し合うからです。
たすきがけ・グループ分け
4項の多項式では、項を組に分ける方法が役立つことがあります。各組を因数分解したあとに、同じ二項式が共通因数として現れる場合にだけ使えます。
例題: を因数分解する
この例では、先頭の係数が ではない三項式を扱います。
まず、先頭の係数と定数項を掛けます。
次に、掛けて 、足して になる2つの数を探します。その数は と です。
この2つの数を使って真ん中の項を分けます。
項を組に分けます。
それぞれの組で因数分解します。
すると、共通する二項式が現れます。
展開して確認します。
この手順でうまくいく整数の組が見つからない場合、その多項式は別の形で因数分解されるか、整数ではきれいに因数分解できない可能性があります。
多項式の因数分解でよくあるミス
- 最大公約因数を見落とすこと。 の完全な因数分解は であり、 のままではありません。
- 間違ったパターンを無理に当てはめること。たとえば は、実数の範囲では平方差ではありません。
- 符号を落とすこと。符号を1つ間違えるだけで、真ん中の項はすぐに変わってしまいます。
- 確認を忘れること。因数分解は、展開して元の多項式に正確に戻ることで初めて確定します。
因数分解を使う場面
因数分解が特に役立つのは、次のようなときです。
- 多項式方程式を解く
- 有理式を簡単にする
- 多項式のグラフの 切片を求める
- あとの代数や微積分の計算の前に式を書き換える
使う方法は多項式によって異なります。整数の範囲できれいに因数分解できる式もあれば、より大きな数の範囲でしか因数分解できない式もあり、そもそもこれ以上単純な形に分けられない式もあります。
似た問題に挑戦してみよう
を因数分解してみましょう。まず、掛けて 、足して になる2つの数は何かを考え、そのあと自分の答えを展開して確かめてください。
別の解き方と比べたいなら、手で展開して確認したあとで、ソルバーに自分の解答を入力して比べてみるのもよいでしょう。