三角形が直角三角形ではなく、2辺とその間の角がわかっている場合、または3辺すべてがわかっている場合には余弦定理を使います。角 、、 の向かい側の辺をそれぞれ 、、 とすると、基本形は
です。
ここで、辺 は角 の向かい側にあり、 は辺 と辺 の間の角です。同じ形で、ほかの辺についても書けます。
もし なら、 なので、公式は になります。つまり、余弦定理は三平方の定理を一般化したものです。
余弦定理を使う場面
最もよくあるのは SAS の形で、2辺とその間の角がわかっている場合です。その間の角とは、その2つの既知の辺にはさまれた角のことです。
また、SSS の場合にも使えます。つまり、3辺すべてがわかっていて、角を求めたいときです。この場合は、逆余弦を使う前に公式を変形します。
すでに1辺とその向かいの角がわかっているなら、最初の道具としては正弦定理のほうが適していることが多いです。
公式の意味
2辺の長さを固定すると、3本目の辺の長さはその間の角によって決まります。
その間の角が大きくなるほど、向かい側の辺は長くなります。角が小さくなるほど、向かい側の辺は短くなります。項 は、この角の影響を反映するために、単純な和 を調整しています。
この補正項こそが覚えておくべき部分です。これがないと、すべての三角形を直角三角形として扱ってしまうことになります。
例題:辺を求める
ある三角形で、、、その間の角が だとします。辺 を求めます。
は既知の角 の向かい側にあるので、使う式は
です。
値を代入すると、
なので、
したがって、
となります。
この答えは自然です。3本目の辺は より長く、 より短いですし、角も極端に大きいわけではなく中くらいだからです。
3辺から角を求める方法
3辺すべてがわかっているなら、まず余弦を求めます。
そのあとで、
を計算します。
これは 、、 が実際に三角形を作る場合にだけ意味があります。もし の中の値が区間 の外に出るなら、その前の計算や与えられた値に誤りがあります。
短い証明の考え方
すっきりした証明の1つは、座標を使う方法です。
1辺を 軸上に置きます。1つの頂点を 、もう1つの頂点を とします。3つ目の頂点は、原点からの距離が で、 軸となす角が なので、 に置けます。
ここで、 と の間の距離の公式を使うと、
となります。
展開すると、
さらに、
を使って最後の2項をまとめると、
となります。
これが余弦定理です。
よくある間違い
辺と角の対応を取り違える
公式の角は、等式の左辺にある辺の向かい側の角でなければなりません。角 を使うなら、左辺は です。
すべての三角形を直角三角形のように扱う
角が でないなら、 の項を省いてはいけません。
電卓の角度モードを忘れる
問題が度数法なら、電卓も degree モードにする必要があります。ラジアンなら、radian モードを使います。
余弦を丁寧に整理せずに角を求める
3辺がすべてわかっているときは、先に式を変形してから逆余弦を使います。ここで少しでも代数のミスがあると、最終的な角度が大きくずれることがあります。
余弦定理が使われる場面
余弦定理は、幾何、三角比、測量、航法、そして直角三角形ではない三角形で距離を求める問題などでよく使われます。
学校数学では、主な使い方は次の2つです。
- 2辺とその間の角から、未知の辺を求める
- 3辺すべてから、未知の角を求める
すでに直角三角形なら、通常は三平方の定理のほうが簡単です。一方、角とその向かいの辺の組がわかっているなら、正弦定理のほうが適している場合があります。
自分でも試してみよう
、、 として、 を求めてみましょう。そのあとで を に変えて、結果を比べてみてください。向かい側の辺が大きくなる様子を見ると、この公式の感覚がつかみやすくなります。
自分の数値で手順つきのフィードバックがほしいなら、GPAI Solver で似た三角形を試してみてください。