等差数列は、各項が毎回同じだけ変化する数列です。その一定の変化を公差といいます。等差級数は、等差数列の項を足し合わせた和です。
初項を 、公差を とすると、第 項は
で表されます。
最初の 項の和を求めたいときは、
を使います。
この和の公式は、等差数列の最初の 項を足すときに使えます。まだ末項がわからない場合は、先に項の公式で を求めます。
等差数列の見分け方
数列が等差数列であるのは、隣り合う項の差が常に一定のときだけです。
たとえば、 は各項が ずつ増えているので等差数列です。つまり、公差は です。
一方で、 は等差数列ではありません。差が 、、 と変化しているからです。差が一定でないため、等差数列の公式は使えません。
等差数列と等差級数の違い
この違いは重要です。片方はある項を求める問題で、もう片方は合計を求める問題だからです。
等差数列は、並んだ数そのものです。等差級数は、その数列の項を足し合わせた結果です。
では、数列は です。対応する級数は
となります。
例題:第 項と最初の 項の和を求める
次の等差数列を考えます。
ここで、、 です。
第 項を求める
次を使います。
を代入すると、
したがって、第 項は です。
最初の 項の和を求める
次に、
を使います。
ここで、、、 です。
したがって、最初の 項の和は です。
等差級数の公式が成り立つ理由
最初の項と最後の項の平均は、2番目の項と後ろから2番目の項の平均と同じです。この並び方は内側に向かってずっと続きます。等差数列では、そのような組の和はいつも同じになります。
そのため、和は
と書けます。
これを式にすると、
になります。
この考え方が使えるのは、項が等差数列になっている場合だけです。したがって、差が一定であることが重要です。
等差数列・等差級数の公式でよくあるミス
と を取り違える
は項の位置、または項数を表します。 は一定の差である公差です。公式の中でそれぞれ役割が異なります。
を忘れる
項の公式は
であり、 ではありません。初項から第 項までの増減は、 回しかないからです。
等差でない数列に和の公式を使う
差が一定でないなら、等差級数の和の公式は使えません。まず並び方を確認しましょう。
公差の符号を落とす
数列が減少しているなら、 は負の数です。たとえば、 の公差は ではなく です。
等差数列と等差級数が使われる場面
等差数列は、ある量が各段階で一定量ずつ変化するときに現れます。たとえば、毎月同じ金額を貯金する場合、座席の列ごとに一定数ずつ増える場合、一次的な増加をもとにした代数の問題などがあります。
これは、変化が掛け算ではなく足し算で起こるときに役立ちます。各段階で同じ量を足すのではなく、同じ倍率を掛けているなら、それは等比数列です。
類題に挑戦してみよう
数列 を使って、公差、第 項、最初の 項の和を求めてみましょう。
次の学習としておすすめなのは、同じ種類の問題を等比数列でも解いてみることです。一定の足し算ではなく、一定の掛け算になると何が変わるかを比べてみましょう。