応力-ひずみ曲線は、荷重が増加するにつれて材料がどのように変形するかを示すグラフで、通常は引張試験で得られます。この曲線を見ると、剛性、永久変形が始まる点、到達した最大の公称応力、そして材料が破断に近づく過程をすばやく読み取れます。
一般的な工学的なグラフでは、縦軸が応力、横軸がひずみです。
また、
ここで、 は公称応力、 は公称ひずみ、 は加えた力、 は元の断面積、 は長さの変化、 は元の長さです。「工学的」または「公称」という言葉が重要なのは、これらの式が試験片の元の寸法を使っているからです。
応力-ひずみ曲線の読み方
曲線の最初の部分は、しばしば直線に近い形になります。この線形弾性域では、荷重を取り除くと材料はおおよそ元の形に戻ります。その直線部分の傾きがヤング率です。
もしその直線が原点付近を通るなら、その領域内のある点では も使えます。この条件は重要です。曲線がはっきり曲がり始めた後では、この近道ではヤング率は求められません。
弾性部分の後、多くの材料は降伏に達して塑性域に入ります。この領域では、除荷しても永久変形が残ります。引張を受ける典型的な延性材料では、公称応力は極限引張強さと呼ばれる最大値まで上昇し、その後はくびれが発達するため、破断前に低下することがあります。
すべての材料が同じ形の曲線を示すわけではありません。脆性材料は塑性変形がほとんどないまま破断することがあり、明確で鋭い降伏点を持たない材料もあります。
計算例:弾性域、降伏、最大応力
ある試験片が応力-ひずみ曲線の線形部分にあり、その点が
であるとします。
この点は線形弾性域にあるので、傾きからヤング率を見積もることができます。グラフの直線部分が原点付近を通るなら、この場合
となります。
次に、同じ曲線でおよそ から永久変形が現れ始め、公称応力が低下し始める前に最大公称応力 に達するとします。
すると、この曲線は実用的に次のように読めます。
- の点は、まだ弾性範囲にあります。
- およそ で降伏が始まるので、その後に除荷すると永久ひずみが残ります。
- 付近のピークは、公称応力-ひずみ曲線における極限引張強さであり、必ずしも破断点ではありません。
- ピーク後の下降部分は、試料が元に戻っていることを意味しません。延性材料の引張試験では、通常、元の断面積を使って公称応力を計算し続けている間に、くびれが生じていることを反映しています。
このように、1つのグラフから剛性と強度の両方がわかります。だからこそ、応力-ひずみ曲線は単なる破断荷重の数値よりも有用です。
曲線を読むときによくある間違い
- 応力-ひずみ曲線を、荷重-伸びグラフと同じものとして扱ってしまう。
- 曲がった領域のデータを使ってヤング率を計算してしまう。
- すべての材料に明確で鋭い降伏点があると思い込む。
- そのグラフが公称応力-ひずみを使っているのか、真応力-真ひずみを使っているのかを確認し忘れる。
- 工学的な曲線の最高点が、自動的に破断位置だと考えてしまう。
応力-ひずみ曲線はどこで使われるか
応力-ひずみ曲線は、材料試験、構造設計、製造、破損解析で使われます。材料を選ぶときに、剛性、強度、延性、靭性を比較するのに役立ちます。
また、物理や初歩の工学の授業でも重要です。力、面積、変形、弾性、永久変化の関係を、1つの図で結びつけて理解できるからです。
似た問題に挑戦してみよう
自分でも、線形弾性域の1点を使って を見積もってみましょう。次に、降伏後の点と比べて、グラフが線形でなくなると同じ近道がなぜ使えなくなるのかを確かめてみてください。