振幅とは、振動が平衡位置からどれだけ離れるかを表す量です。周波数とは、1秒間に何回の完全な周期をくり返すかを表す量です。つまり、振幅は動きの大きさ、周波数はくり返しの速さを示します。

波は、振幅が大きくて周波数が低いこともあれば、振幅が小さくて周波数が高いこともあります。理想的な線形モデルでは、一方を変えても、もう一方が自動的に変わるわけではありません。

振幅は最大変位を表す

振幅は、平衡位置から山または谷までの距離として測ります。変位が最も高い点で +3 cm+3\ \mathrm{cm}、最も低い点で 3 cm-3\ \mathrm{cm} に達するなら、振幅は 3 cm3\ \mathrm{cm} です。

ここはよく間違えやすいポイントです。上下全体の距離はピーク・ツー・ピーク値であり、この例では 6 cm6\ \mathrm{cm} になります。これは振幅ではありません。

周波数は1秒あたりの周期数を数える

周波数は、運動がどれくらいの頻度でくり返されるかを表します。SI単位はヘルツで、1 Hz=11\ \mathrm{Hz} = 1 cycle per second です。

ある振動が1秒間に 55 回の完全な周期を行うなら、その周波数は 5 Hz5\ \mathrm{Hz} です。1周期にかかる時間である周期 TT がわかっているなら、

f=1Tf = \frac{1}{T}

となります。したがって、周期が短いほど周波数は高くなります。

正弦波を使った計算例

次の式で表される波を考えます。

y(t)=4sin(10πt)y(t) = 4 \sin(10\pi t)

ここで、yy の単位はセンチメートル、tt の単位は秒とします。

この標準形では、正弦関数の前にある数が振幅を表すので、

A=4 cmA = 4\ \mathrm{cm}

です。

周波数を求めるには、この式を標準形

y(t)=Asin(2πft)y(t) = A \sin(2\pi f t)

と比べます。

ここでは、

2πf=10π2\pi f = 10\pi

なので、

f=5 Hzf = 5\ \mathrm{Hz}

となります。

この波は、平衡位置から最大で 4 cm4\ \mathrm{cm} だけ変位し、1秒間に 55 回の完全な周期を行います。

この例を見ると、役割の違いがはっきりわかります。

  • 振幅は「どれだけ大きく動くか」に答える
  • 周波数は「どれくらいの頻度でくり返すか」に答える

振幅と周波数でよくある間違い

振幅とピーク・ツー・ピーク距離を混同する

振幅は、上下の全範囲の半分です。運動が 2-2 から +2+2 まで変化するなら、振幅は 44 ではなく 22 です。

振幅が大きいほど周波数も高いと思い込む

これは一般には正しくありません。理想的な線形系では、振幅を変えても周波数は変わりません。実際の系では異なる振る舞いをすることもありますが、それは系の性質によります。

半周期を1周期として数えてしまう

周波数は完全なくり返しの回数を数えます。中央から上端まで行って、再び中央に戻るだけでは、まだ半周期です。

周波数と波の速さを混同する

周波数はくり返しの速さを表します。波の速さは、擾乱が空間をどれだけ速く伝わるかを表します。多くの波のモデルでは両者は関係していますが、同じ量ではありません。

振幅と周波数が重要になる場面

振幅と周波数は、音、光、ばね、回路、水面波などで現れます。音では、周波数は音の高さに関係し、振幅が大きいほど通常は信号が強くなり、同じ条件では音も大きくなります。単振動では、振幅が振動の大きさを決め、周波数がその運動のくり返しの速さを決めます。

ただし、具体的にどのような物理的効果をもつかは系によって異なります。まずは振幅と周波数を一般的な記述量として理解し、その後で文脈に応じて考えるのがよいでしょう。

類題に挑戦してみよう

次を考えてください。

y(t)=2cos(6πt)y(t) = 2 \cos(6\pi t)

振幅と周波数を求めてみましょう。次に、式の他の部分を変えずに 2277 に変えてください。すると、振幅は変わりますが、周波数は変わらないことがわかります。

次に学ぶなら、単振動 と比べてみると、振幅と周波数が振動全体のモデルの中でどう位置づけられるかがよくわかります。

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