加速度の公式は、速度がどれだけ速く変化するかを表します。最も重要な出発点は、長い公式の一覧ではありません。大切なのは次の1つの考え方です。
この式は、ある時間区間における平均加速度を与えます。もし速度が毎秒同じだけ変化するなら、加速度は一定であり、他のいくつかの運動学の公式も使えるようになります。加速度が一定でないなら、それらの追加の公式は自動的には使えません。
加速度の基本公式
平均加速度は、速度の変化を経過時間と比べたものです。
速度には向きが含まれるので、加速度にも向きがあります。正の向きに進みながら減速している車の加速度は負です。負の向きに進みながら速くなっている車の加速度も負になります。
SI単位はメートル毎秒毎秒で、 と書きます。これは、速度が毎秒ある一定の だけ変化することを意味します。
等加速度の公式
ある区間で加速度が一定なら、基本定義は標準的な運動学の式へと広がります。
これらは、どこでも成り立つ別々の物理法則ではありません。一定加速度から導かれる便利な結果です。初学者向けの問題では、この条件が前提になっていることがよくあります。実際の運動で力や空気抵抗が変化する場合は、より注意が必要です。
この公式の直感的な意味
加速度は、物体がどれだけ速く動いているかだけではなく、速度そのものがどれだけ速く変化するかを表します。
速度が の間に から に変わるなら、加速度は
となります。これは、その区間では速度が毎秒 ずつ増えていることを意味します。
例題:ブレーキをかける車
ある車が で走っていて、 の間に まで減速したとします。
まず基本公式を使います。
負の符号は重要です。これは、加速度が車の最初の正の進行方向と反対を向いていることを示しています。
さらに、ブレーキ中の加速度が一定だと仮定すれば、この 秒間の変位も求められます。等加速度なら平均速度は
です。したがって変位は
となります。この2つ目の計算は、加速度が一定という条件に依存しています。最初の計算はそうではありません。
よくある間違い
- 問題で必要なのは速度の変化なのに、速さの変化だけを使ってしまう。向きによって符号が変わります。
- が順序のある引き算であることを忘れる。順番を逆にすると答えの符号も逆になります。
- 変換せずに、時速と秒のように単位を混ぜてしまう。
- 区間内で加速度が一定でないのに、 のような式を使ってしまう。
- 負の加速度を「必ず減速」と考えてしまう。負は座標系での向きを表すだけで、必ずしも遅くなることを意味しません。
加速度の公式が使われる場面
これらの公式は、運動学、自動車の制動問題、空気抵抗を無視した自由落下のモデル、そして傾きや曲がり方が速度変化を表す運動グラフなどで登場します。
基本公式 は、最初に使う最も安全な出発点です。そのうえで、問題に等加速度という追加条件があるかを確認します。もしあれば、運動学の式で計算を効率よく進められます。
自分でもやってみよう
ある物体の速度が の間に から に変化したとします。まず平均加速度を求めてください。そのあと、等加速度の変位の式を使うのに十分な情報があるか、それとも追加の仮定が必要かを考えてみましょう。