三角関数のグラフは、sinx\sin xcosx\cos xtanx\tan xxx の変化に応じてどう変わるかを表します。素早く読むコツはシンプルです。正弦と余弦は周期的な波で、正接は垂直漸近線をもつ枝の形で繰り返し、変換によって基本グラフの高さ、幅、移動、反転が決まります。

式からグラフを描くなら、まず4つのことを確認します。基本の関数は何か。周期はいくつか。中心線はどこか。グラフは平行移動や反転をしているか。

正弦・余弦・正接のグラフの見た目

基本の正弦グラフ y=sinxy=\sin x は原点を通り、xx をラジアンで測ると 2π2\pi ごとに繰り返します。基本の余弦グラフ y=cosxy=\cos x は同じ波の形で周期も同じですが、x=0x=0 のとき最大値から始まります。

基本の正接グラフ y=tanxy=\tan x は振る舞いが異なります。π\pi ごとに繰り返し、原点を通り、cosx=0\cos x = 0 となるところに垂直漸近線があります。正接は値に上限も下限もないので、振幅はありません。

授業で角度をラジアンではなく度数法で扱う場合、基本周期は正弦と余弦が 360360^\circ、正接が 180180^\circ です。

振幅・周期・移動がグラフをどう変えるか

正弦と余弦では、よく使う形は

y=asin(b(xh))+ky = a\sin(b(x-h))+k

または

y=acos(b(xh))+ky = a\cos(b(x-h))+k

です。

xx がラジアンなら、

  • 振幅 =a= |a|
  • 周期 =2πb= \frac{2\pi}{|b|}
  • 水平移動 =h= h
  • 垂直移動 =k= k
  • 中心線 =y=k= y=k

となります。

a<0a<0 なら、グラフは中心線に関して反転します。b<0b<0 なら、水平方向に反転します。授業でのスケッチでは、周期、移動、主要な点を正しく押さえることが特に大切です。

正接では、ふつう

y=atan(b(xh))+ky = a\tan(b(x-h))+k

の形を使い、xx がラジアンなら

  • 周期 =πb= \frac{\pi}{|b|}
  • 水平移動 =h= h
  • 垂直移動 =k= k

となります。

aa による縦方向の伸縮はありますが、正接には最大値も最小値もないため、それを振幅とは呼びません。

振幅と周期の意味

振幅は、正弦や余弦のグラフが中心線から上下にどれだけ離れるかを表します。振幅が 33 なら、グラフは中心線より上に 33、下に 33 だけ動きます。

周期は、グラフが1回分の繰り返しを終えるまでに xx 軸方向へどれだけ進むかを表します。周期が小さいほど、グラフは水平方向に圧縮されます。周期が大きいほど、横に引き伸ばされます。

覚えるべき基本パターンはこれです。aakk は縦方向の変化を、bbhh は横方向の変化を決めます。

例題: y=2sin(xπ3)+1y=-2\sin\left(x-\frac{\pi}{3}\right)+1 のグラフ

まず基本グラフ y=sinxy=\sin x から始めます。

次に、それぞれの変換を読み取ります。

  • a=2a=-2 なので、振幅は 22 で、グラフは中心線に関して反転します。
  • b=1b=1 なので、周期は 2π2\pi のままです。
  • h=π3h=\frac{\pi}{3} なので、グラフは右に π3\frac{\pi}{3} だけ移動します。
  • k=1k=1 なので、中心線は y=1y=1 です。

したがって、このグラフは y=1y=1 を中心に上下し、最大値は y=3y=3、最小値は y=1y=-1 になり、横幅 2π2\pi で1周期を完成します。

手早くスケッチするには、正弦の1周期における標準的な5つの入力値を使い、それらを変換します。主要な点は

(π3,1),(5π6,1),(4π3,1),(11π6,3),(7π3,1)\left(\frac{\pi}{3},1\right), \left(\frac{5\pi}{6},-1\right), \left(\frac{4\pi}{3},1\right), \left(\frac{11\pi}{6},3\right), \left(\frac{7\pi}{3},1\right)

となります。

これらの点を見ると全体の形がわかります。中心線上から始まり、反転しているので最初は下がり、再び中心線に戻り、頂点まで上がって、また中心線に戻ります。

いちばん時間を節約できる考え方はこれです。毎回ゼロから描き直すのではなく、基本グラフを変換して考えることです。

変換された正接グラフの考え方

正接は、山や谷ではなく漸近線を中心にグラフを考えるので、少し違う見方が必要です。

基本グラフ y=tanxy=\tan x では、垂直漸近線は

x=π2+nπx = \frac{\pi}{2} + n\pi

nn は整数)にあり、零点は

x=nπx = n\pi

にあります。

変換後のグラフ y=atan(b(xh))+ky=a\tan(b(x-h))+k では、漸近線は

b(xh)=π2+nπb(x-h) = \frac{\pi}{2} + n\pi

となるところに現れます。

したがって、その間隔はラジアンで πb\frac{\pi}{|b|} です。たとえば y=tan(2x)y=\tan(2x) では、その間隔は π2\frac{\pi}{2} になり、枝が2倍の頻度で繰り返されます。正接では、振幅のように考えるより、この間隔を押さえるほうが重要です。

三角関数のグラフでよくあるミス

正接の伸縮を「振幅」と呼んでしまう

正弦と余弦には中心線からの最大距離と最小距離があるので、振幅という考え方が成り立ちます。正接は一定の値に近づいて止まることがないので、振幅はありません。

水平移動の符号を逆にしてしまう

y=sin(x2)y=\sin(x-2) では、グラフは左ではなく右に 22 だけ移動します。かっこの中の符号は、最初は逆に感じやすいところです。

周期の公式を取り違える

入力の中に係数 bb があるとき、周期は b|b| で割ります。正弦と余弦ならラジアンで 2πb\frac{2\pi}{|b|}、正接なら πb\frac{\pi}{|b|} です。

ラジアンか度数法かを忘れる

上の公式はラジアンを使っています。授業やグラフが度数法なら、2π2\pi360360^\circ に、π\pi180180^\circ に置き換えます。

三角関数のグラフはいつ使うのか

三角関数のグラフは、パターンが繰り返す場面で使われます。学校数学では、変換、周期的な変化、単位円と関数のつながりを理解するのに役立ちます。学校の外でも、同じ形は波、音、季節の周期、回転する仕組み、信号のモデルなどに現れます。

ただし、グラフを正しく読むために、そうした背景をすべて知っている必要はありません。多くの授業では、基本の形を見分け、1周期または1つの枝を特定し、変換を丁寧に追うことが実用的なポイントです。

類題に挑戦

y=3cos(2(x+π4))1y=3\cos\left(2\left(x+\frac{\pi}{4}\right)\right)-1 をスケッチしてみましょう。まず点を打つ前に、振幅、周期、移動、中心線を確認してください。描く前に言葉でグラフの特徴を説明できれば、変換の理解がかなり進んでいます。

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