サイン(sine)、コサイン(cosine)、タンジェント(tangent)は、直角三角形で1つ選んだ角に対して辺の長さを比べるものです。どの辺が向かい側、隣、斜辺なのかを理解すると、この3つの比はずっと使いやすくなります。
直角三角形で が鋭角なら、
となります。
これが SOHCAHTOA の考え方です。この語呂合わせは便利ですが、いちばん大事なのはもっとシンプルです。各三角関数は、ある1つの角に対応する比であって、辺そのものの性質ではありません。
直角三角形での sin・cos・tan の意味
直角三角形で、1つの鋭角 を選びます。
- opposite は の向かい側にある辺です。
- adjacent は の隣にある辺ですが、斜辺ではありません。
- hypotenuse は最も長い辺で、直角の向かい側にあります。
これらの名前が決まると、三角比はそれぞれ異なる比較を表します。
- は opposite と hypotenuse の比です。
- は adjacent と hypotenuse の比です。
- は opposite と adjacent の比です。
もう1つの鋭角に切り替えると、opposite と adjacent も入れ替わります。だから同じ三角形でも、2つの鋭角に対してサイン、コサイン、タンジェントの値は異なります。
さらに便利な事実が1つあります。角が固定されていれば、三角形を拡大しても縮小しても、これらの比は変わりません。相似な三角形では角に対する比が同じままです。
3-4-5 の三角形で見る例題
辺の長さが 、、 の直角三角形を考えます。 を、長さ の辺の向かい側にある鋭角とします。
このとき:
- opposite
- adjacent
- hypotenuse
したがって、
となります。
この例を見ると、パターンがはっきりわかります。サインとコサインはどちらも斜辺を使います。タンジェントは斜辺を使わず、2つの直角をはさむ辺どうしを比べるので、傾きの感覚をつかみたいときによく役立ちます。
sin・cos・tan はいつ使うのか
これらの比は、直角三角形で角と辺の長さが結びついている問題で使います。
- は opposite と hypotenuse を使いたいときに使います。
- は adjacent と hypotenuse を使いたいときに使います。
- は opposite と adjacent を使いたいときに使います。
1つの辺と1つの鋭角がわかっていれば、三角比を使って別の辺を求められることがよくあります。辺の比がわかっているなら、逆三角関数を使って角を求めることもできます。
単位円で同じ考え方を広げる
上の直角三角形での定義は、直角三角形の鋭角に対してそのまま使えます。 より大きい角、負の角、1回転以上の角では、三角関数は単位円を使って同じ関数を拡張します。
単位円では、角 に対応する点は
であり、タンジェントは引き続き
という比で表されます。
ただし、 のときに限ります。
つまり単位円では、コサインが 座標、サインが 座標です。だから直角三角形が描かれていない場合でも、同じ三角関数の名前がそのまま使えるのです。
sin・cos・tan でよくあるミス
よくあるミスの1つは、opposite と adjacent を取り違えることです。これらの名前は、先にどの角を選ぶかを決めてはじめて意味を持ちます。
もう1つのよくあるミスは、SOHCAHTOA がすべての三角関数の問題をカバーすると考えてしまうことです。これは直角三角形での定義には使えますが、一般の角を扱う問題では、単位円で考えるほうが適切なことが多いです。
また、タンジェントを辺の長さそのものだと思ってしまうこともあります。三角形では、タンジェントは縦の増加量と横の増加量の比を表します。
さらに、タンジェントはいつでも定義されると思い込むのもミスです。単位円で見ると、 は のとき定義されません。
sin・cos・tan が出てくる場面
特によく出てくるのは次のような場面です。
- 直角三角形の問題
- 傾きや方向
- 円運動や波
- 座標幾何と単位円
問題が直角三角形についてなら、まず辺の比として考えるのがよいです。円のまわりの角についてなら、まず単位円で考えるのがよいです。
似た問題に挑戦してみよう
同じ -- の直角三角形で、もう一方の鋭角に切り替えてみましょう。opposite と adjacent を付け直してから、、、 をもう一度計算します。この確認をすると、三角比が選んだ角に依存することがよくわかります。