比例式とは、2つの比が等しいことを表す方程式です。たとえば のような比例式で、 かつ のときは、たすき掛けをして とし、そのあとでより簡単な方程式を解けます。
ただし、この方法が使えるのは、本当に「1つの比が別の比に等しい」ときだけです。量が比例していなかったり、量の順序が入れ替わっていたりすると、たすき掛けをしても間違った結果になることがあります。
比例式とは
比は、2つの量を決まった順序で比べるものです。たとえば は、1つ目の量と2つ目の量を比べています。比例式は、ある比が別の比に等しいことを表します。
同じ内容を分数で書くこともできます。
それぞれの比の第2項が 0 でないかぎり、この2つの表し方は同じ意味です。
たすき掛けが成り立つ理由
まず
を考えます。ただし 、 です。両辺に をかけると、
となります。
分母が約分されるので、
が得られます。
これが、たすき掛けの考え方そのものです。これは別の特別な裏技ではありません。等しい分数の式の両辺に、同じ 0 でない量をかけているだけです。
比例式を順を追って解く
次を解きます。
たすき掛けをすると、
したがって
です。
両辺を で割ると、
となります。
答えを確かめます。
どちらの分数も約分すると同じ値になるので、正しいことがわかります。したがって、求める数は です。
比の表し方を使うなら、この問題は
とも書けます。
順序は重要です。片方を に入れ替えると、別の比を表すことになります。
比例式を解くときによくある間違い
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等号がなければ比例式ではありません。問題が「2つの比が等しい」となっていないなら、たすき掛けは使えないことがあります。たとえば、分数の足し算は比例式ではありません。
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量の順序を固定しましょう。 と は別の比です。片方が「マイルと時間」を比べているなら、もう片方も「マイルと時間」の順で比べる必要があります。
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分母の条件を確認しましょう。分数で表した比例式は、分母が 0 でないときにだけ意味をもちます。
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元の式に代入して答えを確認しましょう。軽い計算ミスなら、最初から全部やり直すよりも、代入したほうが早く見つかることが多いです。
比例式が適したモデルになるとき
比例式は、1つの比が一定に保たれる場面で現れます。よくある例としては、等しい分数、地図の縮尺、相似な三角形、分量を増減させるレシピ、単価が一定の値段の問題などがあります。
この条件はとても大切です。関係が比例していないなら、計算のしかたが正しくても、比例式を使うと答えを間違えることがあります。
たすき掛けをする前の確認
たすき掛けを使う前に、次を確認しましょう。
- 本当に「1つの比=もう1つの比」になっているか。
- 両辺で量の順序が同じか。
- 分母は 0 ではないか。
- その場面は本当に比例しているか。
この4つを確認するだけで、初学者によくあるミスの多くを防げます。
似た問題に挑戦
次を解いてみましょう。
そのあと、求めた値を比例式に代入して確かめてみてください。さらに一歩進めたいなら、地図の縮尺や相似な三角形のように単位がある別の例でも考え、同じ構造が成り立つかを見てみましょう。