行列を掛けるには、1つ目の行列の列数と2つ目の行列の行数が等しくなければなりません。この条件を満たすとき、積の各成分は、1つ目の行列の1つの行と2つ目の行列の1つの列から作られます。

つまり、学生が最初に確認すべきことはふつう2つです。積が定義されるかどうか、そして答えの行列のサイズがいくつになるかです。

行列の掛け算を3ステップで行う方法

  1. 内側の次元を確認します。一致しなければ、その積は定義されません。
  2. 外側の次元を使って、答えのサイズを決めます。
  3. 各成分について、対応する行と列の成分を掛けて、その積を足し合わせます。

次元のルール

If

A is m×nandB is n×p,A \text{ is } m \times n \quad \text{and} \quad B \text{ is } n \times p,

then ABAB is defined, and the result has size

m×p.m \times p.

内側の次元は一致していなければなりません。外側の次元が答えのサイズを教えてくれます。

たとえば、2×32 \times 3 行列は 3×43 \times 4 行列に掛けることができ、結果は 2×42 \times 4 になります。しかし、2×32 \times 3 行列はその順序では 2×42 \times 4 行列に掛けることはできません。内側の次元が一致しないからです。

行×列とは実際にどういう意味か

ABAB の1つの成分を求めるには、AA から1つの行、BB から1つの列を取ります。

行が

[a1a2a3][a_1 \quad a_2 \quad a_3]

で、列が

[b1b2b3],\begin{bmatrix} b_1 \\ b_2 \\ b_3 \end{bmatrix},

なら、積の対応する成分は

a1b1+a2b2+a3b3.a_1b_1 + a_2b_2 + a_3b_3.

となります。つまり、標準的な行列の掛け算は、成分どうしをそのまま掛ける計算ではありません。1つの行と1つの列の組から作る「積の和」です。

例題

次を掛けます。

A=[120134]andB=[210253].A = \begin{bmatrix} 1 & 2 & 0 \\ -1 & 3 & 4 \end{bmatrix} \quad \text{and} \quad B = \begin{bmatrix} 2 & 1 \\ 0 & -2 \\ 5 & 3 \end{bmatrix}.

まずサイズを確認します。AA2×32 \times 3BB3×23 \times 2 なので、積 ABAB は定義されます。答えは 2×22 \times 2 行列になります。

次に、各成分を計算します。

左上の成分は、AA の1行目と BB の1列目を使います。

12+20+05=2.1 \cdot 2 + 2 \cdot 0 + 0 \cdot 5 = 2.

右上の成分は、AA の1行目と BB の2列目を使います。

11+2(2)+03=3.1 \cdot 1 + 2 \cdot (-2) + 0 \cdot 3 = -3.

左下の成分は、AA の2行目と BB の1列目を使います。

(1)2+30+45=18.(-1) \cdot 2 + 3 \cdot 0 + 4 \cdot 5 = 18.

右下の成分は、AA の2行目と BB の2列目を使います。

(1)1+3(2)+43=5.(-1) \cdot 1 + 3 \cdot (-2) + 4 \cdot 3 = 5.

したがって、

AB=[23185].AB = \begin{bmatrix} 2 & -3 \\ 18 & 5 \end{bmatrix}.

この1つの例で、全体のパターンがわかります。答えの各位置は、それぞれ1つの行と1つの列の組み合わせから作られます。

なぜ順序が重要なのか

普通の数の計算では、ab=baab = ba です。しかし、行列では一般にそうなりません。

両方の積が存在するときでも、ABABBABA は異なることがあります。場合によっては、一方は定義されても、もう一方は定義されません。つまり、順序は見た目だけの問題ではなく、問題そのものの一部です。

よくあるミス

次元の確認を飛ばす

多くのミスは、計算を始める前に起こります。内側の次元が一致しなければ、その積は定義されません。

対応する位置の成分をそのまま掛ける

左上どうしを掛け、次も同じ位置どうしを掛けているなら、それは別の演算です。標準的な行列の掛け算では、行×列の和を使います。

行と列を取り違える

各成分には、1つ目の行列の特定の行と、2つ目の行列の特定の列が必要です。違う列を使い回してしまうのは、非常によくある計算ミスです。

逆の順序でも同じ答えになると思い込む

AB=BAAB = BA だとは考えないでください。行列の掛け算は一般には可換ではありません。

行列の掛け算はいつ使うのか

行列の掛け算は、1つの線形な処理のあとに別の線形な処理が続くときに使われます。初学者向けの授業では、連立方程式や幾何変換でよく出てきます。応用では、同じ考え方がコンピュータグラフィックス、データモデル、科学技術計算に現れます。

直感的にはシンプルです。まず1つ目の行列が作用し、その結果に次の行列が作用します。だから順序が重要なのです。

自分でもやってみよう

次を掛けてみてください。

[2103][4152].\begin{bmatrix} 2 & 1 \\ 0 & 3 \end{bmatrix} \begin{bmatrix} 4 & -1 \\ 5 & 2 \end{bmatrix}.

どの成分も計算する前に、まず答えのサイズを予想してみましょう。手計算したあとで設定を確認したいなら、GPAI Solver で自分の例を試してみてください。

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