行列を掛けるには、1つ目の行列の列数と2つ目の行列の行数が等しくなければなりません。この条件を満たすとき、積の各成分は、1つ目の行列の1つの行と2つ目の行列の1つの列から作られます。
つまり、学生が最初に確認すべきことはふつう2つです。積が定義されるかどうか、そして答えの行列のサイズがいくつになるかです。
行列の掛け算を3ステップで行う方法
- 内側の次元を確認します。一致しなければ、その積は定義されません。
- 外側の次元を使って、答えのサイズを決めます。
- 各成分について、対応する行と列の成分を掛けて、その積を足し合わせます。
次元のルール
If
then is defined, and the result has size
内側の次元は一致していなければなりません。外側の次元が答えのサイズを教えてくれます。
たとえば、 行列は 行列に掛けることができ、結果は になります。しかし、 行列はその順序では 行列に掛けることはできません。内側の次元が一致しないからです。
行×列とは実際にどういう意味か
の1つの成分を求めるには、 から1つの行、 から1つの列を取ります。
行が
で、列が
なら、積の対応する成分は
となります。つまり、標準的な行列の掛け算は、成分どうしをそのまま掛ける計算ではありません。1つの行と1つの列の組から作る「積の和」です。
例題
次を掛けます。
まずサイズを確認します。 は 、 は なので、積 は定義されます。答えは 行列になります。
次に、各成分を計算します。
左上の成分は、 の1行目と の1列目を使います。
右上の成分は、 の1行目と の2列目を使います。
左下の成分は、 の2行目と の1列目を使います。
右下の成分は、 の2行目と の2列目を使います。
したがって、
この1つの例で、全体のパターンがわかります。答えの各位置は、それぞれ1つの行と1つの列の組み合わせから作られます。
なぜ順序が重要なのか
普通の数の計算では、 です。しかし、行列では一般にそうなりません。
両方の積が存在するときでも、 と は異なることがあります。場合によっては、一方は定義されても、もう一方は定義されません。つまり、順序は見た目だけの問題ではなく、問題そのものの一部です。
よくあるミス
次元の確認を飛ばす
多くのミスは、計算を始める前に起こります。内側の次元が一致しなければ、その積は定義されません。
対応する位置の成分をそのまま掛ける
左上どうしを掛け、次も同じ位置どうしを掛けているなら、それは別の演算です。標準的な行列の掛け算では、行×列の和を使います。
行と列を取り違える
各成分には、1つ目の行列の特定の行と、2つ目の行列の特定の列が必要です。違う列を使い回してしまうのは、非常によくある計算ミスです。
逆の順序でも同じ答えになると思い込む
だとは考えないでください。行列の掛け算は一般には可換ではありません。
行列の掛け算はいつ使うのか
行列の掛け算は、1つの線形な処理のあとに別の線形な処理が続くときに使われます。初学者向けの授業では、連立方程式や幾何変換でよく出てきます。応用では、同じ考え方がコンピュータグラフィックス、データモデル、科学技術計算に現れます。
直感的にはシンプルです。まず1つ目の行列が作用し、その結果に次の行列が作用します。だから順序が重要なのです。
自分でもやってみよう
次を掛けてみてください。
どの成分も計算する前に、まず答えのサイズを予想してみましょう。手計算したあとで設定を確認したいなら、GPAI Solver で自分の例を試してみてください。