たすき掛けの計算は、比例式をすばやく解く方法です。比例式とは、1つの分数が別の分数に等しい形の方程式のことです。もし
で、 かつ なら、これを
と書き換えられます。
言い換えると、2つの分数が等しければ、対角線上の積も等しくなります。ただし、これは本当に「分数 = 分数」の形になっているときにだけ使えます。
たすき掛けの計算の意味
たすき掛けは、次のような比例式に使います。
等号をまたいで対角線にかけ算します。つまり、
では、たすき掛けでできる積は と です。
これは特別な裏技ではありません。両辺に をかけることで、 かつ のとき両方の分母をはらっているだけです。
たすき掛けの計算が成り立つ理由
2つの分数が同じ値を表しているなら、それは同じ比較を別の形で表していることになります。
たとえば、
なのは、どちらの分数も同じ比に約分できるからです。たすき掛けをすると、それが確かめられます。
たすき掛けでできる積が一致すれば、分母が 0 でない2つの分数が等しいことを手早く確認できます。
たすき掛けの計算の例
次を解きます。
対角線にかけ算すると、
したがって、
両辺を で割ると、
元の比例式に代入して確かめます。
どちらも に簡単にできるので、解は正しいです。
たすき掛けの計算を使える場合
たすき掛けは、両辺が分数で、その2つの分数が等しいとされているときに使います。また、関係するすべての分母が 0 でないことも必要です。
たとえば、
は比例式なので、この方法を使えます。
しかし、分数がある方程式すべてにこの方法が必要なわけではありません。たとえば、
では分数は1つだけなので、両辺に をかけて とするほうが簡単です。
たすき掛けの計算でよくある間違い
よくある間違いの1つは、方程式が比例式でないのにたすき掛けを使ってしまうことです。この方法は「分数 = 分数」の形のためのもので、分数を含むすべての方程式に使えるわけではありません。
もう1つの間違いは、分母の条件を忘れることです。分母が になる可能性があるなら、その値は除かなければなりません。たとえば、
では、解く前に と書く必要があります。
3つ目の間違いは、対角線ではなく横にそのままかけてしまうことです。
では、たすき掛けでできる積は と であり、 と ではありません。
たすき掛けの計算が使われる場面
たすき掛けは、比例式、相似な図形、縮図、単位変換、速さや割合の問題などでよく出てきます。未知数が比の中にあり、同じ比較を保ったまま求めたいときに便利です。
また、分母が 0 でない限り、2つの分数が同値かどうかをすばやく確かめる方法としても使えます。
似た問題に挑戦してみよう
次の式で自分でも試してみましょう。
を求めたあと、その答えを元の比例式に代入して確かめてください。さらに別の例を試したいなら、分母に変数がある比例式を作り、解く前に条件も書いてみましょう。