微分の公式は、関数の形に応じてどの微分法を使うべきかを教えてくれます。式がべき、積、商、または入れ子になった関数なら、まずはいちばん外側の形に合う公式を選びます。この習慣だけで、多くの微分の問題はかなり解きやすくなります。
主な微分の公式と使う場面
べき乗の微分法
を実数定数とすると、
例:。
式が の単純なべきになっているときに使います。ただし、底が単なる ではなく のような形なら、連鎖律も関係します。
積の微分法
と が微分可能なら、
2つの変化する式が掛け算されているときに使います。どちらの因子の変化でも積全体が変わるので、微分結果は2項になります。
商の微分法
と が微分可能で、 なら、
1つの変化する式を別の変化する式で割っているときに使います。 という条件が大切なのは、分母が 0 のところでは元の関数が定義されないからです。
連鎖律
で、必要なところで両方の関数が微分可能なら、
ある関数が別の関数の内側に入っているときに使います。言い換えると、外側の関数を微分し、内側の式はそのまま残し、最後に内側の微分を掛けます。
どの微分公式を使うか見分ける方法
暗記した公式を探すところから始めないでください。まず、「この式のいちばん外側の形は何か?」と考えます。
- はべきです。
- は積です。
- は商です。
- や は合成関数なので、連鎖律を使います。
式の中に複数の構造が混ざっている場合でも、まずは外側から見ます。たとえば は、片方の因子に連鎖律が必要でも、全体としては積です。
例題:積の微分法の中で連鎖律を使う
次の関数を微分します。
いちばん外側の形は積なので、まず積の微分法を使います。次のようにおきます。
すると、
まず1つ目の因子を微分すると、
次に2つ目の因子は連鎖律で微分します。
両方を代入すると、
これで正しい最終答案です。もっと見やすく因数分解した形にしたければ、共通因子をくくり出します。
大事なのは順番です。まず外側の構造から積の微分法を選び、そのあとで の部分に必要なところだけ連鎖律を使います。
微分の公式でよくあるミス
- 実際には積や商なのに、式全体にべき乗の微分法を使ってしまう。
- 積の微分を、2項の和ではなく と書いてしまう。
- 商の微分法の分子にあるマイナス符号を忘れる。
- 連鎖律で内側の微分を忘れ、 をただ にしてしまう。
- 早い段階で展開してしまい、必要以上に計算を複雑にする。
これらの公式が微積分で使われる場面
微分の公式は、変化の割合が必要なあらゆる場面で重要です。微積分の授業では、ふつう接線の傾き、運動、最適化、グラフの変化を調べるときに使います。物理では速度や加速度に現れます。工学や経済学では、ある量が別の量の変化にどう反応するかを表すのに役立ちます。
似た問題に挑戦してみよう
次を微分してください。
これは構造の見分け方を確認するのによい問題です。外側は商ですが、分母には連鎖律も必要です。
近い内容を続けて学ぶなら、次に Chain Rule や Product Rule を見てみましょう。
よくある質問
- どの微分の公式を使えばよいかは、どう判断すればいいですか?
- まず式のいちばん外側の形に注目します。べきならべき乗の微分法、積なら積の微分法、商なら商の微分法、入れ子の関数なら連鎖律を使います。
- 微分の公式で最もよくあるミスは何ですか?
- 正しい公式を選べていても、必要な部分を1つ落としてしまうことがよくあります。たとえば積の微分法の2つ目の項や、連鎖律の内側の微分を忘れるミスです。