合同な三角形とは、大きさと形が同じ三角形のことです。多くの幾何の問題では、SSS、SAS、ASA、AAS、HLの5つの条件のいずれかで合同を示します。あわせて、AAAやSSAのように使えそうで使えないものも知っておく必要があります。
一方の三角形を平行移動・回転・反転して、もう一方にぴったり重ねられるなら、その2つの三角形は合同です。頂点の順序は、どの部分どうしが対応しているかを表すので重要です。
合同な三角形の意味
もし なら、対応する部分は等しくなります。
これは
かつ
を意味します。
式 では、 は 、 は 、 は に対応しています。文字の順序を間違えると、辺や角の対応も間違ってしまいます。
成り立つ三角形の合同条件
SSS: 辺辺辺
3組の辺の長さがすべて等しければ、2つの三角形は合同です。
3辺の長さが決まれば、反転を除いて三角形は1つに定まります。
SAS: 辺角辺
2組の辺と、その間の角がそれぞれ等しければ、2つの三角形は合同です。
大事なのは挟角であることです。つまり、わかっている2辺によって作られる角でなければなりません。
ASA: 角辺角
2組の角と、その間の辺がそれぞれ等しければ、2つの三角形は合同です。
2つの角が決まれば、3つ目の角も自動的に決まります。さらに1辺がわかることで、三角形の大きさも決まります。
AAS: 角角辺
2組の角と、その間ではない1辺がそれぞれ等しければ、2つの三角形は合同です。
これが成り立つ理由もASAと同じです。2つの角で形が決まり、1辺で大きさが決まります。
HL: 斜辺と他の1辺
HLが使えるのは直角三角形だけです。2つの直角三角形で、斜辺が等しく、さらに1組の辺が等しければ合同です。
直角であるという条件がなければ、HLは使えません。
SASの例
次のことがわかっているとします。
そして、それぞれの三角形でわかっている角は、わかっている2辺の間にあります。
これでSASが使えます。
したがって、三角形は合同です。
このあとは、対応する部分はすべて等しくなります。たとえば、、 です。
ここで大切なのは数値そのものではなく、位置関係です。等しい角が等しい2辺の間にあるので、これはSSAではなくSASです。
AAAとSSAではなぜ不十分か
AAA
AAAでは合同は示せません。示せるのは相似だけです。
たとえば、2つの正三角形がどちらも角 、、 をもっていても、辺の長さは異なることがあります。
SSA
SSAは一般には有効な合同条件ではありません。2組の辺と、その間ではない角がわかっていても、できる三角形が複数あることもあれば、まったく作れないこともあります。
そのためSSAは「あいまいな場合」と呼ばれます。よくある特別な例外がHLで、これは直角三角形に限って成り立ちます。
三角形の合同でよくある間違い
- わかっている角が2辺の間にないのに、SASを使ってしまう。
- 直角三角形だと示されていないのに、HLを使ってしまう。
- AAAで合同が示せると思い、相似との違いを見落とす。
- 合同を表すときに頂点の対応を間違える。
合同な三角形はどこで使うか
合同な三角形は、幾何の証明、作図の問題、座標幾何、部品をぴったり合わせる必要がある設計などで使われます。
特に、問題で少数の辺や角しか与えられていないのに、さらに多くの情報を求めるときに役立ちます。いったん合同が示せれば、残りの対応する部分も安心して使えます。
似たケースを試してみる
斜辺が 、他の1辺が の2つの三角形を考えてみましょう。HLで合同といえるのは、両方が直角三角形である場合だけです。その条件を外すと議論は成り立たなくなるので、HLが特別な場合だと覚えるのに役立ちます。