ひし形の面積とは、図形の内側の広さのことです。多くの問題では、次の2つの公式のどちらかを使います。
と
底辺と垂直な高さがわかっているときは を使います。対角線全体の長さがわかっているときは を使います。
ひし形の面積の公式
ひし形は、4辺がすべて等しい四角形です。また、平行四辺形の一種でもあるので、向かい合う辺は平行です。
このことが重要なのは、ひし形も平行四辺形と同じ底辺×高さの考え方に従うからです。
ここで、 は斜めの辺ではありません。底辺から向かい合う辺までの垂直な距離です。
なぜ対角線の公式が成り立つのか
底辺と垂直な高さがわかっていれば、面積はそのまま で求められます。
一方、対角線がわかっている場合、ひし形には特別な性質があります。対角線が垂直に交わるのです。すると図形は4つの直角三角形に分かれるので、全体の面積は
となります。
この公式で使うのは対角線全体の長さであり、中心から頂点までの半分の長さではありません。
対角線を使う例題
ひし形の対角線が cm、 cm だとします。
対角線の公式を使います。
値を代入すると、
したがって、面積は
です。
簡単に確かめることもできます。対角線の半分はそれぞれ cm と cm なので、4つの直角三角形それぞれの面積は
です。
このような三角形が4つあるので、
となり、最初の方法と一致します。
底辺と高さを使うのはどんなときか
問題で底辺と垂直な高さが直接与えられているときは、 を使います。
たとえば、ひし形の底辺が cm、垂直な高さが cm なら、
です。
ひし形が実際に正方形であるか、辺が垂直だと示されている場合を除いて、高さを斜めの辺で置き換えてはいけません。
ひし形の面積でよくあるミス
辺の長さを高さとして使ってしまう
傾いたひし形では、辺の長さと垂直な高さは異なります。 を使うときは、 が底辺に垂直であることを確認しましょう。
対角線の公式には対角線全体が必要なことを忘れる
図に中心からの半対角線だけが示されている場合、その値をそのまま に代入してはいけません。まず2倍して、対角線全体の長さにします。
「一辺×一辺」を使ってしまう
一般のひし形では、 は面積ではありません。これが成り立つのは、ひし形が正方形である特別な場合だけです。
平方単位を書き忘れる
面積は、ただの単位ではなく平方単位で表します。
ひし形の面積が使われる場面
ひし形の面積は、学校の図形問題、座標幾何、敷き詰めの問題、ひし形の領域が出てくる図などで現れます。
特に、高さより対角線のほうが測りやすいときに便利です。一方で、底辺と垂直な高さのほうが使いやすい問題もあります。どちらの公式を使うかは、実際に与えられている長さによって決まります。
似た問題に挑戦してみよう
対角線が cm と cm の場合で、自分でも解いてみましょう。次に、底辺が cm、垂直な高さが cm の場合でも解いてみてください。2つの設定を比べると、2つの公式の違いがつかみやすくなります。