気体の法則とは、気体を圧縮したり、加熱したり、量を変えたりしたときに、気体がどう変化するかを表すいくつかの関係式です。大事なのは、ばらばらの4つの公式を暗記することではありません。何が一定に保たれているかに注目することです。

温度が一定なら、圧力と体積は互いに反対向きに変化します。圧力が一定なら、体積は絶対温度に比例します。圧力と温度が一定なら、体積は物質量に比例します。一定量の気体で、圧力・体積・温度が同時に変化するなら、複合気体の法則が最も使いやすい道具になることが多いです。

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ボイルの法則

ボイルの法則は、温度と気体の量が一定のときに成り立ちます。

P1V1=P2V2P_1V_1 = P_2V_2

この条件では、圧力は体積に反比例します。同じ温度で気体を半分の体積まで圧縮すると、圧力は2倍になります。

シャルルの法則

シャルルの法則は、圧力と気体の量が一定のときに成り立ちます。

V1T1=V2T2\frac{V_1}{T_1} = \frac{V_2}{T_2}

ここで温度はケルビンで表さなければなりません。絶対温度が2倍になり、圧力が一定なら、体積も2倍になります。

アボガドロの法則

アボガドロの法則は、圧力と温度が一定のときに成り立ちます。

V1n1=V2n2\frac{V_1}{n_1} = \frac{V_2}{n_2}

これは、体積が気体の物質量に比例することを意味します。圧力と温度を一定に保ったままモル数を2倍にすると、体積も2倍になります。

複合気体の法則

複合気体の法則は、気体の量が一定で、圧力・体積・温度がすべて変化しうるときに便利です。

P1V1T1=P2V2T2\frac{P_1V_1}{T_1} = \frac{P_2V_2}{T_2}

これはボイルの法則とシャルルの法則を1つの関係式にまとめたものです。気体の出入りがない、変化前と変化後の状態を比べるときの適切な選択だと考えるとよいでしょう。

気体の法則が腑に落ちる直感的な考え方

気体は、その粒子が動いて容器の壁に衝突することで、容器の壁を押しています。

温度を変えずに容器を小さくすると、同じ粒子が壁により頻繁にぶつかるので、圧力は上がります。気体を加熱すると粒子はより速く動くため、圧力が上がるか、あるいは圧力が一定に保たれるなら気体が膨張します。圧力と温度を一定にしたまま気体粒子を増やすと、それらを収めるためにより大きな体積が必要になります。

だからこそ、気体の法則の問題はほとんどが条件の見極めです。式は条件から決まります。

例題を1つ解いてみる

ある気体試料は、1.2 atm1.2\ \mathrm{atm}300 K300\ \mathrm{K}2.0 L2.0\ \mathrm{L} を占めています。これを 1.5 L1.5\ \mathrm{L} まで圧縮し、さらに 360 K360\ \mathrm{K} まで加熱しました。気体は逃げていません。新しい圧力は何 atm ですか。

気体の量は一定で、3つの変数がすべて変化しているので、複合気体の法則を使います。

P1V1T1=P2V2T2\frac{P_1V_1}{T_1} = \frac{P_2V_2}{T_2}

P2P_2 について解くと、

P2=P1V1T2T1V2P_2 = \frac{P_1V_1T_2}{T_1V_2}

値を代入すると、

P2=(1.2)(2.0)(360)(300)(1.5)=864450=1.92 atmP_2 = \frac{(1.2)(2.0)(360)}{(300)(1.5)} = \frac{864}{450} = 1.92\ \mathrm{atm}

したがって、新しい圧力は 1.92 atm1.92\ \mathrm{atm} です。

この結果は物理的にも納得できます。気体は圧縮されているので圧力は上がる傾向があり、さらに加熱もされているので、これも圧力を上げる方向に働きます。最終的な圧力が高くなるのは、まさに予想どおりです。

よくある間違い

気体の法則の比で摂氏を使う

シャルルの法則と複合気体の法則では、温度は絶対温度でなければなりません。摂氏ではなくケルビンを使ってください。

条件を確認する前に法則を選ぶ

いちばん覚えている式から始めてはいけません。まず何が一定かを確認します。そうすれば、どの法則を使うべきかが分かります。

アボガドロの法則は PPTT が一定である必要があることを忘れる

体積がモル数に比例するのは、その条件のもとだけです。圧力や温度も変化するなら、その単純な比だけでは不十分です。

状態や単位を雑に混ぜてしまう

初期状態の値どうしはまとめて扱い、最終状態の値どうしもまとめて扱わなければなりません。単位変換も重要で、特に温度には注意が必要です。

気体の法則はいつ使うのか

気体の法則は、初学者向けの化学、実験計算、注射器やピストンの問題、気象観測用気球のような考え方をする場面、そして実在気体の完全なモデルを使わなくても状態変化を扱える場面でよく登場します。

特に役立つのは、気体を近似的に理想気体として扱え、しかも問題文でどの量が一定かがはっきり示されているときです。気体が理想的なふるまいから大きく外れる場合、特に高圧や凝縮に近い条件では、より詳しいモデルが必要になることがあります。

自分でもやってみよう

同じ例題で、温度を 360 K360\ \mathrm{K} まで上げずに 300 K300\ \mathrm{K} のままにしてみてください。もう一度解いて、最終圧力を比べてみましょう。そうすると、加熱がどれだけ効いていたかを手早く確かめられます。

これらの関係式の次の段階に進みたいなら、理想気体の状態方程式を学んでみてください。これは圧力・体積・温度・物質量を1つの式で結びつけ、気体の量が直接関わる問題も扱いやすくしてくれます。

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