平衡定数は、一定温度において、可逆反応が平衡に達したときにどのようなバランスになっているかを表します。簡単に言えば、生成物が有利なのか、反応物が有利なのか、あるいはどちらも特に強く有利ではないのかを示します。
一般的な反応
に対して、初学者向けによく使われる形は
であり、気体を分圧で表す場合は
となります。
問題で平衡濃度が与えられているときは を使います。気体の平衡分圧が与えられているときは を使います。熱力学では平衡定数は活量で定義されますが、化学の初学者向けの多くの問題では、使うのはこの濃度形と圧力形です。
なら、平衡では生成物が有利です。 なら、反応物が有利です。 が に近いなら、どちらの側も特に強く有利ではありません。これは平衡の位置を表しており、反応の速さを表すものではありません。
平衡定数の式に含まれるもの
重要なルールは主に3つです。
- 生成物を分子、反応物を分母に置く。
- 化学反応式の係数を指数にする。
- 標準的な初学者向けの平衡式では、純固体と純液体は入れない。
最後のルールは重要です。反応に純固体が含まれていても、その固体の量を変えても、通常の の式には現れません。
と の使い分け
平衡の値が濃度、通常は で書かれているときは を使います。平衡の値が気体の分圧で与えられているときは を使います。
問題の中で両方の形が混ざっている場合は、まず実際に何が与えられているかを確認してください。問題で必要とされない限り、むやみに変換しないようにしましょう。
と の関係
気相平衡について、初学者向けによく使われる形では
となります。ここで
です。
に数えるのは気体の化学種だけです。 なら、 です。 なら、一般には両者は異なります。
この関係が役立つのは、平衡式が気体から作られている場合だけです。また、平衡定数そのものが温度に依存するため、この関係も温度に依存します。
計算例: の求め方
次の反応を考えます。
平衡濃度が
であるとします。
まず式を書きます。
次に平衡の値を代入します。
したがって、この温度では平衡は生成物側にも反応物側にも強く偏っていません。 なのでやや反応物側に傾いていますが、非常に小さい値ではなく、 と同程度の大きさです。
この反応は、 と が常に等しいわけではない理由も示しています。ここでは なので、通常の気体平衡の形では
となります。
もし問題で濃度ではなく平衡分圧が与えられていたなら、同じ指数、同じ「生成物を上・反応物を下」にする形で を計算します。
平衡定数の問題でよくあるミス
- 平衡濃度ではなく初濃度を使ってしまう。平衡定数の式に使うのは平衡の値です。
- 指数を忘れる。この例では、 の前の係数 が指数の になります。
- 純固体や純液体を式に入れてしまう。標準的な初学者向け化学では、これらは省きます。
- が大きいと反応が速いと思い込む。平衡定数が表すのは平衡の位置であり、平衡に達する速さではありません。
平衡定数が使われる場面
この考え方は、可逆反応が重要になるあらゆる場面に現れます。たとえば、気体平衡、酸塩基化学、溶解度、工業反応の設計などです。特に、生成物が有利な系と反応物が有利な系を比べたいときや、反応商 と を比較して系がどちらに進むかを予測したいときに役立ちます。
類題に挑戦してみよう
次の反応の平衡式を書いてみましょう。
次に を確認します。両辺で気体のモル数が同じなので、 という近道を確かめるのにちょうどよい例です。