ベン図は、集合を重なり合う領域として表した図です。どちらか一方の集合だけに入るもの、両方に共通するもの、そしてどちらにも入らないが全体集合の中にはあるものを視覚的に確認できます。
2つの集合 と では、特に大事なのは次の2つです。
- 共通部分 は重なっている部分
- 和集合 はどちらか一方または両方に入るすべて
問題に重なりのある分類が出てくるとき、ベン図は計算を始める前に情報を整理する最も速い方法の1つです。
ベン図の各部分の読み方
2つの集合 と の基本的なベン図には、役立つ領域が4つあります。
- のみに入る部分
- のみに入る部分
- と の両方に入る部分
- どちらの集合にも入らないが、全体集合 には入る部分
生徒が最も間違えやすいのは、重なりの部分です。ある要素が両方の集合に属するなら、それを2つの円に別々に入れてはいけません。共有されている中央の領域に1回だけ入れます。
このため、ベン図は二重に数えてしまうミスを防ぐのに役立ちます。
共通部分・和集合・補集合の意味
集合の基本操作は、図の見える部分に対応しています。
- : 重なりの部分だけ
- : どちらかの円で覆われているすべて
- : の中で に入っていないすべて
最後の補集合は、全体集合に依存します。 が変われば、補集合も変わることがあります。
有限集合の個数を数える問題では、重要な公式は次のとおりです。
ここで は、集合 の要素数を表します。共通部分の要素は と の両方で数えられているので、1回引きます。
例題:2つのクラブに所属する生徒
あるクラスに 人の生徒がいるとします。
- 人は美術部に入っている
- 人はチェス部に入っている
- 人は両方の部に入っている
を美術部の集合、 をチェス部の集合とします。
まず重なりの部分から始めます。
次に、重なっていない部分を埋めます。
したがって、少なくともどちらか一方の部に入っている生徒の人数は次のとおりです。
すると、残りは
この問題のよいベン図には、次のように入ります。
- 美術部のみの領域に
- 重なりの部分に
- チェス部のみの領域に
- 2つの円の外側に
この1枚の図で、両方の部、ちょうど1つの部、少なくとも1つの部、どちらでもない、という複数の問いに一度に答えられます。
ベン図でよくある間違い
重なりを2回入れてしまう
人の生徒が両方のグループにいるなら、その を に1回、 に1回と入れてはいけません。共有部分に入れ、そのあと外側の部分を埋めるときに各合計から引きます。
和集合と共通部分を混同する
和集合は、どちらかの集合に入るすべてを意味します。共通部分は、集合どうしで共通しているものだけです。問題文に「両方」とあれば、求めるのは重なりの部分であり、2つの円全体の塗られた部分ではありません。
全体集合を忘れる
「どちらでもない」という言葉や のような記号には、はっきりした全体集合が必要です。 がなければ、外側の領域は完全には定まりません。
図が縮尺どおりだと思い込む
学校の問題では、ベン図は論理的な配置図にすぎないことが多いです。問題文にそう書かれていない限り、円の大きさが正確な数量を表しているとは限りません。
ベン図はどんなときに使うか
ベン図が最も役立つのは、問題に重なりのある分類が含まれているときです。たとえば、基本的な集合論、個数を数える問題、アンケート結果、 や のような事象を使う確率の問題などがあります。
また、論理学でも、領域が命題や分類を表すものとして使われます。本当の価値は円そのものにあるのではありません。解く前に「ここだけ」「あそこだけ」「両方」を分けて考える習慣にあります。
似た問題に挑戦してみよう
次の問題を自分でやってみましょう。あるクラスには 人の生徒がいて、 人が1つのグループに、 人が別のグループに、 人が両方に入っています。まず重なりを埋め、そのあと重ならない2つの領域、和集合、そしてどちらのグループにも入っていない人数を求めてください。