二次不等式では、二次式がある値より大きいか、小さいか、以上か、以下かを満たす の値をすべて求めます。解くときは、まず片方を にそろえ、零点を求め、その零点を使ってどの区間で不等式が成り立つかを判断します。
たとえば を解くとは、式が になる値だけでなく、式を正にするすべての実数を求めることです。
二次不等式の意味
二次不等式は、2次の式と次のような不等号を含むものです。
または
ただし です。
二次方程式との大きな違いは、求めるものにあります。二次方程式では解を求めますが、二次不等式では二次式が より上または下にある区間を求めます。
二次不等式の解き方
零点が重要なのは、符号が変わる可能性がある実数の点がそこだけだからです。零点がわかると、数直線はいくつかの区間に分かれます。各区間では、二次式の符号は正か負のどちらかで一定です。
確実な方法は次のとおりです。
- すべてを片側に移項して、もう片方を にする。
- 因数分解や別の方法で零点を求める。
- 零点で数直線を区切って区間を作る。
- 各区間から1つ値を選んで代入するか、根がはっきりしていればグラフから判断する。
- 不等式を満たす区間を残す。
不等式が や のような厳密不等号なら、零点は含めません。 や のような不等号なら、零点を含めます。
例題:
この二次式はすでに と比較されているので、まず因数分解します。
したがって零点は と です。これらによって数直線は次の3つの区間に分かれます。
各区間から1つずつ値を選んで調べます。
のとき:
したがって は成り立ちます。
のとき:
したがって は成り立ちません。
のとき:
したがって は成り立ちます。
よって解は
区間表示では
となります。もとの不等式は なので、端点の と は含みません。
グラフで素早く確認する方法
二次関数のグラフは放物線です。 の解は、放物線が 軸より上にある の値です。 の解は、放物線が 軸より下にある の値です。
二次式が2つの実数解をもつとき、これは素早い確認方法になります。
- 放物線が上に開くとき、根の外側で正、根の間で負になることが多いです。
- 放物線が下に開くとき、その関係は逆になります。
この見方は、二次式が実数の零点をもつことを前提にしています。実数の零点がなければ、数直線上で符号は切り替わらないので、グラフや最高次の係数から判断する必要があります。
よくある間違い
最も多い間違いは、対応する二次方程式を解いて、根だけを書いて終わってしまうことです。根はたいてい答えそのものではなく、答えの境界です。
もう1つの間違いは、厳密不等号なのに端点を含めてしまうことです。 では、 と を代入すると式は になるので、解集合には入りません。
3つ目の間違いは、答えがいつも根の間にあると思い込むことです。これは、どちらの符号を求めるか、また放物線が上に開くか下に開くかによって変わります。
二次不等式が使われる場面
二次不等式は、代数、グラフ、最適化、そして制約のある応用問題に現れます。1つの正確な答えではなく、条件を満たす入力の範囲が必要なときに役立ちます。
たとえば、高さがある基準より上にある時間帯、利益のモデルが正になる範囲、ある式が許された領域内に収まる条件などを表せます。
類題に挑戦
を解いてみましょう。まず因数分解し、零点を数直線にとり、区間を調べる前に端点を含めるかどうかを判断します。別の方法でも確かめたいなら、区間での答えをグラフと比べて、2つの方法が一致するか見てみましょう。