導関数の応用は、ふつう2つの中心的な考え方にまとめられます。1つは を使って瞬間変化率を測ること、もう1つは を使って量が最大または最小になる場所を見つけることです。何かが今この瞬間にどれくらいの速さで変化しているか、あるいは値がいつ最も大きいか小さいかを問う問題では、たいてい導関数が必要な道具になります。
最初から大事な条件が1つあります。閉区間での絶対最大値または絶対最小値を求める問題では、臨界点と端点を比較しなければなりません。 となる点だけを調べても十分ではありません。
導関数は何に使うのか
導関数 は、ある特定の点で入力が変化したときに出力がどう変わるかを表します。この1つの考え方が、微積分のいくつかの基本的な場面に現れます。
- グラフでは、接線の傾きを与えます。
- 運動では、位置の変化率として速度を与えることがあります。
- 最適化では、ある量が増加から減少へ、または減少から増加へ切り替わる場所を見つけるのに役立ちます。
幾何、物理、経済、工学で文脈は変わっても、中心となる問いは同じです。ある量が変わるとき、別の量はどう応答するのか、ということです。
導関数で極大・極小を見つける方法
局所最大は、その点での関数値が近くの値より大きい点です。局所最小は、近くの値より小さい点です。こうした点はしばしば臨界点で起こります。臨界点とは、 である点、または は定義されているのに が存在しない点のことです。
なぜ が重要なのでしょうか。滑らかな折り返し点では接線が水平になり、傾きが になるからです。
ただし、すべての臨界点が極値になるわけではありません。関数がいったん平らになっても、そのまま同じ向きに進み続けることがあります。だから通常は、その点の前後で の符号が変わるかを調べます。
- 正から負へ:局所最大
- 負から正へ:局所最小
その点の近くで関数が2回微分可能なら、二階導関数も役立ちます。
- なら、その場所でグラフは上に凸ではなく下に凸なので、その点は局所最大を示します
- なら、その場所でグラフは上に凸なので、その点は局所最小を示します
二階導関数による近道が使えるのは、それが存在し、しかも臨界点で でないときだけです。 なら、別の判定法が必要です。
例題:導関数を使って最高点を求める
ボールの高さが次の式で表されるとします。
ここで はメートル、 は秒です。このようなモデルが意味をもつのは、ボールが実際に空中にある時間区間だけです。
ステップ1:関数を微分する
この導関数は、高さの時間に関する瞬間変化率を表します。この文脈では、単位はメートル毎秒の鉛直速度です。
ステップ2:変化率が 0 になるときを求める
導関数を 0 にします。
では鉛直速度が です。したがって、ここは最大または最小の候補になります。
ステップ3:最大か最小かを確かめる
より前では導関数は正なので、高さは増加しています。 より後では導関数は負なので、高さは減少しています。
この符号変化から、ボールは で最大の高さに達するとわかります。
ステップ4:元の関数の値を求める
を元の関数に代入します。
したがって、最高点は メートルです。
この例では、2つの主な応用が同時に表れています。
- は変化率を与える
- とおくことで、高さが最大になる時刻を見つけられる
導関数の応用でよくあるミス
- のすべての解を、周りの様子を確かめずに最大値または最小値だと決めつけること。
- 閉区間での絶対最大値・絶対最小値を問われているのに、端点を忘れること。
- 元の関数とその導関数を混同すること。導関数は極値が起こる場所を教えてくれますが、実際の最大値・最小値は元の関数から求めます。
- 単位を無視すること。位置がメートル、時間が秒なら、導関数の単位はメートル毎秒です。
- 物理的に意味のある区間の外でモデルを使ってしまうこと。
導関数の応用はどこで使うのか
初歩の微積分では、導関数は曲線の概形、接線、運動、最適化に使われます。科学や工学では、速度、加速度、熱の流れ、電流、成長のような変化する系を表します。経済学では、限界費用や限界収益のように、やはり変化率である量を表すことができます。
似た導関数の問題に挑戦してみよう
次の関数で自分でも試してみましょう。
を求め、臨界点を見つけ、それが極大か極小かを判断し、その点での関数値を計算してください。そのあと別の例も見てみたいなら、関連率 のページで、2つの変化する量が結び付いているときに同じ導関数の考え方がどう使われるかを確認できます。