代数分数とは、分子、分母、またはその両方に文字を含む分数のことです。扱い方はふつうの分数とよく似ていますが、どの計算も分母が 0 にならない値に対してだけ成り立ちます。

たとえば、x+3x2\frac{x+3}{x-2}x2x \ne 2 のときにだけ定義されます。この制限は最初から重要です。途中の計算で因数が約分されたとしても、もとの分母を 0 にする値は引き続き除外されます。

代数分数の意味

代数分数は、多くの教科書では有理式とも呼ばれます。数の分数との大きな違いは、式を因数分解するまで共通因数が見えないことが多い点です。

ここで間違いが起こりやすくなります。共通因数は約分できますが、和の一部だけを約分することはできません。したがって、

x+2x\frac{x+2}{x}

は、分子の一方の項だけから xx を「消して」簡単にはできません。

代数分数を約分する方法

代数分数を約分するには、次の手順で進めます。

  1. 分母を 0 にする値を見つける。
  2. できるなら分子と分母を因数分解する。
  3. 分子と分母の両方にある因数だけを約分する。
  4. 最後の答えにも、もとの制限を残しておく。

たとえば、

x29x23x=(x3)(x+3)x(x3)\frac{x^2-9}{x^2-3x} = \frac{(x-3)(x+3)}{x(x-3)}

となります。

ここで共通因数 (x3)(x-3) を約分できるので、

x29x23x=x+3x\frac{x^2-9}{x^2-3x} = \frac{x+3}{x}

です。

ただし、もとの分母から x0x \ne 0 および x3x \ne 3 であることがわかります。約分後の形は短くなりますが、制限はもとの式から決まります。

代数分数を足す方法

代数分数の足し算は、ふつうの分数の足し算と同じです。まず分母をそろえます。

分母がすでに同じなら、分子だけを足します。

ad+bd=a+bd\frac{a}{d} + \frac{b}{d} = \frac{a+b}{d}

分母が異なるときは、先に共通分母を使ってそれぞれの分数を書き直してからまとめます。先に因数分解すると、最小公分母が見つけやすくなることが多いです。

計算例:まず約分してから足す

次を約分してから足します。

x21x2x+1x\frac{x^2-1}{x^2-x} + \frac{1}{x}

まず最初の分数を因数分解します。

x21x2x=(x1)(x+1)x(x1)\frac{x^2-1}{x^2-x} = \frac{(x-1)(x+1)}{x(x-1)}

次に共通因数 (x1)(x-1) を約分します。

x21x2x=x+1x\frac{x^2-1}{x^2-x} = \frac{x+1}{x}

したがって、式全体は

x+1x+1x\frac{x+1}{x} + \frac{1}{x}

となります。

分母はすでに同じなので、分子を足します。

x+1+1x=x+2x\frac{x+1+1}{x} = \frac{x+2}{x}

最終結果は

x+2x\frac{x+2}{x}

です。

ただし、もとの制限は x0x \ne 0x1x \ne 1 です。x=1x=1 は約分後に見えなくなっても、もとの分母を 0 にしていたので引き続き除外されます。

代数分数を割る方法

割り算では、もう 1 つ操作が増えます。2 つ目の分数の逆数をかけます。

AB÷CD=ABDC\frac{A}{B} \div \frac{C}{D} = \frac{A}{B} \cdot \frac{D}{C}

この変形が成り立つのは、B0B \ne 0D0D \ne 0、さらに 0 で割ることはできないので C0C \ne 0 のときだけです。

たとえば、

xx+1÷2x\frac{x}{x+1} \div \frac{2}{x}

xx+1x2=x22(x+1)\frac{x}{x+1} \cdot \frac{x}{2} = \frac{x^2}{2(x+1)}

となります。

制限は x1x \ne -1x0x \ne 0 です。ここでは x0x \ne 0 が 2 つの意味で重要です。2x\frac{2}{x} の分母を 0 にしないためであり、割る数そのものが定義されなくなるのも防いでいます。

代数分数でよくある間違い

因数ではなく項を約分してしまう

次の式では (x1)(x-1) は約分できます。

(x1)(x+2)x(x1)\frac{(x-1)(x+2)}{x(x-1)}

しかし、次の式で xx を約分することはできません。

x+2x\frac{x+2}{x}

なぜなら、x+2x+2 は 1 つの因数ではなく和だからです。

除外される値を忘れる

約分したあとで、新しい分母から出る制限だけを残してしまうことがよくあります。すると情報が失われます。制限は約分後の式だけでなく、もとの式から決まります。

分母が違うのに早く足してしまう

1x+1x+1\frac{1}{x} + \frac{1}{x+1}

22x+1\frac{2}{2x+1}

ではありません。

分子を足す前に、共通分母が必要です。

代数分数が使われる場面

代数分数は、たくさんの公式が式どうしの比になっているため、代数のさまざまな場面に現れます。有理式の整理、方程式を解くこと、速さや割合の問題、有理関数の学習などで出てきます。

あとで学ぶ内容がもっと難しくなっても、基本の考え方は同じです。分母に注意し、早めに因数分解し、完全な因数だけを約分しましょう。

似た問題に挑戦してみよう

まず

x2+5x+6x2+2x\frac{x^2+5x+6}{x^2+2x}

を約分してみましょう。そのあとで、結果に 1x\frac{1}{x} を足してみてください。同じ考え方をもう一度確かめたいなら、因数を変えた自分の式でも試して、約分後に除外される値が変わるかどうかを見てみましょう。

問題の解き方でお困りですか?

問題をアップロードすると、検証済みのステップバイステップ解答が数秒で届きます。

GPAI Solver を開く →