絶対値とは、数直線上で 00 からどれだけ離れているかを表すものです。実数に対しては、x|x| は常に 00 以上になります。

そのため、5=5|5| = 5 であり、5=5|-5| = 5 です。これらの数は 00 の反対側にありますが、00 からの距離は同じです。

絶対値の定義

実数 xx に対して、

x={x,x0x,x<0|x| = \begin{cases} x, & x \ge 0 \\ -x, & x < 0 \end{cases}

となります。

これは、絶対値が「何でも正の数にする」という意味ではありません。00 以上の数はそのままで、負の数だけ符号を変えます。

距離として考える

いちばんわかりやすい考え方は、距離としてとらえることです。x|x| を見たら、「xx から 00 までの距離」と考えましょう。

同じ考え方で、ab|a-b| のような式も説明できます。これは数直線上での aabb の間の距離です。

たとえば、

27=5=5|2 - 7| = |-5| = 5

なので、2277 の距離は 55 です。

絶対値の基本性質

よく使う性質は次のとおりです。

  1. 任意の実数 xx について、x0|x| \ge 0
  2. x=0|x| = 0 となるのは x=0x = 0 のときだけ。
  3. x=x|-x| = |x|
  4. 実数 aa, bb について、ab=ab|ab| = |a||b|
  5. b0b \ne 0 なら、ab=ab\left|\frac{a}{b}\right| = \frac{|a|}{|b|}

最後の性質では b0b \ne 0 という条件が重要です。00 で割ることは定義されていないからです。

例題:x3=5|x - 3| = 5 を解く

この方程式は、33 からの距離が 55 である数を求める問題です。

ある数が 33 の右に 55 だけあるなら、

x3=5x - 3 = 5

したがって、

x=8x = 8

となります。

ある数が 33 の左に 55 だけあるなら、

x3=5x - 3 = -5

したがって、

x=2x = -2

となります。

よって、解は

x=8orx=2x = 8 \quad \text{or} \quad x = -2

です。

このように2つの場合に分ける考え方が、いちばん大切なパターンです。u=k|u| = kk>0k > 0 のときは、u=ku = ku=ku = -k の両方を解きます。

絶対値でよくあるミス

よくあるミスの1つは、x|x| が負になると思ってしまうことです。これは誤りです。実数では、絶対値は常に 00 以上です。

もう1つのよくあるミスは、場合分けを1つしか考えないことです。上の例で x=8x = 8 だけで止めると、33 から同じく 55 離れたもう1つの点を見落としてしまいます。

また、x|-x|x-|x| を混同する人もいます。これらは同じではありません。実際、x=x|-x| = |x| ですが、x-|x|00 以下です。

絶対値が使われる場面

絶対値は、向きよりも大きさが重要なときに現れます。

数直線上の距離、目標値からの誤差やずれ、方程式や不等式、向きを無視して大きさだけを残したい公式などで使われます。さらに数学が進むと、座標幾何、微積分、複素数でも登場しますが、正確な意味は場面によって少し変わります。

u=k|u| = k 型の方程式の確認ポイント

u=k|u| = k のような方程式を見たら、まず右辺を確認しましょう。

k<0k < 0 なら、絶対値が負の数になることはないので実数解はありません。k=0k = 0 なら、中身が 00 でなければなりません。k>0k > 0 なら、2つの場合を考えるのが基本です。ただし、両方の場合が同じ値になることもあります。

似た絶対値の問題に挑戦

x+4=9|x + 4| = 9 を解いてみましょう。これは「4-4 からの距離が 99」と読めます。そこから対応する2つの場合を書いてください。解けたら、両方の答えを元の方程式に代入して確かめてみましょう。

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