血液型とは、赤血球の表面にある抗原と呼ばれる目印にもとづいて赤血球を分類したものです。多くの学生が最初に学ぶべき2つの分類はABO式とRh因子で、これらを組み合わせると A+、O-、AB+ のような一般的な血液型になります。
赤血球輸血では、基本ルールはシンプルです。受血者が反応しそうな抗原をもつ供血者の赤血球は入れないことです。このページでは、この単純化した赤血球輸血モデルを使います。というのも、血漿輸血や実際の病院での判断は、もっと細かく複雑だからです。
ABO式血液型の概要
ABO式では、赤血球が A抗原、B抗原、その両方、またはどちらももたないかによって、血液を4つの主な型に分けます。
| 血液型 | 赤血球上の抗原 | 単純化した血漿中の抗体 |
|---|---|---|
| A | A | 抗B抗体 |
| B | B | 抗A抗体 |
| AB | A と B | 抗A抗体も抗B抗体もない |
| O | A も B もない | 抗A抗体と抗B抗体 |
この表を見ると、全体のパターンがすぐにわかります。A抗原をもっていれば A型、A と B の両方をもっていれば AB型、どちらももっていなければ O型です。
抗体の欄は単純化していますが、なぜ適合する供血者・受血者の組み合わせと、そうでない組み合わせがあるのかを説明するのに役立ちます。
Rh因子:陽性と陰性
初学者向けの生物では、Rhという表示は通常D抗原を指します。
- Rh陽性は、D抗原があることを意味します。
- Rh陰性は、D抗原がないことを意味します。
つまり、各ABO型はさらに分かれます。たとえば A型は A+ にも A- にもなります。
単純化した赤血球適合性モデルでは、Rh陰性の受血者には通常 Rh陽性の赤血球は輸血しません。一方、Rh陽性の受血者は、ABO型も適合していれば、通常 Rh陽性または Rh陰性の赤血球を受け取れます。
赤血球の血液型適合ルール
赤血球輸血では、まず1つの問いを立てます。供血者の赤血球は、受血者が避けるべき抗原をもっているか、ということです。
もし答えが「はい」なら、その供血者・受血者の組み合わせは、単純化した表では通常不適合です。もし「いいえ」なら、適合する可能性があります。
このため、ABO式では O型の赤血球が重要です。A抗原も B抗原ももたないからです。また、単純化したABOモデルで AB型の受血者が特殊なのもこのためです。抗A抗体も抗B抗体ももたないからです。
例題:A- の患者は O+ の血液を受けられるか
単純化した赤血球輸血モデルを使います。
A- の患者は、次の特徴をもちます。
- 赤血球に A抗原がある
- Rh D抗原がない
- 単純化したABOモデルでは抗B抗体をもつ
O+ の供血者の赤血球は、次の特徴をもちます。
- A抗原がない
- B抗原がない
- Rh D抗原がある
ABOの部分だけを見ると問題なさそうです。O型の赤血球は A抗原も B抗原も持ち込まないからです。しかし問題はRhの部分です。O+ の血液は D抗原をもっており、A- の受血者は、単純化したルールでは一般に Rh陽性の赤血球を避けるべき人として扱われます。
したがって、この単純化モデルでは、A- の患者には通常 O+ の赤血球は輸血すべきではありません。基本的な適合表では、A- または O- が通常の適合候補になります。
この例のポイントは、ABOの適合性だけでは十分ではないということです。Rhによって答えが変わることがあります。
血液型でよくある間違い
赤血球の適合性と血漿の適合性を混同する
適合表は、何を投与するかによって変わります。このページの単純化したルールは赤血球輸血のためのものであり、血漿輸血のものではありません。
どんな場合でも O- が万能だと考える
単純化した学習用の表では、O- の赤血球は最も広く使える供血選択肢として扱われることがよくあります。しかし実際の輸血では、検査データ、患者の既往歴、交差適合試験も用います。
RhはABOに追加される条件だということを忘れる
ABOが適合していても、Rhの表示が臨床状況に合わなければ不適切になることがあります。
ABO式とRh式だけが存在する血液型システムだと思い込む
これらは最もよく知られたシステムですが、それだけではありません。実際の輸血医療では、必要に応じて他の血液型抗原も考慮します。
ABO式とRh式の血液型が重要になる場面
血液型は、輸血医療、献血、妊娠管理で重要です。たとえば、Rh陰性の妊婦が Rh陽性の胎児赤血球にさらされる可能性がある場合、Rhの状態は特に重要になります。教育の場では、血液型は表面抗原、抗体、適合ルールが実際の生物学とどう結びつくかを示す題材にもなります。
似た適合性の問題に挑戦してみよう
B+ の受血者と、2人の候補供血者 B- と AB+ を使って、自分で考えてみましょう。毎回同じ2つの問いを立てます。供血者の赤血球にはどの抗原があるか、そしてそのうちどれが受血者に問題を起こしうるか、です。
このあと関連するテーマを学ぶなら、hematology も見てみましょう。