u置換は、 のような式に対する標準的な積分法です。内側の式を とおき、対応する導関数の部分を に置き換えることで、積分をより簡単な形に変えます。
ある関数が別の関数の中にはっきり入っていて、その内側の式の導関数もそのまま、または 0 でない定数倍の違いで現れているときに使います。
u置換とは何か
基本の形は次です。
ここで とおくと、 なので、積分は
となります。
これが考え方のすべてです。複雑な内側の式を 1 つの変数にまとめることで、原始関数を見つけやすくなります。
u置換が使えると見抜く方法
u置換は、被積分関数に合成関数の構造がはっきり見えるときに特に有効です。平たく言えば、ある関数が別の関数の中に入っていて、その内側の導関数の形もどこかに現れています。
よくある形には、 のようなべき、 のような根号、 のような指数関数、 のような三角関数があります。
内側の式の導関数がまったく現れていないなら、置換してもあまり役に立たないことがあります。0 でない定数倍だけずれているなら、先に定数をくくり出したり掛けたりして調整できることがよくあります。
例題:
次を求めます。
分母には内側の式 があり、その導関数は です。分子はその半分だけなので、置換には十分です。
とおくと、
したがって、
です。
積分を書き換えると、
となります。
あとは積分して、
最後に元に戻すと、
です。
ここではすべての実数 に対して なので、 と書いて問題ありません。
なぜu置換が成り立つのか
微分の連鎖律では、外側の関数を微分すると内側の導関数の因子が現れます。u置換はその考え方を逆向きに使う方法です。内側の式を 1 つの記号にまとめ、導関数の部分を対応する微分として扱います。
だからこの方法は、ただの当てはめではありません。連鎖律を構造的に逆にたどっているのです。
u置換でよくあるミス
- 導関数が本当に現れているか確かめずに を選んでしまうこと。対応する導関数がなければ、置換しても簡単にならないことがあります。
- 定数倍の調整を忘れること。上の例では、 を使うのに を無視すると答えが間違います。
- 置換後に変数を混ぜてしまうこと。 で書き換えたら、元に戻すまでは積分全体を だけで統一するべきです。
- 不定積分で を書き忘れること。
- 定積分で変数を のままにしているのに、積分区間だけ古い のまま使ってしまうこと。 で積分するなら、区間も の値に変えなければなりません。
定積分でのu置換
定積分では、最後の処理の仕方は正しく 2 通りあります。
1 つは、先に に戻してから元の積分区間を使う方法です。もう 1 つは、 のまま計算を進め、すぐに積分区間も変える方法です。
たとえば、
で とおくと、新しい区間は から なので、
となります。
大事なのは一貫性です。 と の積分区間を混ぜてはいけません。
u置換はどこで使われるか
u置換は、微積分で最初に学ぶ主要な積分テクニックの 1 つです。多くの原始関数は、そのままでは公式に当てはまらなくても、書き換えると見えるようになるからです。
基本的な微積分の授業だけでなく、微分方程式、確率、物理、工学でも、ある量が内側の式とその変化率から自然に作られている場面で現れます。
似たu置換の問題に挑戦してみよう
次を試してみてください。
すぐに調べる前に自分で解いてみましょう。 とおけば、積分はすぐに簡単になるはずです。解き終わったら、最後の答えがちゃんと に戻っているか、定数倍を正しく扱えたかを確認してください。