組立除法は、多項式を の形の一次式で割るときの計算の近道です。多項式の筆算のように式をすべて書かず、係数だけを使って進めるので、割る式がその形のときはより速く計算できます。
この条件は重要です。標準的な組立除法が使えるのは、 や のように、実際に と書ける除式です。その形でないなら、無理にこの方法を使わないでください。
組立除法が使える場合
組立除法は、除式が一次式で、しかも と書けるときに使います。たとえば 、、 がこれに当たります。
除式が のような形なら、通常の組立除法はそのままでは使えません。その場合は、多項式の筆算を使うか、注意して式を変形してから考えます。
数の意味
多項式 を で割るとします。組立除法では、その問題を、数 と の係数を使った「かけて足す」操作の繰り返しに置き換えます。
最後の数は余りです。それより前に並ぶ数は、すべて商の係数です。余りの定理より、その最後の数は にもなります。
組立除法のやり方
準備は次のとおりです。
- 左に数 を書く。
- 多項式の係数を、 の次数が高い順に並べる。
- 欠けている次数があれば、その係数として を入れる。
- 最初の係数をそのまま下ろす。
- それに をかけ、結果を次の係数の下に書いて足す。
- 最後までこれを繰り返す。
項が抜けているとき、 は省略できません。これによって各次数が正しく対応します。
組立除法の例
を で割ります。
除式が なので、 を使います。係数は 、、、 です。
では、「かけて足す」操作を進めます。
- 最初の係数 を下ろす。
- に をかけて を得て、 に足して 。
- に をかけて を得て、 に足して 。
- に をかけて を得て、 に足して 。
したがって、下の段は 、、、 です。商の係数は 、、 で、余りは です。
よって、商は
で、余りは です。したがって
となり、割り算の結果は
とも書けます。
なぜ組立除法を使うのか
組立除法は、 でより手早く割り算したいとき、因数になりそうか確かめたいとき、または余りをすぐ求めたいときに便利です。
この方法は、余りの定理や因数定理と一緒に出てくることがよくあります。余りが なら、 はその多項式の因数です。
組立除法でよくあるミス
符号を間違える
除式が なら使う数は です。除式が なら使う数は です。これは だからです。
抜けている項を忘れる
を割るとき、係数の並びは ではありません。正しくは
です。 の項が抜けているからです。
使えない除式にこの方法を使う
基本の組立除法は の形に対するものです。除式が のような形なら、左に を書いてそのまま続けてはいけません。修正版のやり方を知っている場合を除き、別の方法を使いましょう。
最後の数の意味を取り違える
最後の数は余りであって、商の係数がもう1つあるわけではありません。
どんなときに出てくるか
組立除法は、次のような場面で出てきます。
- 多項式を で割る
- 一次式が因数かどうかを確かめる
- 余り を求める
- この特別な場合に、筆算より速い方法を使いたい
似た問題に挑戦
を で組立除法を使って割ってみましょう。次に、余りを使って が因数かどうかを判断してください。もう1問やるなら、同じ多項式を で割って、余りを比べてみましょう。