無理根号式(サード)とは、簡単化してもなお無理数のままである根号を含む式のことです。代表的な例は や です。無理根号式を扱うときは、まず簡単化し、同類のものだけをまとめ、分母に根号が残る場合は有理化します。
無理根号式が重要なのは、正確な値を保てるからです。たとえば は、 のような丸めた小数よりも正確です。
無理根号式とは何か
根号が有理数に簡単化できるなら、通常それは無理根号式とはみなしません。たとえば
なので、 は簡単化すると無理根号式ではありません。
一方で
は有理数に簡単化できないので、無理根号式です。
同じ考え方は 、、 のような式にも当てはまります。これらは、簡単化してもなお無理数である正確な根号式です。
無理根号式を簡単化する方法
無理根号式を簡単化するには、根号の中に完全平方数の因数がないかを探します。
たとえば
となります。
目標は、完全平方数を根号の外に出し、平方数でない部分だけを中に残すことです。
根号の中の数に より大きい完全平方数の因数がなければ、その無理根号式はすでに簡単化されています。
無理根号式の加法と減法
無理根号式は、同類の無理根号式である場合にだけ加減できます。つまり、簡単化したあとの根号部分が同じでなければなりません。
たとえば
は、そのままではまとめられません。まずそれぞれを簡単化します。
また
です。
これで両方の項の根号部分が同じになったので、
となります。
大事なパターンはこれです。まず簡単化し、そのあと根号部分が一致していれば係数をまとめます。
例題:簡単化して、足して、さらに有理化する
次を簡単化します。
まず分子を簡単化します。
また
なので、分数は
となります。
次に、分子と分母に をかけて分母を有理化します。
したがって、簡単化した結果は
です。
この1つの例で、全体の流れがわかります。各無理根号式を簡単化し、同類項をまとめ、最後に分母を有理化します。
分母を有理化する方法
分母の有理化とは、分数の値を変えずに、分母から根号を取り除くことです。
分母が1つの無理根号式なら、分子と分母にその無理根号式をかけます。たとえば
となります。
分母が のように2項からなる場合は、共役な式 を使います。これは
となり、 には無理根号式の項が残らないからです。
無理根号式でよくある間違い
簡単化する前に足してしまう
と は一見すると同類には見えませんが、簡単化すると と になります。簡単化の手順を飛ばすと、まとめられることを見落としやすくなります。
同類でない無理根号式をまとめる
一般に
です。
係数をまとめられるのは、簡単化した根号部分が同じ場合だけです。
和の中に根号を分配する
一般に
です。
たとえば ですが、 であり、 とは等しくありません。
根号を誤って約分する
次の式では
根号の中の数が異なるので、平方根どうしを約分することはできません。正しく簡単化するか、分母を有理化する必要があります。
無理根号式が使われる場面
無理根号式は、完全平方数でない数の平方根を含む正確な値が現れるときに登場します。よく出てくるのは、図形、ピタゴラスの定理、二次方程式、三角比、代数的な簡単化などです。
特に、小数近似よりも正確な形が大切なときに役立ちます。たとえば、一辺の長さが の正方形の対角線は、近似小数ではなく です。
無理根号式の問題のチェックリスト
無理根号式を扱うときは、次のことを確認しましょう。
- すべての無理根号式を先に簡単化したか。
- 足したり引いたりする前に、本当に同類項になっているか。
- 分数なら、分母にまだ根号が残っていないか。
- 問題で小数を求められていない限り、答えを正確な形のままにしているか。
この4つを確認すれば、よくあるミスの多くを防げます。
似た問題に挑戦してみよう
次を簡単化してみましょう。
同じ順序で進めます。各無理根号式を簡単化し、同類項をまとめ、そのあと有理化が必要かどうかを確認します。手順を示すソルバーを使うなら、最後の答えだけでなく、各代数操作の段階も比べてみましょう。