音波は、空気、水、固体などの物質中を伝わる振動です。手早く全体像をつかむなら、振動数、波長、速さの3つに注目しましょう。これらは次の関係で結ばれています。
ここで、 は波の速さ、 は振動数、 は波長です。dB と書くデシベルは、音がどれだけ速く伝わるかを示すものではありません。音のレベルを対数スケールで表す量です。
音波とは何か
音波には媒質が必要です。気体、液体、固体の中は伝わりますが、真空中は伝わりません。媒質の粒子が音源から耳までそのまま移動するわけではありません。粒子はつり合いの位置のまわりで振動し、その乱れが媒質中を進んでいきます。
空気中では、スピーカーの振動板が外側へ動くと圧縮が生じます。内側へ動くと、希薄と呼ばれる低圧の領域が生じます。この繰り返す圧力のパターンが音を運びます。
音波で特に重要な性質
振動数。 振動数は、1秒間に何回振動が起こるかを表します。単位はヘルツで、 です。振動数が高いほど、ふつうは音の高さも高くなります。
波長。 波長は、連続する周期の中で対応する点どうしの距離です。たとえば、ある圧縮から次の圧縮までの距離がそれにあたります。
振幅。 振幅は、圧力変化や粒子の動きの大きさに関係します。振幅が大きいほど、ふつうは音はより強くなります。
速さ。 速さは、その乱れが媒質中をどれだけ速く進むかを表します。これは主に媒質とその状態によって決まります。
これらの考え方は互いにつながっています。速さが一定のままで振動数が増えると、波長は短くならなければなりません。
音速を決めるもの
音速は普遍定数ではありません。物質の種類や、多くの場合は温度のような条件に依存します。
約 の乾燥した空気中では、音速はおよそ
です。
この値は、その条件での近似値にすぎません。空気が暖かいほど、音はより速く伝わります。液体や多くの固体では、媒質が圧縮をより効率よく伝えるため、音は空気中より速く伝わるのが一般的です。
初歩的な問題では、音速が与えられるか、標準的な近似値を使うよう指示されることが多いです。その値が決まれば、 が中心となる関係式です。
例題:音波の波長を求める
音叉が、約 の空気中で振動数 の音を出しているとします。音速は を使います。波長はいくらでしょうか。
まず
から始めます。
値を代入すると、
となり、
です。
したがって、波長は約 です。
この例は、基本的なトレードオフをはっきり示しています。同じ媒質中では速さは一定なので、振動数を上げると波長は短くなります。振動数が2倍になれば、波長は半分になります。
音におけるデシベルの意味
デシベルは、音のレベルを対数スケールで表します。音の強さのレベルについては、よく使われる定義として
があります。
ここで、 は音の強さ、 は基準となる強さです。
重要なのは対数であるという点です。デシベルの変化は、強さの線形な変化を意味しません。音の強さが 倍になると、レベルは 増加します。
だからこそ、デシベルの値を使うと、非常に広い範囲の音の強さを巨大な数を使わずに表せます。同時に、dB をふつうの線形な測定値のように扱ったり、波の速さの比較に使ったりしてはいけない理由でもあります。
音波でよくある間違い
音は真空中を伝わると思ってしまう
伝わりません。音には物質の媒質が必要です。
大きい音ほど速く進むと思ってしまう
通常の波の問題では、大きい音とは振幅が大きいことを意味し、波の速さが大きいことではありません。
振動数と速さを混同する
振動数は音源によって決まります。速さは媒質とその状態によって決まります。音が別の媒質に入ると、振動数は同じままで、波長はふつう変化します。
デシベルを線形スケールだと考える
dB スケールは対数スケールです。dB の数値が少し変わるだけでも、強さには大きな物理的変化が対応することがあります。
音波が使われる場面
音波の考え方は、音楽、室内音響、超音波画像診断、ソナー、地震学、スピーカー設計、騒音制御などで重要です。繰り返し現れる基本的な問いは同じです。波はどれくらいの速さで進むのか、波長は何で決まるのか、どれくらい強いのか、そして媒質が変わると観測されるものはどう変わるのか、ということです。
似た問題に挑戦してみよう
自分で試すなら、 の音はそのままにして空気の温度の仮定を変えるか、同じ速さのままで別の振動数を選んでみましょう。そうすると、どんなときに波長が変わり、どんなときに変わらないのかを簡単に確かめられます。