弾性は、材料が荷重を受けてどのように変形し、その後荷重を取り除くとどのように元の形に戻るかを説明する考え方です。これは材料が弾性範囲内にある場合にだけ成り立ちます。荷重が大きすぎると材料は永久変形し、単純な弾性の式は使えなくなります。
単純な引張りや圧縮の問題では、主に次の4つの考え方が重要です。
- 応力
- ひずみ
- ヤング率
- フックの法則
この4つのつながりがわかると、初歩的な弾性の問題はかなり解きやすくなります。
弾性とは何か
棒、ワイヤー、またはロッドを引っ張ると、普通は少し長くなります。強く引っ張るほど、より大きく伸びます。弾性では、実用上次の2つの問いを考えます。
- 材料の内部にはどれだけの荷重が生じているか。
- 材料は実際にどれだけ変形するか。
最初の問いに答えるのが応力です。2つ目の問いに答えるのがひずみです。材料が線形にふるまうとき、ヤング率がその2つを結びつけます。
応力とひずみ
一様な引張りまたは圧縮を受ける単純な棒では、応力は断面積あたりの力です。
ここで は加えた力、 は断面積です。応力のSI単位はパスカルで、 です。
ひずみは、長さの変化の割合を表します。
ここで は元の長さ、 は長さの変化です。ひずみは比なので単位をもちません。
この違いは重要です。応力は面積あたりの内部荷重を表します。ひずみは、その荷重によって生じる相対的な変形を表します。
ヤング率は剛性を表す
線形弾性範囲では、応力とひずみは比例します。
この比例定数 が ヤング率 です。単純な引張りや圧縮で、あるひずみを生じさせるのにどれだけの応力が必要かを表します。
が大きいほど、その荷重条件で材料はより剛くなります。同じ応力でも、ひずみは小さくなります。ただし、それは自動的に壊れにくいことを意味しません。剛性と強度は別の材料特性です。
フックの法則が成り立つとき
フックの法則とは、線形弾性範囲内では変形が荷重に比例するという考え方です。
ばねでは、復元力の形でしばしば次のように書かれます。
線形弾性領域にある引き伸ばされた棒やワイヤーでは、対応する材料の式は
となります。
これらは密接に関係した考え方ですが、記号まで完全に同じ式ではありません。どちらも同じ条件に依存しています。つまり、比例関係がまだよい近似になっていることが必要です。
例題:応力・ひずみ・伸びを求める
ある金属棒について、次の値が与えられているとします。
- 元の長さ
- 断面積
- ヤング率
- 加えた引張力
棒が線形弾性範囲内にあると仮定して、応力、ひずみ、伸びを求めます。
まず応力を求めます。
次に、ヤング率を使ってひずみを求めます。
そして長さの変化を求めます。
したがって、棒の伸びは
です。
この例は、考える順序が大切であることを示しています。
- 力と面積から応力を求める
- 応力とヤング率からひずみを求める
- ひずみと元の長さから伸びを求める
弾性の問題でよくあるミス
応力を単なる力だと考えてしまう
面積も変われば、力が大きいからといって応力も自動的に大きくなるわけではありません。応力は力と面積の両方に依存します。
ひずみに単位があると思ってしまう
ひずみは や のような比です。ニュートンやパスカルで測る量ではありません。
成り立つ範囲を超えてフックの法則を使う
材料が線形弾性のふるまいを超えているなら、 はもはやうまく表せないかもしれません。永久変形が見られるなら、それは単純なモデルが破綻しているサインです。
ヤング率が大きいほど「強い」と思い込む
が大きい材料は、同じ応力に対して変形しにくい、つまり剛性が高いということです。強度は、降伏や破断の前にどれだけの応力に耐えられるかに関係し、別の問題です。
弾性が使われる場面
弾性は、構造設計、ばね、機械部品、振動制御、材料試験、そして小さな変形が性能に影響するあらゆる場面で重要です。たとえば、同じような荷重でも鋼の定規は少ししか曲がらず、ゴムの帯はずっと大きく伸びる理由を説明できます。
実用上の価値はシンプルです。弾性を使えば、材料が少しだけ変形するのか、大きく変形するのか、あるいは安全な線形範囲を完全に外れてしまうのかを予測できます。
類題に挑戦してみよう
同じ棒を使って、力を2倍にしてみましょう。材料がまだ線形弾性範囲内にあるなら、応力、ひずみ、伸びもすべて2倍になります。
自分の数値で段階的なフィードバックがほしい場合は、GPAI Solver で同様の弾性の問題を試してみてください。