幾何における変換とは、図形の各点を新しい点へ移す規則のことです。最初に学ぶ主な変換は、平行移動、回転、対称移動、拡大縮小の4つです。
手早く見分けるなら、平行移動はずらす、回転は回す、対称移動はひっくり返す、拡大縮小は大きさを変える、ということです。平行移動、回転、対称移動は大きさと形を保ちます。拡大縮小は形は保ちますが、拡大率が でない限り大きさは変わります。
それぞれの変換がすること
平行移動は、すべての点を同じ向きに同じ距離だけ動かします。回転も反転も起こりません。
回転は、回転の中心と呼ばれる固定点のまわりに図形を回します。角度と回す向きが重要です。
対称移動は、対称の軸と呼ばれる直線に関して図形を反転させます。各点は、その直線をはさんで垂直方向に同じ距離の位置へ移ります。
拡大縮小は、固定された中心から拡大率にしたがって図形を大きくしたり小さくしたりします。 なら像は大きくなります。 なら像は小さくなります。
安心して使える座標の規則
これらの近道の規則は、書かれている条件のときだけ使えます。中心や対称の軸が変われば、座標の規則も変わります。
だけ平行移動するなら、
原点を中心に回転するなら、
対称移動では、
原点を中心に拡大率 で拡大縮小するなら、
1つの例で確認:同じ点に4つの変換をするとどうなるか
点 を使って、毎回どこが変わるのかをはっきり見てみましょう。
これを だけ平行移動するなら、その値を座標に足します。
これを原点を中心に 反時計回りに回転するなら、 を使います。
これを 軸に関して対称移動するなら、 座標の符号を変えます。
これを原点を中心に拡大率 で拡大縮小するなら、両方の座標を 倍します。
この1つの例だけでも、主な違いがすぐにわかります。
- 平行移動は位置を変える
- 回転は中心のまわりで向きを変える
- 対称移動は直線に関して図形を反転させる
- 拡大縮小は拡大率によって大きさを変える
多角形でも考え方は同じです。各頂点を変換し、その後、同じ順序で結び直します。
いちばん速い見方:何が固定されているかを考える
何が固定されているかを考えると、変換はずっと見分けやすくなります。
平行移動では向きと距離が一定です。回転では中心が固定されます。対称移動では鏡のような軸が固定されます。拡大縮小では中心と拡大率が固定されます。
これは規則だけを丸暗記するより確実です。固定される基準がわかれば、近道の公式を忘れても、正しい手順をたいてい組み立て直せます。
変換でよくあるミス
規則の条件を見落とす
近道の は、原点を中心とする 反時計回りの回転でしか使えません。中心が変われば、別の手順が必要です。
時計回りと反時計回りを取り違える
これは座標幾何でとても多いミスの1つです。向きがはっきり書かれていないときは、点を動かす前に必ず確認しましょう。
拡大縮小で長さも保たれると思い込む
拡大縮小で保たれるのは形であって、実際の大きさではありません。辺の長さは拡大率だけ倍されるので、像は元の図形と相似であり、ふつうは合同ではありません。
間違った直線に関して対称移動する
軸、 軸、直線 に関する対称移動では、結果がそれぞれ異なります。座標の見た目が似ていても、規則を入れ替えて使うことはできません。
変換はどこで使われるか
変換は、座標幾何、対称性の問題、グラフ、コンピュータグラフィックス、地図の縮尺、基本的なモデリングなどで使われます。図形の各点を最初から定義し直さずに、どのように動くか、回るか、反転するか、大きさがどう変わるかを表したいときに役立ちます。
似た問題に挑戦してみよう
三角形 、、 で自分でも試してみましょう。まず だけ平行移動し、その後 軸に関して対称移動して、どの変換が辺の長さを保つかを確かめてください。さらに進めたいなら、原点を中心とする回転でも同じような問題を解き、新しい座標を比べてみましょう。