対数微分法は、最初に両辺の を取り、そのあと陰関数微分をすることで導関数を求める方法です。 のように指数が変数である関数や、積や商をそのまま展開すると複雑になる場合に特に役立ちます。
の微分のしかたを調べてこのページに来たなら、これが標準的な方法です。通常のべき乗の微分公式は、指数が定数でないのでそのままでは使えません。
対数微分法のしくみ
まず
とおきます。
次に両辺の自然対数を取ります。
ここで重要なのは、微分する前に対数の性質によって複雑な形を扱いやすい形に変えられることです。
特に大事なのは3つ目の公式です。指数を前に下ろして係数にできるので、ふつうはずっと微分しやすくなります。
いつ対数微分法を使うか
対数微分法は、次のうち少なくとも1つに当てはまるときに特に有効です。
- 関数が や のような変数を含むべき乗である。
- 関数が長い積や商で、積の微分法や商の微分法を何度も使うと面倒になる。
- 対数を取ることで、微分する前に式の構造が読みやすくなる。
実数値の微積分では、定義域が重要です。対数を取るには、対数の中身が使っている区間で正でなければなりません。教科書の例では、この条件を最初から満たすように選ばれていることが多いです。
計算例: を微分する
と仮定します。この条件は重要です。実数値の微積分では、 は正の に対してしか定義されないからです。
まず
とおきます。
両辺の自然対数を取ると
となります。
ここで対数のべきの公式を使うと
です。
両辺を で微分すると
となります。
右辺には積の微分法が必要です。
したがって
です。
両辺に をかけると
となります。
最後に を元の関数に戻して
を得ます。
したがって、 における の導関数は
です。
この方法が役立つ理由
対数微分法を使わないと、 は通常のべき乗の微分公式 には当てはまりません。なぜなら、この公式は が定数であることを前提にしているからです。
対数を取ると、指数は という積の一部になります。すると、標準的な微分公式が再び使えるようになります。覚えておきたい中心的な考え方は、微分する前に対数が式の形を整理してくれるということです。
よくある間違い
- 定義域の確認を省くこと。実数値で考えるなら、 の中身は正でなければなりません。
- を忘れて、 だけだと思ってしまうこと。
- の微分を誤り、積の微分法を落としてしまうこと。
- のところで止まり、最後に をかけるのを忘れること。
- もっと簡単な公式で十分なのに、対数微分法を使ってしまうこと。
学生が対数微分法を使う場面
この方法は、べき・積・商が混ざっていて、通常の微分公式だけでは計算が煩雑になるときに微積分でよく登場します。特に、指数が変数である導関数の問題でよく使われ、最適化や関連率に進む前に式を整理するのにも役立ちます。
似た対数微分法の問題に挑戦してみよう
次は
で自分でも試してみましょう。
これは次の練習として適しています。底 はすべての実数 で正なので、対数を取る操作がどこでも有効だからです。 を に変形し、それをきれいに微分できれば、この方法はしっかり身についています。