最小公倍数(LCM)とは、2つ以上の正の整数に共通する倍数のうち、最も小さい正の数のことです。たとえば、 と の最小公倍数は です。 は両方の数の倍数であり、それより小さい正の数では条件を満たしません。
これは、通分、くり返す予定の一致、2つのパターンが次にいつそろうかを考える問題でよく使う考え方です。
LCM の意味
の倍数は、正の整数 を使って の形で表される数です:
の倍数は、 の形の数です:
両方の列に最初に現れる正の数は なので、
ここで、次の違いを意識しておくと役立ちます。
- 約数は、その数を割り切ります。
- 倍数は、その数に整数を掛けてできる数です。
LCM は約数ではなく、倍数に関する考え方です。
最小公倍数を求める 3 つの確実な方法
1. 倍数を書き並べる
この方法は、小さい数に向いています。
と では、
- の倍数:
- の倍数:
最初の共通の倍数は なので、最小公倍数は です。
2. 素因数分解を使う
大きめの正の整数では、この方法が最もわかりやすいことが多いです。
それぞれの数を素数の積に分解し、現れるすべての素数を取り上げます。そして、各素数について現れる指数のうち最大のものを使います。
3. GCD との関係を使う
2つの正の整数 と について、
この方法は、すでに最大公約数がわかっているときに効率的です。条件も大切で、この公式は正の整数に対して使います。
例題: と の最小公倍数を求める
素因数分解を使います。
最小公倍数を作るには、各素数について大きいほうの指数を使います。
- では、大きい指数は
- では、大きい指数は
したがって、
直接確かめると、
したがって、 は共通の倍数です。素因数分解の方法で最小になるのは、両方の数を含むのに必要な素数のべきだけをちょうど使っているからです。
LCM を使う場面
LCM は、共通の周期や共通の分母を求める問題で役立ちます。
よくある例は分数の足し算です。
分母 と の最小公倍数は なので、 は通分に便利な共通分母です。
すると、
また、2つのくり返す出来事がそれぞれ 単位、 単位ごとに起こるとき、最初に同時に起こる時点を求めるのにも LCM を使います。
よくある間違い
LCM と GCD を混同する
問題が「共通する倍数のうち最も小さいもの」を聞いているなら LCM を使います。「共通する約数のうち最大のもの」なら GCD を使います。
共通の倍数を見つけた時点で止めてしまい、最小か確認しない
と では、 も も共通の倍数ですが、最小公倍数は だけです。
素因数分解をしないまま「大きい指数を取る」ルールを使う
「大きい指数を取る」というルールは、正の整数を素因数分解したあとで使うものです。
すばやい確認方法
最小公倍数を求めたら、次の 2 つを確かめます。
- 答えは元のそれぞれの数で割り切れるか。
- それより小さい正の共通倍数はないか。
素因数分解の方法では、2つ目の確認はたいてい方法の中にすでに含まれています。
自分でもやってみよう
と の最小公倍数を、倍数を書き並べる方法と素因数分解の方法の 2 通りで求めてみましょう。大きい数で確認したいときは、数学ソルバーを使って素因数分解や最終的な倍数が正しいか確かめることもできます。