微積分における極限とは、入力がある点に近づくときに、関数がどの値に近づくかを表すものです。直接代入ではうまくいかないとき、特に穴のあるグラフ、跳び、あるいは になる式の近くで極限を使います。
記号では、
は、 が の近くに動くとき、 の値が の近くに動くことを意味します。
大事なのは、極限が見ているのは での値そのものではなく、その近くでの振る舞いだということです。その点で関数の値が別の数でも、あるいは未定義でも、極限は存在することがあります。
極限の定義:到達ではなく近づくこと
「極限」という言葉が表しているのは、到達することではなく近づくことです。もし
なら、それは自動的に を意味するわけではありません。 が両側から に近づくとき、 が に近づくという意味です。
だからこそ、極限は区分的な関数、有理式、穴のあるグラフで重要になります。その点自体に問題があっても、その近くで関数が何をしているかを説明できるからです。
安全に使える極限の法則
より簡単な極限が存在するとき、それらを組み合わせて複雑な極限を求めることができます。
もし
なら、次が成り立ちます。
という条件は重要です。分母の極限が なら、商の法則をそのまま使うことはできません。
多項式やよく知られた多くの関数では、調べている点で連続なので、直接代入で極限を求められます。
基本的な極限の求め方
基本的な極限の問題は、たいてい次の順番で考えます。
- まず直接代入する。
- 普通の実数が出れば、それが極限である。
- のような不定形が出たら、先に式を簡単にする。
- 左右で振る舞いが違いそうなら、片側極限を比べる。
片側極限の記号は次のように書きます。
極限全体が存在するのは、左右の片側極限がどちらも存在し、しかも等しいときだけです。
例題: になる極限
次を求めます。
直接代入すると、
となります。
これは答えではありません。直接代入だけでは問題が終わらないことを示しているだけです。
分子を因数分解すると、
です。 のとき、
となります。
これで極限は簡単になります。
したがって、
です。
もとの関数は で定義されていませんが、近くの値が に近づくので、極限は存在します。これは除去可能不連続の典型的な例です。
極限を求めるときによくある間違い
- を最終的な値だと思ってしまうこと。これは答えではなく、注意が必要なサインです。
- 極限は必ず に等しいと思い込むこと。それが成り立つのは、関数が で連続なときだけです。
- 分母の極限が なのに商の法則を使うこと。この場合は条件を満たしていません。
- 左右からの振る舞いを無視すること。左右で違う値に近づくなら、極限は存在しません。
- 条件を確認せずに因子を約分すること。例題では を約分できるのは のときだけですが、極限では近くの点を見ればよいのでそれで十分です。
微積分で極限が使われる場面
極限は、微積分のいくつかの中心的な考え方の出発点です。極限は次のような場面で使われます。
- 導関数を定義する
- 連続性を説明する
- 漸近線や端点の近くでの振る舞いを調べる
- 式がその点で直接は定義されていないときに、近くでの簡単化を正当化する
この先、微分、積分、無限数列、級数へ進むと、極限はそのすべての土台となる言葉になります。
次に進む前の簡単な確認
極限を解いたあとには、ひとつだけ確認してみてください。近くの値は本当に両側からその答えに向かっているでしょうか。
この短い確認で、特に区分的な関数や有理式での多くのミスを防げます。
似た極限をやってみよう
次を試してみましょう。
同じ流れで考えます。代入して、 に気づき、因数分解し、簡単にして、もう一度代入します。次の一歩に進みたいなら、今度は自分で区分的な関数の例を作って、左極限と右極限が一致するか確かめてみましょう。