指数法則は、累乗どうしをかけるとき、割るとき、あるいは累乗をさらに累乗するときに、どう計算するかを示すルールです。どの形の式を見ているかがわかれば、多くの指数の問題は数ステップで簡単にできます。
主な指数法則は次のとおりです。
am⋅an=am+n
anam=am−n(a=0)
(am)n=amn
(ab)n=anbn
(ba)n=bnan(b=0)
a0=1(a=0)
a−n=an1(a=0)
これらのルールは、すべて同じ条件で使えるわけではありません。特に割り算が関わるときは、0でないという条件が重要です。
指数の意味
指数は、底が何回かけられているかを表します。たとえば、
24=2⋅2⋅2⋅2=16
です。
この「同じ数を何度もかける」という考え方が、同じ底をかけると指数を足す理由につながります。同じ因数のまとまりを1つに合わせているからです。
例で見る主な指数法則
積の法則
底が同じなら、指数を足します。
x3⋅x5=x8
これは、全部で 3+5 個の x がかけられているからです。
商の法則
底が同じで、その底が0でないなら、指数を引きます。
y2y7=y5
これは、共通する因数を約分していると考えることもできます。
累乗の累乗
累乗をさらに累乗するときは、指数どうしをかけます。
(z4)3=z12
これは、「繰り返しかけたもの」をさらに繰り返しかけている形です。
積や商の累乗
指数は、かけ算や割り算のそれぞれに分配できます。
(2x)3=23x3=8x3
(b3a)2=b29a2(b=0)
0乗と負の指数
0でない任意の底について、
a0=1
また、
a−3=a31
です。
負の指数は、答えが負になるという意味ではありません。「逆数をとる」という意味です。
計算例:指数法則を使って式を簡単にする
次を簡単にします。
9x(3x2)2⋅x3
まず、かっこの中を計算します。
(3x2)2=32(x2)2=9x4
すると式は
9x9x4⋅x3
になります。
次に、分子で積の法則を使います。
9x4⋅x3=9x7
したがって、
9x9x7=x6
となります。
この1つの例には、よく使う3つの操作が入っています。積に対して累乗を分配すること、累乗の累乗で指数をかけること、そして同じ底を割るときに指数を引くことです。
よくある間違い:指数は足し算には分配できない
指数法則は、足し算に対して同じようには分配できません。一般に、
(a+b)2=a2+b2
です。
たとえば、
(2+3)2=25
ですが、
22+32=13
です。
これはとてもよくある間違いです。積の法則が使えるのは、足し算ではなくかけ算のときです。
分数指数には条件が必要
a1/n のような指数を見ることもあります。正の実数 a に対しては、
a1/n=na
さらに一般には、
am/n=nam
です。
これは便利なルールですが、使える範囲が大切です。初歩の代数では、a>0 のときにこのルールを使うのが、実数の範囲では最も安全です。
指数法則でよくある間違い
- 割り算なのに指数を足してしまうこと。x3x8 の正しい答えは x5 であり、x11 ではありません。
- 底が同じでないのに指数をまとめてしまうこと。x2⋅y2=(xy)2 であり、x4 ではありません。
- 負の指数を読み違えること。x−2=x21 であり、−x2 ではありません。
- a=0 のときにも a0=1 を使ってしまうこと。00 は別に扱う必要があり、通常のルールには含まれません。
- 足し算に指数を分配してしまうこと。一般に、(a+b)n は an+bn には簡単になりません。
指数法則が使われる場面
指数法則は、代数、科学的記数法、多項式の計算、指数方程式、対数でよく使われます。さらに微分や積分の前に累乗の形を書き換える必要がある場面では、微積分でも登場します。
自分でもやってみよう
次を簡単にしてみましょう。
4y(2y3)2
そのあとで、各ステップが本当にルールに基づいているか、単なる近道ではないかを確認してみてください。さらに一歩進みたいなら、ソルバーで自分の式を試して、指数が各行でどう変わるかを比べてみましょう。