微分公式が答えてくれるのは、主に2つの問いです。「よくある関数をどう微分するか」そして「積・商・合成関数に出会ったときにどの法則を適用すべきか」です。問題を解く際に最も重要なのは、いきなり式を展開することではなく、まず「構造」を見極め、それから「公式」を選ぶことです。

まずは核心だけを掴みたい方は、この一文を覚えてください:基本関数は公式を暗記し、和と差はそれぞれ個別に微分し、積には積の微分法、商には商の微分法、関数の中に関数が入っている場合は連鎖律(チェインルール)を使いましょう。

よく使う微分公式クイックリファレンス

まずは、最も一般的で基本的な関数の微分を覚えましょう。これらは、後述するすべての微分法の「材料」になります。

関数 微分公式 ポイント
定数 cc (c)=0(c)' = 0 定数は xx に依存して変化しない
べき関数 xnx^n (xn)=nx{n1}(x^n)' = nx^\{n-1\} 定数指数 nn に適用可能
指数関数 exe^x (ex)=ex(e^x)' = e^x 形式が変わらない
対数関数 lnx\ln x (lnx)={1}{x}(\ln x)' = \frac\{1\}\{x\} x>0x > 0 であることが条件
正弦関数(sin) sinx\sin x (sinx)=cosx(\sin x)' = \cos x 三角関数の中で最も一般的
余弦関数(cos) cosx\cos x (cosx)=sinx(\cos x)' = -\sin x マイナス符号を忘れやすいので注意

5つの常用微分法

基本関数の公式は「単一の関数」をどう微分するかを解決しますが、微分法は「構造が複雑になったとき」にどう対処するかを解決します。

構造 微分公式 キーポイント
定数倍 cf(x)c f(x) (cf(x))=cf(x)(c f(x))' = c f'(x) 定数はそのまま外に出せる
和と差 f(x)±g(x)f(x) \pm g(x) (f(x)±g(x))=f(x)±g(x)(f(x) \pm g(x))' = f'(x) \pm g'(x) 各項を個別に微分する
f(x)g(x)f(x)g(x) (f(x)g(x))=f(x)g(x)+f(x)g(x)(f(x)g(x))' = f'(x)g(x) + f(x)g'(x) それぞれを微分して掛け合わせるのではない
{f(x)}{g(x)}\frac\{f(x)\}\{g(x)\} ({f(x)}{g(x)})={f(x)g(x)f(x)g(x)}{[g(x)]2}\left(\frac\{f(x)\}\{g(x)\}\right)' = \frac\{f'(x)g(x) - f(x)g'(x)\}\{[g(x)]^2\} g(x)0g(x) \ne 0 の場合にのみ議論する
合成関数 f(g(x))f(g(x)) (f(g(x)))=f(g(x))g(x)(f(g(x)))' = f'(g(x)) \cdot g'(x) これが「連鎖律(チェインルール)」です

どの公式を使うか素早く判断する方法

まず「一番外側」を見ます。(3x1)4(3x-1)^4 の外側は4乗(べき関数)ですが、中身に 3x13x-1 が含まれています。したがって、べき関数の微分だけでは不十分で、連鎖律を補う必要があります。

x2(3x1)4x^2(3x-1)^4 はさらに一歩進んでいます。一番外側は「2つの因数の積」であるため、最初のステップでは積の微分法を使います。その後、(3x1)4(3x-1)^4 まで分解した段階で、連鎖律を適用します。多くの微分問題の鍵は、計算力ではなく、「第一 glance で構造を正しく見抜けたか」にあります。

例題:積の微分法と連鎖律の同時適用

次の関数の導関数を求めましょう。

f(x)=x2(3x1)4f(x) = x^2(3x-1)^4

この例は、「まず外側を見て、次に内側を微分し続ける」というプロセスを同時に問われるため、非常に典型的です。

まず一番外側を見ると、2つの因数の積なので、積の微分法を適用します:

f(x)=(x2)(3x1)4+x2((3x1)4)f'(x) = (x^2)'(3x-1)^4 + x^2 \cdot \big((3x-1)^4\big)'

第1項は比較的単純です:

(x2)=2x(x^2)' = 2x

第2項の (3x1)4(3x-1)^4 は合成関数なので、連鎖律を使います:

((3x1)4)=4(3x1)3(3x1)\big((3x-1)^4\big)' = 4(3x-1)^3 \cdot (3x-1)'

ここで、

(3x1)=3(3x-1)' = 3

したがって、

((3x1)4)=12(3x1)3\big((3x-1)^4\big)' = 12(3x-1)^3

これを元の式に代入します:

f(x)=2x(3x1)4+12x2(3x1)3f'(x) = 2x(3x-1)^4 + 12x^2(3x-1)^3

より簡潔に書きたい場合は、共通因数でくくります:

f(x)=2x(3x1)3(9x1)f'(x) = 2x(3x-1)^3(9x-1)

この問題で最も記憶すべきは最終的な答えではなく、「順序」です。まず外側が積であることを見極め、次に個々の因数内部が合成関数であるかを確認する。この順序さえ正しければ、公式を間違えることはほとんどありません。

間違えやすく、点数を落としやすいポイント

べき法則を急ぎすぎる

(3x1)4(3x-1)^4 は単純な x4x^4 ではありません。もし 4(3x1)34(3x-1)^3 とだけ書いてしまったら、内側の微分である 33 が抜けてしまいます。

積の微分法で項を一つしか書かない

(f(x)g(x))\big(f(x)g(x)\big)' の結果は必ず2つの項になります。f(x)g(x)f'(x)g'(x) とだけ書いたり、どちらか一方の項しか書かなかったりするのは典型的なミスです。

商の微分法の条件を忘れる

商の微分法は f(x)g(x)\frac{f(x)}{g(x)} の微分を扱うため、少なくともその点で元の式が定義されていること、つまり g(x)0g(x) \ne 0 である必要があります。

先に展開すればいいとは限らない

式によっては、展開したほうがかえって長くなることがあります。微分問題の多くは、「代数的な展開スピード」ではなく「構造の認識力」を競っています。

微分公式はどのような問題で使われるか

微分公式の最も直接的な用途は、接線の傾きを求めたり、関数の増減を調べたり、極大値・極小値を探したりすることです。さらに学習を進めると、速度、加速度、限界変化率、曲線分析、微分近似などで繰り返し登場します。

問題の中で「ある点での変化がどれだけ速いか」が問われていれば、それは基本的に微分の応用範囲に入っています。

最速のセルフチェック方法

微分問題を解き終えた後、次の3つの質問で自分をチェックしてみてください:

  1. 選んだ法則は、本当に一番外側の構造に合っているか?
  2. 合成関数がある場合、答えに内側の微分が残っているか?
  3. 積や商の場合、結果の形式を完全に書き切っているか?

次のステップ:自力で解いてみよう

まずは次の2問に挑戦してみてください:

g(x)=x2+1x3g(x) = \frac{x^2+1}{x-3}

および

h(x)=sin(2x2)h(x) = \sin(2x^2)

1問目は「商の微分法を正しく使えるか」、2問目は「連鎖律における内側の微分を保持できているか」がポイントです。さらに定着させたい場合は、同様に合成構造を持つ関数をもう一問選び、「構造を判断してから筆を動かす」ことを意識して解いてみてください。

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