運動方程式は、加速度が一定の運動を表す公式の組です。運動の途中で加速度が変化する場合、これらの公式は標準的な形のままでは使えません。
多くの授業では、5つの変数を結びつけることから SUVATの式 と呼ばれます。
- : 変位
- : 初速度
- : 終速度
- : 加速度
- : 時間
これらのうち3つがわかっていて、加速度が一定なら、式のどれかを使って4つ目を直接求められることがよくあります。
標準的な4つのSUVAT公式
一次元の等加速度運動では、次の式を使います。
これらの公式は互いに深く関係しているので、文脈なしに別々の事実として暗記する必要はありません。どれも同じ運動の変数を、違う形で結びつけているだけです。
それぞれの公式が役立つ場面
は、速度の変化と時間を結びつけたいときに使います。
は、ある時間区間での変位を求めたいときに便利です。
は、時間が与えられておらず、それをわざわざ求めずに済ませたいときに使います。
は、初速度と終速度がわかっていて、平均速度から変位を求めたいときに使います。等加速度運動では速度が時間に対して直線的に変化するため、この式が成り立ちます。
いちばん重要な条件
最もよくあるミスは、加速度が一定でないのにこれらの式を使ってしまうことです。
たとえば、空気抵抗を無視するなら、地表付近での理想化した自由落下にはよく当てはまります。これは加速度を一定とみなせるからです。一方で、加速度が時間・速さ・位置に強く依存する運動は、そのままでは直接表せません。その場合は運動をより単純な区間に分けるか、微積分を使う必要があります。
例題で確認
ある車が静止した状態から出発し、一直線上を の加速度で の間加速します。終速度と変位を求めなさい。
ここで、わかっている値は次のとおりです。
まず終速度を求めます。
次に変位を求めます。
したがって、 秒後の車の速さは 、進んだ距離は です。
この例は単純ですが、実際の解き方の流れをよく示しています。つまり、何がわかっているかを整理し、それに合う式を選び、必要な変数だけを解けばよいのです。
よくある間違い
速度と加速度を混同する
速度は位置がどれだけの速さで変化するかを表します。加速度は速度がどれだけの速さで変化するかを表します。この役割を取り違えると、たいてい式の選び方を最初から間違えます。
符号の取り方を無視する
向きは重要です。上向きを正とするなら、自由落下での下向きの加速度は負でなければなりません。符号を間違えると、数値の大きさはもっともらしく見えても、物理的には誤った答えになります。
与えられた情報に合わない式を使う
時間が与えられていないなら、 が最もすっきりした選択になることが多いです。余計な未知数を増やす式を使うと、不要に計算が複雑になります。
距離と変位を同じものとして扱う
これらの式での は距離ではなく変位です。向きが途中で変わる場合、この違いは特に重要です。
運動方程式はどこで使われるか
これらの公式は、力学の基礎、車両の運動、水平成分と鉛直成分に分けた投射運動、自由落下の問題などでよく使われます。特に、ニュートンの運動法則やエネルギーの方法を持ち出す前に、運動そのものを直接記述したい段階で役立ちます。
また、物理的な理解を確かめるよいテストにもなります。どの変数が不足していて、どの式ならそれを含まずに済むかがわかれば、問題はたいていずっと解きやすくなります。
次にやってみること
例題の数値を1つだけ変えて、自分で解いてみましょう。たとえば加速度を にしたり、時間を にしたりして、計算する前に何が起こるか予想してみてください。自分の数値で別の等加速度運動の問題を試したいなら、GPAI Solverで似た問題を解いてみましょう。