モル濃度とは、溶液 1 L あたりに含まれる溶質の物質量(mol)で表す濃度です。計算には を使い、最終的な体積を L に直し、必要なら先に g を mol に変換します。
基本となる式は
です。ここで、 はモル濃度、 は溶質の物質量(mol)、 は最終的な溶液の体積(L)です。
1つだけ覚えるなら、分母に注目してください。モル濃度で使うのは溶媒の L ではなく、溶液の L です。問題に「 にメスアップする」とあれば、必要なのはその最終的な溶液体積です。
モル濃度の式の意味
の溶液は、溶液 あたりに溶質が mol 含まれていることを意味します。これは、溶質をちょうど の水に加えたという意味ではありません。混合後の最終的な溶液体積が重要です。
このため、モル濃度は実験で便利です。最終的な溶液体積は、メスフラスコ、ピペット、ビュレットなどで直接測定できるからです。
mol 数または g からモル濃度を求める方法
毎回、同じ手順で進めます。
- 溶質の量を mol で求める。
- 最終的な溶液体積を L に直す。
- mol 数を溶液の L 数で割る。
問題で mol ではなく質量が与えられている場合は、先に変換します。
たとえば、溶質の質量が g でわかっていて、モル質量が で与えられていれば、この式でモル濃度の式に必要な mol 数を求められます。
計算例:質量と体積からモル濃度を求める
の NaCl を溶かし、最終的な溶液体積が になったとします。モル濃度を求めます。
まず、g を mol に変換します。NaCl のモル質量を約 とすると、
次に、体積を変換します。
そして、モル濃度の式に代入します。
したがって、この溶液は
です。
この一連の流れ、つまり g → mol → L → モル濃度 が、多くのモル濃度計算の基本パターンです。
希釈の式が使える場合
溶液を希釈するときは、溶媒を加えますが、同じ溶質の量そのものは変わりません。この条件では、希釈前後で mol 数が等しいので、
が成り立ちます。
この式が使えるのは、同じ溶質を希釈していて、反応などで溶質が失われたり消費されたりしない場合だけです。
簡単な例
の NaCl 水溶液を 取り、全体を まで希釈したとします。このとき、
となります。
同じ量の溶質が、より大きい最終体積に広がるので、濃度は下がります。
モル濃度計算でよくある間違い
mL を L と同じように使ってしまう
に を ではなく のまま入れると、答えは 倍ずれてしまいます。
溶液体積ではなく溶媒体積を使ってしまう
モル濃度は、溶液全体の最終体積をもとにします。問題に「 に希釈する」とあれば、 を使います。
g から mol への変換を省いてしまう
質量をそのままモル濃度の式に入れることはできません。まず mol に直す必要があります。
間違った問題で を使ってしまう
この近道は希釈だけに使えます。化学反応によって溶質の量が変わるなら、代わりに mol と化学反応式を使います。
化学でモル濃度が使われる場面
モル濃度は、溶液の調製、滴定、希釈操作、溶液の化学量論でよく使われます。特に、測定した体積をもとに考える問題で役立ちます。
モル濃度は体積に依存するので、温度変化によって溶液体積がはっきり変われば、値も変化します。ただし、初学者向けの多くの問題では、問題文で特に触れられない限りこの影響は無視します。
モル濃度の練習問題 2 題
計算例を見返さずに解いてみてください。
- のグルコースを溶かし、最終体積を にした溶液のモル濃度は何ですか。
- の溶液 を まで希釈したとき、新しい濃度はいくらですか。
答え:
似た問題に挑戦してみよう
計算例の数値を 1 つだけ変えて、自分で解いてみましょう。たとえば、溶質の質量や最終体積を変えて、最初からもう一度計算します。同じ濃度の考え方を反応の中で使う近い例を見たいなら、Titration Calculations に進んでください。