モル濃度とは、溶液 1 L あたりに含まれる溶質の物質量(mol)で表す濃度です。計算には M=n/VM = n/V を使い、最終的な体積を L に直し、必要なら先に g を mol に変換します。

基本となる式は

M=nVM = \frac{n}{V}

です。ここで、MM はモル濃度、nn は溶質の物質量(mol)、VV は最終的な溶液の体積(L)です。

1つだけ覚えるなら、分母に注目してください。モル濃度で使うのは溶媒の L ではなく、溶液の L です。問題に「250 mL250\ \mathrm{mL} にメスアップする」とあれば、必要なのはその最終的な溶液体積です。

モル濃度の式の意味

1.0 M1.0\ \mathrm{M} の溶液は、溶液 1.0 L1.0\ \mathrm{L} あたりに溶質が 1.01.0 mol 含まれていることを意味します。これは、溶質をちょうど 1.0 L1.0\ \mathrm{L} の水に加えたという意味ではありません。混合後の最終的な溶液体積が重要です。

このため、モル濃度は実験で便利です。最終的な溶液体積は、メスフラスコ、ピペット、ビュレットなどで直接測定できるからです。

mol 数または g からモル濃度を求める方法

毎回、同じ手順で進めます。

  1. 溶質の量を mol で求める。
  2. 最終的な溶液体積を L に直す。
  3. mol 数を溶液の L 数で割る。

問題で mol ではなく質量が与えられている場合は、先に変換します。

n=massmolar massn = \frac{\text{mass}}{\text{molar mass}}

たとえば、溶質の質量が g でわかっていて、モル質量が g/mol\mathrm{g/mol} で与えられていれば、この式でモル濃度の式に必要な mol 数を求められます。

計算例:質量と体積からモル濃度を求める

5.84 g5.84\ \mathrm{g} の NaCl を溶かし、最終的な溶液体積が 500 mL500\ \mathrm{mL} になったとします。モル濃度を求めます。

まず、g を mol に変換します。NaCl のモル質量を約 58.44 g/mol58.44\ \mathrm{g/mol} とすると、

n=5.8458.440.100 moln = \frac{5.84}{58.44} \approx 0.100\ \mathrm{mol}

次に、体積を変換します。

500 mL=0.500 L500\ \mathrm{mL} = 0.500\ \mathrm{L}

そして、モル濃度の式に代入します。

M=0.1000.500=0.200 mol/LM = \frac{0.100}{0.500} = 0.200\ \mathrm{mol/L}

したがって、この溶液は

0.200 M0.200\ \mathrm{M}

です。

この一連の流れ、つまり g → mol → L → モル濃度 が、多くのモル濃度計算の基本パターンです。

希釈の式が使える場合

溶液を希釈するときは、溶媒を加えますが、同じ溶質の量そのものは変わりません。この条件では、希釈前後で mol 数が等しいので、

M1V1=M2V2M_1 V_1 = M_2 V_2

が成り立ちます。

この式が使えるのは、同じ溶質を希釈していて、反応などで溶質が失われたり消費されたりしない場合だけです。

簡単な例

1.20 M1.20\ \mathrm{M} の NaCl 水溶液を 25.0 mL25.0\ \mathrm{mL} 取り、全体を 100.0 mL100.0\ \mathrm{mL} まで希釈したとします。このとき、

M2=M1V1V2=(1.20)(25.0)100.0=0.300 MM_2 = \frac{M_1 V_1}{V_2} = \frac{(1.20)(25.0)}{100.0} = 0.300\ \mathrm{M}

となります。

同じ量の溶質が、より大きい最終体積に広がるので、濃度は下がります。

モル濃度計算でよくある間違い

mL を L と同じように使ってしまう

M=n/VM = n/V250 mL250\ \mathrm{mL}0.2500.250 ではなく 250250 のまま入れると、答えは 10001000 倍ずれてしまいます。

溶液体積ではなく溶媒体積を使ってしまう

モル濃度は、溶液全体の最終体積をもとにします。問題に「1.00 L1.00\ \mathrm{L} に希釈する」とあれば、1.00 L1.00\ \mathrm{L} を使います。

g から mol への変換を省いてしまう

質量をそのままモル濃度の式に入れることはできません。まず mol に直す必要があります。

間違った問題で M1V1=M2V2M_1 V_1 = M_2 V_2 を使ってしまう

この近道は希釈だけに使えます。化学反応によって溶質の量が変わるなら、代わりに mol と化学反応式を使います。

化学でモル濃度が使われる場面

モル濃度は、溶液の調製、滴定、希釈操作、溶液の化学量論でよく使われます。特に、測定した体積をもとに考える問題で役立ちます。

モル濃度は体積に依存するので、温度変化によって溶液体積がはっきり変われば、値も変化します。ただし、初学者向けの多くの問題では、問題文で特に触れられない限りこの影響は無視します。

モル濃度の練習問題 2 題

計算例を見返さずに解いてみてください。

  1. 0.250 mol0.250\ \mathrm{mol} のグルコースを溶かし、最終体積を 1.00 L1.00\ \mathrm{L} にした溶液のモル濃度は何ですか。
  2. 0.80 M0.80\ \mathrm{M} の溶液 50.0 mL50.0\ \mathrm{mL}200.0 mL200.0\ \mathrm{mL} まで希釈したとき、新しい濃度はいくらですか。

答え:

  1. 0.250 M0.250\ \mathrm{M}
  2. 0.20 M0.20\ \mathrm{M}

似た問題に挑戦してみよう

計算例の数値を 1 つだけ変えて、自分で解いてみましょう。たとえば、溶質の質量や最終体積を変えて、最初からもう一度計算します。同じ濃度の考え方を反応の中で使う近い例を見たいなら、Titration Calculations に進んでください。

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