角運動量は、ある物体が選んだ点または軸のまわりにどれだけ回転運動をもっているかを表します。角運動量の公式を調べているなら、まず知っておきたい主な形は、質点に対する L=r×p\vec{L} = \vec{r} \times \vec{p} と、固定軸のまわりを回転する剛体に対する L=IωL = I\omega です。

1つの質点に対する一般的な定義は

L=r×p\vec{L} = \vec{r} \times \vec{p}

です。ここで、r\vec{r} は基準点から質点への位置ベクトル、p=mv\vec{p} = m\vec{v} は運動量です。

大きさで書くと、

L=rpsinθL = rp\sin\theta

となります。

したがって、質量が大きいほど、速さが大きいほど、軸からの距離が大きいほど、また運動が半径方向に対してより垂直に近いほど、角運動量は大きくなります。もし運動の向きが基準点にまっすぐ向かう、またはそこからまっすぐ離れるなら、sinθ=0\sin\theta = 0 なので、その点まわりの角運動量はゼロです。

角運動量をやさしく言うと

角運動量は、単に「速く回っている」という意味ではありません。ある特定の点や軸のまわりの回転に、運動がどれだけ強く結びついているかを表す量です。

この基準点はとても重要です。同じ物体の運動でも、どの点を基準にするかで角運動量の値は変わります。ここは見落としやすい点の1つで、多くの問題が最初に使う軸や原点をはっきり指定する理由でもあります。

固定軸のまわりを回転する剛体では、よく

L=IωL = I\omega

を使います。

ここで II は慣性モーメント、ω\omega は角速度です。この形が使えるのは、固定軸まわりを回転する剛体という条件のときだけです。あらゆる状況に対する一般定義ではありません。

角運動量の公式:何が値を変えるのか

L=rpsinθL = rp\sin\theta から、主に次の4つが効いていることがわかります。

  • 質量が大きいほど、角運動量は大きくなる。
  • 速さが大きいほど、角運動量は大きくなる。
  • 基準点からの距離が大きいほど、角運動量は大きくなる。
  • r\vec{r}p\vec{p} のなす角が大きいほど、角運動量は大きくなり、9090^\circ で最大になる。

近道の式 L=mvrL = mvr が使えるのは、運動が半径方向に垂直なときだけです。その条件が成り立たないなら、sinθ\sin\theta の因子を残しておきます。

計算例:接線方向に動くボール

質量 0.20 kg0.20\ \mathrm{kg} のボールが、選んだ原点を中心とする半径 0.50 m0.50\ \mathrm{m} の円に接する経路に沿って、速さ 6.0 m/s6.0\ \mathrm{m/s} で動いています。この原点まわりの角運動量の大きさを求めます。

速度は円の接線方向なので、半径に垂直です。したがって θ=90\theta = 90^\circ で、sinθ=1\sin\theta = 1 となり、大きさは

L=mvrL = mvr

になります。

値を代入すると、

L=(0.20)(6.0)(0.50)=0.60 kgm2/sL = (0.20)(6.0)(0.50) = 0.60\ \mathrm{kg \cdot m^2/s}

です。

したがって、この原点まわりのボールの角運動量の大きさは

0.60 kgm2/s0.60\ \mathrm{kg \cdot m^2/s}

です。

もしボールが同じ接線上を動いていても、別の原点を選べば答えは変わる可能性があります。この例のいちばん大事なポイントは、計算そのものだけでなく、基準点によって値が変わるということです。

角運動量の問題でよくあるミス

どの問題でも L=mvrL = mvr を使ってしまう

この近道が使えるのは、運動量が半径に垂直なときだけです。一般の場合は L=rpsinθL = rp\sin\theta を使います。

基準点を明示しない

角運動量は、必ずある点または軸について定義されます。その基準がなければ、記述として不完全です。

角運動量をただの数として扱う

角運動量はベクトル量です。初学者向けの問題では大きさだけで足りることも多いですが、完全な定義では向きも重要です。

早い段階で保存を仮定してしまう

角運動量が保存されるのは、同じ点または軸について外力による合トルクがゼロのときだけです。この条件が成り立たなければ、角運動量は変化します。

角運動量はどこで使われるか

角運動量は、軌道運動、回転する車輪、ジャイロスコープ、回転機械、そして質量を内側に引き寄せると回転が速くなるフィギュアスケーターの例などで現れます。

特に、力を1つずつ追うよりも保存則を使うほうが簡単なときに役立ちます。典型例は、外力によるトルクがほぼ無視できるまま、系の形だけが内部的に変化する場合です。

トルクは角運動量をどう変えるか

トルクは、角運動量がどのように変化するかを表します。

τnet=dLdt\vec{\tau}_{\mathrm{net}} = \frac{d\vec{L}}{dt}

外力による合トルクがゼロなら、dL/dt=0d\vec{L}/dt = 0 なので、角運動量は保存されます。これが、回転の運動方程式と回転の保存則を結びつける明確な関係です。

似た角運動量の問題に挑戦してみよう

同じボールと半径を使って、速さを 6.0 m/s6.0\ \mathrm{m/s} から 3.0 m/s3.0\ \mathrm{m/s} に下げてみましょう。次に、速さを 6.0 m/s6.0\ \mathrm{m/s} のままにして、半径を 1.0 m1.0\ \mathrm{m} に2倍にしてみましょう。この2つを比べると、何がどれだけ角運動量を変えるのかをすばやく確認できます。

自分の数値で段階的なフィードバックがほしいなら、GPAI Solver で自分なりの問題を試して、ここでの計算例と比べてみてください。

問題の解き方でお困りですか?

問題をアップロードすると、検証済みのステップバイステップ解答が数秒で届きます。

GPAI Solver を開く →