食物連鎖は、食べる・食べられる関係を1本の経路で表したものです。食物網は、同じ生態系の中にある多くのつながった摂食経路のネットワークです。違いを手早く言えば、連鎖は単純化したモデルで、網はより現実に近い表し方です。
重要な役割もシンプルです。生産者は食物をつくり、消費者はほかの生物を食べてエネルギーを得て、分解者は死んだ生物や排出物を分解します。これらの役割がはっきりすると、食物連鎖や食物網の図はずっと読みやすくなります。
食物連鎖と食物網:何が違うのか?
食物連鎖は、生態系の中の1つの経路を示します。食べる順序が見えやすいので、理解に役立ちます。
食物網は、多くのつながった経路を示します。ほとんどの生物は1種類だけを食べるわけではなく、また1種類だけに食べられるわけでもないので、実際の生態系は直線よりもネットワークの形になります。
つまり、食物連鎖は自然全体の地図ではなく、あくまでモデルです。
生産者・消費者・分解者
生産者は、自分で食物をつくります。多くの場合、その方法は光合成です。身近な生態系では、緑色植物や藻類が主な生産者です。
消費者は、ほかの生物を食べてエネルギーを得ます。一次消費者は生産者を食べます。二次消費者は一次消費者を食べます。さらに高次の消費者は、連鎖のより上位で栄養を得ます。
分解者には菌類や多くの細菌が含まれ、死んだ生物や排出物を分解します。教室で扱う単純な食物連鎖では省かれやすいですが、栄養分を環境に戻すのを助けるため、不可欠な存在です。
1つ大事な条件があります。生態系の土台が光合成でない場合、生産者の役割は化学エネルギーを利用する生物が担うことがあります。出発点は生態系によって異なります。
具体例:食物連鎖がどう食物網になるか
まず、単純な草原の食物連鎖から始めます。
草は生産者です。ウサギは生産者を食べるので一次消費者です。キツネはウサギを食べてエネルギーを得るので、より高次の消費者です。
では、これをもっと現実的にしてみましょう。ウサギは1種類の植物だけを食べるわけではなく、キツネもウサギだけを食べるわけではありません。もし草がネズミのえさにもなり、さらにウサギとネズミの両方がキツネやタカに食べられるなら、図はもはや1本の直線ではありません。食物網になるのです。
この例でも、矢印の線に示されていなくても分解者は重要です。草、ウサギ、キツネが死ぬと、分解者がそれらを分解し、栄養分が土壌に戻るのを助けます。
だからこそ、この2つの考え方は一緒に教えられます。食物連鎖は全体のパターンをつかみやすくし、食物網は生態系が実際にどう働くかを示します。
エネルギーの流れと栄養塩の循環
食物連鎖の図は、しばしば「食べる関係の図」として導入されますが、実際にはエネルギーの流れを表しています。学校でよく扱う例では、エネルギーは生産者から入り、各段階を経るごとに生物の活動に使える量が少なくなります。
一方で、栄養塩は異なります。炭素や窒素のような栄養塩は再利用できるため、生態系の中を循環します。この違いを見落とすと、分解者が連鎖の「最後の段階」のように見えてしまいます。分解者の重要な生態学的役割は、物質を分解し、栄養塩の循環を支えることです。
食物連鎖と食物網でよくある間違い
食物連鎖が生態系全体を示していると思うこと
そうではありません。示しているのは1つの経路だけです。実際の生態系は、通常、食物網で表したほうが適切です。
分解者を忘れること
分解者は、単純な矢印図の最後にきれいに収まるとは限りませんが、それでも食物網の多くの部分から出る死んだ生物や排出物に作用します。
すべての消費者が1種類しか食べないと思い込むこと
その前提が、食物網を単純化しすぎた食物連鎖に変えてしまいます。学習には役立ちますが、全体像であることはほとんどありません。
エネルギーの流れと栄養塩の再循環を混同すること
エネルギーは系の中を通過し、移動のたびに利用可能な量が減ります。栄養塩は再利用されるので、循環します。
食物連鎖と食物網はどんなときに使われるか
食物連鎖と食物網は、生態学、保全、農業、環境科学で使われます。ある個体群の変化がほかに影響する理由、生息地の喪失が系全体に波及する理由、汚染が食べる・食べられる関係を通じて広がる理由を説明するのに役立ちます。
また、生態系、光合成、呼吸、個体群間相互作用といった話題にも自然につながります。
自分でも作ってみよう
池、森林、草原のどれかで、自分なりの例を作ってみましょう。まず3つか4つの生物で1本の食物連鎖を描きます。次に、食べる関係を2つ追加して、どれだけ早く食物網に変わるかを見てみましょう。