物理公式一覧で最初に見るべきなのは、式そのものより「何を求める式か」と「どんな条件で使えるか」です。高校物理では、同じ分野でも条件が違うだけで使える式が変わります。このページでは、よく使う基本式を分野ごとに整理し、意味、条件、例題、よくあるミスまで短くまとめます。

特に大事なのは、同じ記号でも文脈で意味が変わることがある点です。たとえば QQ は熱量を表すこともあれば、電気量を表すこともあります。問題文の単位と条件を先に確認すると、式の選び間違いが減ります。

物理公式一覧: まず押さえたい基本式

力学でよく使う公式

  • 平均加速度: a=ΔvΔta = \frac{\Delta v}{\Delta t} ある時間区間で、速度がどれだけ変わったかを表します。
  • 等加速度直線運動: v=v0+atv = v_0 + at 加速度が一定のときだけ使います。
  • 等加速度直線運動: x=x0+v0t+12at2x = x_0 + v_0 t + \frac{1}{2}at^2 位置や変位を時間から求める式です。これも加速度一定が条件です。
  • 等加速度直線運動: v2=v02+2a(xx0)v^2 = v_0^2 + 2a(x - x_0) 時間 tt を使わずに速度と変位を結びたいときに便利です。
  • ニュートンの運動方程式: F=maF = ma 合力 FF が質量 mm の物体にどれだけの加速度を与えるかを表します。
  • 運動量: p=mvp = mv 衝突や反発を考えるときの基本式です。

仕事とエネルギーの基本式

  • 仕事: W=FdcosθW = Fd \cos \theta 一定の力が変位となす角を θ\theta とするときの式です。力と移動方向が同じなら W=FdW = Fd になります。
  • 運動エネルギー: K=12mv2K = \frac{1}{2}mv^2 動いている物体がもつエネルギーです。
  • 重力による位置エネルギー: U=mghU = mgh 地表付近で gg を一定とみなせるときの近似式です。

電気回路で使う公式

  • オームの法則: V=IRV = IR 電圧 VV、電流 II、抵抗 RR の関係です。
  • 電力: P=VIP = VI 消費電力や供給電力を求める基本式です。
  • 電気量: Q=ItQ = It 電流が一定で、tt 秒流れたときの電気量です。

熱と波の基本式

  • 熱量: Q=mcΔTQ = mc\Delta T 相変化がなく、比熱 cc を一定とみなせる範囲で使います。
  • 波の速さ: v=fλv = f\lambda 波の速さ vv、振動数 ff、波長 λ\lambda の関係です。

物理公式を選ぶときの見方

物理では、似た式でも条件が違うと使えません。たとえば v=v0+atv = v_0 + atx=x0+v0t+12at2x = x_0 + v_0 t + \frac{1}{2}at^2 は、加速度が一定のときの式です。加速度が途中で変わるなら、そのまま使うのは危険です。

U=mghU = mgh も同じで、どこでも無条件に正しいわけではありません。地表付近で高さの差を扱うときには便利ですが、高さが大きく変わる場面では別の見方が必要です。

つまり、公式一覧は暗記カードではなく、「この条件ならこの関係が使える」と判断するための地図です。量、単位、条件の3つを先に見れば、どの式を使うかかなり絞れます。

例題: 等加速度運動の式でブレーキ距離を求める

車が 20m/s20\,\mathrm{m/s} で走っていて、一直線上を一定加速度 5m/s2-5\,\mathrm{m/s^2} で減速して停止するとします。停止までの距離を求めたいなら、時間を含まない

v2=v02+2a(xx0)v^2 = v_0^2 + 2a(x - x_0)

が使いやすいです。停止するときは v=0v = 0 なので、

02=202+2(5)(xx0)0^2 = 20^2 + 2(-5)(x - x_0) 0=40010(xx0)0 = 400 - 10(x - x_0)

したがって

xx0=40mx - x_0 = 40\,\mathrm{m}

です。停止距離は 40m40\,\mathrm{m} になります。ここでは「一直線上の運動」で「加速度が一定」という条件がそろっているので、この式を使えます。

この例のポイントは、式を丸暗記することではなく、条件から式を選んでいることです。同じブレーキでも、減速のしかたが一定でなければ別の扱いが必要になります。

物理公式で間違えやすいポイント

単位をそろえない

速度が km/h\mathrm{km/h}、距離が m\mathrm{m}、時間が s\mathrm{s} のまま混ざると、計算が合っていても答えがずれます。特に力学では SI 単位にそろえるだけでミスがかなり減ります。

条件を見ずに公式を当てはめる

知っている式が出てきても、条件が違えば使えません。等加速度の式、一定力の仕事、地表付近の mghmgh などは、どれも前提つきです。

符号を軽く扱う

加速度や電圧、仕事は正負が意味を持ちます。減速なら加速度が負になることがありますし、仕事も力と変位の向きで符号が変わります。

何を求める式かを確認しない

P=VIP = VI は電力、Q=ItQ = It は電気量です。似た記号が多いので、式に入る前に「いま求めたい量は何か」を決めておくほうが安全です。

物理公式はどんな場面で使うか

物理公式は、運動の記述、回路の計算、熱の出入り、波の性質の整理に使われます。学校の問題ではもちろん、実験データの整理や現象の見通しを立てるときにも役立ちます。

特に初学者のうちは、公式を増やすより、1つの式に対して「意味」「単位」「条件」を結びつけるほうが実戦的です。それができると、一覧表を見たときにどの式を使うべきか自然に判断しやすくなります。

次に自分で試す

上のブレーキの例で、初速度を 30m/s30\,\mathrm{m/s} に変えると停止距離がどう変わるか計算してみてください。1つの数値だけ変えて式の結果がどう動くかを見ると、公式が「暗記項目」ではなく「関係式」として理解しやすくなります。

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