ブール代数は、真偽値の式を組み合わせたり簡単化したりするための体系です。 のような論理式を簡単にしたいときは、補元則、分配則、吸収則、ド・モルガンの定理などが主な道具になります。
よく使われる記法では、 は OR、 は AND、 は NOT を表します。NOT を と書く本もありますが、基本となる規則は同じです。
ブール代数とは何か
通常の代数は数を扱います。ブール代数は、真/偽 または の2つの値しか取らない命題や2値変数を扱います。
そのため、規則も変わります。ブール代数では、
となります。どちらの恒等式も同じ考え方を表しています。つまり、同じ条件を繰り返しても新しい結果は生まれません。スイッチがすでにオンなら、「オン OR オン」と言っても何も変わらないということです。
実際によく使うブール代数の法則
ブール式を簡単化するときに、特によく出てくる法則は次のとおりです。
恒等則
偽を OR しても何も変わらず、真と AND を取っても何も変わりません。
零則
OR に真が含まれていれば、全体の結果は真です。AND に偽が含まれていれば、全体の結果は偽です。
べき等則
同じ変数を繰り返しても、式は変わりません。
補元則
変数とその否定は、OR ではすべての場合をカバーしますが、AND では同時に成り立ちません。
交換則と結合則
これらにより、結果を変えずに項の順序を入れ替えたり、まとめ方を変えたりできます。
分配則
2つ目の形はあまり見慣れないかもしれませんが、標準的なブール恒等式であり、因数分解でよく現れます。
吸収則
式が見た目より長く見えるときに、特に役立つ法則です。
ド・モルガンの定理
これらは、否定が OR や AND をまたぐときにどう変形されるかを示します。NOT がかっこを通ると、OR と AND は役割を入れ替えます。
例題: を簡単化する
まず
から始めます。
共通な をくくり出すと、
となります。
次に補元則を使うと、
です。
さらに恒等則を使うと、
となります。
したがって、 です。直感的に見ると、 なら でも でも、どちらか一方の項は必ず真になります。 なら両方の項が偽です。つまり、この式全体は だけに依存しています。
ブール代数でよくある間違い
よくある間違いの1つは、通常の代数の感覚をそのままブール代数に持ち込んでしまうことです。たとえば、 はブール代数の規則ではありません。ここで正しい結果は です。
もう1つの間違いは、記法を確認せずに法則を適用してしまうことです。多くの教科書では、 は算術の足し算ではなく OR を意味し、変数を並べて書くと AND を表します。
また、ド・モルガンの定理では各変数を否定するだけでなく、OR と AND を入れ替える必要があります。この2つはどちらも重要です。
ブール代数はどこで使われるか
ブール代数はデジタル論理の中心にあり、変数はオン/オフや真/偽の状態を表します。回路設計の簡単化、ソフトウェアでの論理条件の整理、検索フィルタやデータベースクエリの考察などに使われます。
変数が2値でない場合や、演算が通常の算術である場合には、ブール代数の法則をそのまま適用することはできません。この2値性こそが、この体系を成り立たせる条件です。
似た簡単化を試してみよう
を簡単化してみてください。上の法則を注意深く使えば、最初に見えるよりも大きく簡単になります。さらに一歩進めたいなら、真理値表を作って、簡単化した形がすべての行で一致することを確かめてみましょう。