混合物とは、複数の物質が物理的に組み合わさったものです。溶液は混合物の特別な一種で、ある物質が別の物質に均一に溶けている均一混合物です。
これは重要です。なぜなら、混合物の種類によって適切な分離方法が決まるからです。試料が一様でないなら、ろ過やデカンテーションが使えることがあります。本当の溶液なら、通常は蒸発や蒸留が必要です。
混合物と溶液の違いをひと目で確認
次の簡単なチェックを使ってみましょう。
- 混合物は、物質が物理的に組み合わさったもの全般です。
- 溶液は、均一混合物です。
- 溶液では、溶けている物質を溶質、溶かしている側を溶媒といいます。
つまり、すべての溶液は混合物ですが、すべての混合物が溶液とは限りません。
混合物の種類:均一混合物と不均一混合物
最初に確認すべきことは、試料全体が一様かどうかです。
均一混合物は全体が同じように見える
均一混合物は、試料のどこを見ても一様に見えます。普通に観察しても、異なる部分は見分けられません。
食塩水は代表的な例です。食塩が均一に溶けているので、試料のどの部分でも組成は同じです。
溶液はこの分類に入ります。
不均一混合物にははっきり異なる部分がある
不均一混合物は、試料全体で一様ではありません。部分によって組成が異なったり、別々の相が見えたりします。
水に砂を入れたものは簡単な例です。砂は溶けないので、試料全体は同じではありません。
懸濁液は不均一混合物です。教科書によってはコロイドを別に扱うこともありますが、入門段階では「試料が一様かどうか」をまず考えるのが普通は正しい出発点です。
溶液が特別な理由
溶液では、溶質が分子やイオンのスケールで分散しているため、通常の見え方では混合物全体が一様に保たれます。だから、ろ過では通常、溶けた溶質を溶媒から分けられません。
たとえば、食塩水をろ過しても溶けている食塩は取り除けません。食塩は、ろ紙が捕まえられるような大きく見える粒子として存在していないからです。
何かが本当に溶けているなら、ただかき混ぜただけの混合物とは別のものとして扱う必要があります。
分離方法は性質に違いがあるときだけ使える
混合物に万能の分離方法はありません。方法は、成分どうしの物理的な違いに対応していなければなりません。
よくある例は次のとおりです。
- ろ過は粒子の大きさを利用します。流体中に一方の成分が不溶性固体としてあるときに有効です。
- デカンテーションは沈降と密度の違いを利用します。一部が沈殿する場合や、2つの液体が別々の層をつくる場合に使えます。
- 蒸発は溶媒を気化させて取り除き、溶質を残します。
- 蒸留は沸点の違いを利用して液体を分けたり、溶液から溶媒を回収したりします。
- クロマトグラフィーは、固定相と移動相の間での移動のしやすさの違いによって物質を分離します。
大事な条件は単純です。関係する性質に実際の違いがあるときだけ、その方法は働きます。
例題:水から砂と食塩を分ける
この例を見ると、正しく分類することがなぜ大切かわかります。
水に砂と食塩を加えて、かき混ぜたとします。
何ができたでしょうか。
- 食塩は溶けて、水と溶液をつくります。
- 砂は溶けないので、試料全体としては依然として不均一混合物です。
では、段階的に分離してみましょう。
まず、ろ過を使います。砂は不溶性固体で、粒子がろ紙に捕まる大きさなので、フィルター上に残ります。食塩水は通り抜けます。
次に、食塩と水を分けます。食塩だけが欲しいなら、蒸発で水を除けば食塩が残ります。水も回収したいなら、水蒸気を冷やして集められるので、蒸留のほうが適しています。
ここでの実用的なポイントは、1つの試料の中に溶液と未溶解の物質が同時に含まれることがあるということです。そのため、試料の異なる部分に対して別々の分離方法が必要になる場合があります。
混合物と溶液でよくある間違い
透明な液体は純物質だと思い込む
透明に見えても、混合物であることはあります。食塩水や砂糖水は透明ですが、純物質ではありません。
溶けることと融けることを混同する
食塩が水に溶けるとき、それは融解しているのではありません。溶媒中に分散しているのです。
本当の溶液をろ過しようとする
ろ過が有効なのは不溶性の粒子に対してであり、すでに溶媒に溶けている溶質粒子には使えません。
分離には化学変化が必要だと考える
多くの混合物は、物理的方法だけで分離できます。まず新しい物質に変わる必要はありません。
混合物と溶液はどこで使われるか
混合物と溶液は、水処理、食品加工、環境分析、製薬、実験室での作業など、さまざまな場面に現れます。化学では毎回同じ基本的な問いを使います。試料は一様か、何が溶けているか、どの物理的性質を使えば成分を分けられるか、という問いです。
これは日常の例も説明してくれます。コーヒーをいれるときにはろ過が使われます。海水から食塩を得るには蒸発が使えます。工業での分留は、液体どうしの沸点差が十分にあるために可能です。
適切な分離方法の選び方
分離方法を選ぶ前に、次のことを確認しましょう。
- 試料は均一混合物ですか、それとも不均一混合物ですか。
- 本当に溶けている物質はありますか。
- 利用できるほど違いがある物理的性質は何ですか。粒子の大きさ、密度、沸点、溶解度のどれでしょうか。
この短いチェックリストで、多くの判断ミスを防げます。
似た例で練習してみよう
砂と水、食塩水、油と水の3つの場合を考えてみましょう。それぞれについて、まず混合物の種類を答え、そのあと実際の性質の違いに合った分離方法を1つ選びます。これが、このテーマを最も早く身につける方法です。